MMD研究所は12月20日、2023年12月に実施した「MNO4キャリア9サービスの契約プラン内容の実態調査」の結果を公表した。
2023年は国内の4キャリアで、NTTドコモ「irumo」「eximo」、au「auマネ活プラン」、ソフトバンク「ペイトク」、楽天モバイル「Rakuten最強プラン」といった新料金プランの提供が開始された。今回の調査では、これらの新プランがどれほど利用されているかを調べている。
2023年の新プラン利用者は12.8%だが、実質的には5%弱
スマートフォンを所有している20歳~69歳の男女20,000人のうち、メイン利用のスマートフォンで4キャリアと契約していたのは17,958人。各キャリアごとの契約プランを上位5位までまとめたのが次のグラフだ。
NTTドコモは、新プランの投入が7月と比較的早かったこともあって、irumoが6.3%で5位に入っている。eximoはランク外の4.6%で、あわせて約12%の新プラン加入者がいる。
au/ソフトバンクは、新プランがいずれもランク外となっており、9月開始の「auマネ活プラン」が3.1%、10月開始の「ペイトク」が2.3%という結果。新プラン提供開始から時間が経っていないこと、新プランの性格が万人向けというより関連サービスの利用頻度が高いユーザー向けのものであったことが、12月時点での加入者がそれほど多くない理由かと思われる。
楽天モバイルは、個人向けとしては「Rakuten最強プラン」ワンプランの提供で、旧プランの加入者も新プランに移行しているため、基本的には全ユーザーが「Rakuten最強プラン」に加入しているということになる。
全体に占める新プランの比率は12.8%となるが、これは楽天モバイルの契約者のほぼすべてが新プラン加入者にカウントされることが大きい。楽天モバイル利用者を除いた中で計算すると、新プランの加入者は約4.6%だ。
新プランの認知度トップは「auマネ活プラン」
それぞれの新プランの認知/利用状況を、調査対象全体と当該キャリアの加入者のそれぞれに聞いた結果が、以下の一連のグラフだ。
全体での認知度が高いのは「Rakuten最強プラン」で、認知率は45.9%。それ以外の4つの新プランの認知度は37.3%~44.0%で、全体の半分を超えているものはなかった。楽天モバイルを除く新プランで当該キャリアの利用者の中での認知度がもっとも高かったのは「auマネ活プラン」の66.2%で、「irumo」「eximo」「ペイトク」よりも5~10%高い結果となった。新プランの加入率と必ずしも一致しないのが面白いところだ。
節約意識が高い人は「MVNO」「楽天モバイル」の利用者に多い
新プランと直接の関係はないが、この調査ではMVNOを含めた利用サービスごとに利用者の通信費節約への意識の高さも尋ねている。節約意識がもっとも高かったのはMVNOの利用者で、「とてもある」が54.5%、「とてもある」「あまりない」の合計が84.0%という結果。それに次ぐのが楽天モバイルのユーザーで、「とてもある」が50.4%。
逆に節約意識が高くないのは、「とてもある」が25.4%とMVNOの半分以下にとどまったソフトバンクユーザー。auユーザーは25.3%、ドコモユーザーは28.3%とこの3ブランドが「とてもある」の比率が低いほうから3つを占めており、やはり3キャリアのメインブランドは費用面を重視するユーザーからはあまり選ばれないようだ。
調査概要
- 調査名:MNO4キャリア9サービスの契約プラン内容の実態調査
- 調査期間:2023年12月7日~12月11日
- 有効回答:20,000人 ※人口構成比に合わせて回収
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:スマートフォンを所有している20歳~69歳の男女