ルイス・アルベルト(右)の負傷で前半25分からピッチに立った鎌田大地(左) [写真]=Getty Images

 セリエA第17節が22日に行われ、ラツィオとエンポリが対戦した。

 ここまでセリエAでは6勝3分7敗と負け越しているラツィオ。チャンピオンズリーグ(CL)では決勝トーナメント進出を果たしたが、現在はCLも含めた公式戦直近3試合を1分2敗で終えており、白星から見放されている。今節は3勝3分10敗で降格圏の18位に沈んでいるエンポリと敵地で対戦。ラツィオは前節インテル戦(●0-2)に途中出場していたルイス・アルベルトがスターティングメンバーに復帰し、鎌田大地は2試合ぶりのベンチスタートに。チーロ・インモービレやマッティア・ザッカーニといった主力も先発に名を連ねた。
 
 試合は立ち上がりの9分、ラツィオが自陣から細かくボールを繋いで攻撃へ。ザッカーニとのワンツーで敵陣中央を破ったL・アルベルトが、切り返しで相手を外してフィニッシュまで持ち込むも、GKエリーア・カプリーレの位置を見て右足で狙ったシュートはゴールライン手前でセバスティアーノ・ルペルトにクリアされる。こぼれ球を拾ったインモービレ、さらにはザッカーニのシュートもブロックされたが、再度ボックス内でセカンドボールを回収すると、マテオ・ゲンドゥージが切り返しから左足で叩き込む。ゲンドゥージのセリエA初ゴールで、ラツィオが幸先良く先手を取った。

 だが、直後にはラツィオを度重なるアクシデントが襲う。まずは13分、スルーパスに抜け出してペナルティエリア左からフィニッシュまで持ち込んだインモービレが足を痛める。およそ8分後に自らプレー続行は不可能だと判断し、バレンティン・カステジャーノスとの交代でピッチを後にした。続く24分にはコーナーキックからカウンターの芽を摘んだ場面で、L・アルベルトがハムストリングと思われる箇所を負傷。急きょ25分に鎌田がピッチへ送り出された。

 2名の絶対的な主力を同時に失ったラツィオは、33分にセットプレーからピンチを迎える。エンポリの右コーナーキックをニアサイドでティロネ・エブエヒに逸らされ、最後はダニエル・マルディーニに左足でシュートを打たれたが、ここはGKイヴァン・プロヴェデルがしっかりとセービング。前半終盤の41分には敵陣中央でルーズボールを拾った鎌田が強引にシュートまで持ち込むも、相手にブロックされた。前半はこのままラツィオの2点リードで終了している。

 後半に入ると50分、エンポリがこの日最大の決定機を作り出す。敵陣左サイドでボールを持ったニコロ・カンビアーギが外側のスペースを駆け上がってきたシモーネ・バストーニを使うと、バストーニはダイレクトで中央へ折り返す。ニアサイドで当たったボールにカンビアーギが反応し、ダイレクトで左足を振り抜いたが、シュートはGKプロヴェデルのビッグセーブに阻まれた。

 対するラツィオは66分、自陣中央の位置で厳しいチェックからボールを奪ったゲンドゥージがカステジャーノスに預けると、ここからカウンターへ転じる。リターンパスを受けたゲンドゥージが左へ振ると、パスを受けたザッカーニは外側を回った鎌田を囮として、カットインから右足でシュート。ここはGKカプリーレに阻まれたが、こぼれ球に2度、3度とザッカーニが反応し、最後は強引に右足で押し込んだ。ラツィオが勝利を手繰り寄せる待望の追加点を記録している。

 後半アディショナルタイムにはペナルティエリア左でペドロからのヒールパスを受けた鎌田が右足を振り抜くが、ここは相手のブロックに阻まれる。ラツィオは勝利を決定付ける3点目こそ挙げられなかったが、エンポリに付け入る隙を見せず、このまま試合は終了した。

 ラツィオはこれで公式戦4試合ぶり、セリエAでは3試合ぶりの白星を飾った。順位も暫定ながら9位に浮上している。一方で、敗れたエンポリは前節トリノ戦に続きこれで2連敗。現在は5試合連続で勝利から遠ざかっている。

 次節、ラツィオは29日にホームでフロジノーネと、エンポリは30日に敵地でカリアリと、それぞれ対戦する。

【スコア】
エンポリ 0-2 ラツィオ

【得点者】
0-1 9分 マテオ・ゲンドゥージ(ラツィオ)
0-2 67分 マッティア・ザッカーニ(ラツィオ)

【ハイライト動画】ラツィオがエンポリを下し敵地で貴重な勝ち点「3」