米Cloudflare(クラウドフレア)が、2023年に最も注目を集めたインターネットサービスのランキングを発表。Googleが2年連続で1位となった。また、今回から注目カテゴリーとして新たに「生成AI」を加えており、OpenAIのChatGPTがトップに入った。
コンテンツ配信時に利用されるCDN(Contents Delivery Network)事業者として知られるCloudflareは、1年を通して世界および国/地域ごとに観察されたインターネットの傾向とパターンをさまざまな指標に基づいてレビューし、年次報告書として発表している。
ここでは、4回目となる「Cloudflare 2023 Year in Review」の中から、「最も人気のあるインターネットサービス総合トップ10」、「最も利用されたSNS」、「生成AIサービストップ10」などを取り上げる。
最も人気のあるインターネットサービス総合トップ10
- Apple
- TikTok
- Microsoft
- YouTube
- AWS
- Amazon
- iCloud
Google以外では、Facebookが常に2位をキープ。3位には、4月にTikTokが入ったものの、それ以外はおおむねAppleがランクインした。なお、2023年7月にXに改称した旧Twitterは、2022年は総合ランキングで10位にランクインしたものの、今回は総合トップ10には入っていない。
最も利用されたSNS
- TikTok
- X(旧Twitter)
- Snapchat
- Discord
- Kwai
SNS部門のリストでは、トップ5は前回2022年から変動はない。10位のKwaiは、ブラジルやインドネシアなどで人気の中国系動画アプリだという。
CloudflareではX(旧Twitter)に代わるサービスとして、Mastodonや、Instagramを展開するMetaが2023年7月にサービス開始したThreadsを挙げている。数百のMastodonサーバーが160位から200位にかけてランクイン。Threadsは7月6日の227位をピークに下落し、8月下旬以降は300位前後まで回復したものの、今回のSNS部門のトップ10には入らなかった。
このほか、新規参入のBlueskyは、8月下旬にトップ500に初登場。9月19日に432位で初めて急上昇し、11月にはトップ400に到達、11月19日の397位がピークだった。
生成AIサービストップ10
- OpenAI
- character.ai
- QuillBot
- Hugging Face
- Poe
- Perplexity
- Wordtune
- Bard
- ProWritingAid
- Voicemod
生成AI部門は、2022年11月下旬にOpenAIからChatGPTが発表されて注目を集め始め、2023年には世界的な現象となった。Cloudflareは「OpenAIが2023年の早い時期に人気を博し、このリストのトップになったのは驚くことではない」とコメントしている。
総合ランキングにおいては、1月上旬は200位前後だったOpenAIは、ChatGPT-4とプラグインを発表した3月から4月にかけて大きく順位を上げ、現在はトップ100に近い位置にいるという。ピークは11月6日にサンフランシスコで開催されたOpenAIの最初の開発者カンファレンスの後(11月9日の104位)で、11月後半にサム・アルトマンCEOが短期間離脱したものの「目立った影響はなかった」とのこと。
Cloudflare 2023 Year in Reviewではこのほかにも、2023年のさまざまなインターネットトレンドを発表しており、そのひとつとして「Starlink」を発信元とする世界のトラフィックは2023年に3倍近く増えたことに注目。
Starlinkは、米Space Exploration Technologies(SpaceX)が提供する、低軌道衛星を使ったブロードバンドサービス。2019年のサービス開始以来、提供地域を拡大しており、多くの国/地域でトラフィックの増加が見られるという。特に2022年半ばにブラジルでサービスを開始したところ、ブラジルからのトラフィックは2023年に17倍以上増えたとのこと。なお、Starlinkは日本国内でも2022年から利用可能になっている。