俳優の西島秀俊が主演を務めるテレビ朝日のスペシャルドラマ『黄金の刻』が2024年3月に放送されることが20日に明らかになった。
■セイコーグループの創業者の人生をドラマ化『黄金の刻』
楡周平氏による小説『黄金の刻 小説 服部金太郎』(集英社刊)をドラマ化する今作は、日本初の腕時計、世界初のクオーツウォッチを発売した「セイコーグループ」の創業者である服部金太郎の波乱の人生を重厚に描き出すスペシャルドラマ。金太郎は丁稚奉公から時計修理職人を経て、時計の製造工場「精工舎」を設立し、国産初の腕時計を製造販売することに。常に時代の先々を読み、「義理」「人情」「恩義」を大切にしながら一歩ずつ己の夢を叶えていった金太郎だが、一方で火災や震災など、数々の困難に襲われ……。洋品雑貨問屋の丁稚は、いかにして“東洋の時計王”になったのか。初恋相手や親友との別れ、天才的な職人との出会いなどの人間ドラマも加え、「禍を転じて福と為す」を実践した稀代の起業家・服部金太郎の一代記を届ける。
脚本は、映画『凶悪』(13年)で日本アカデミー賞・優秀脚本賞受賞の後、映画『東京リベンジャーズ』シリーズなどヒット作を連発する高橋泉氏が、監督は、テレビ朝日系スペシャルドラマ『キッチン革命』(23年)、映画『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』(20年)ほかで知られる豊島圭介氏が担当する。また、このたび公開された、ひげを蓄えた威厳漂うモノクロの西島が印象的なビジュアルは、写真界の巨匠・操上和美氏が撮影し、アートディレクター・森本千絵氏がデザインを手掛けた。
■西島秀俊、服部金太郎役に
主人公・服部金太郎を演じるのは、主演映画『ドライブ・マイ・カー』(21年)で全米映画批評家協会賞・主演男優賞を受賞した西島。今作のオファーが来た際の、率直な感想を尋ねると「セイコーという企業のことはもちろんよく知っていますが、小さなところからいかにして大きく成長していったのか、ひとりの男の一代記を通して描いていくということにすごく興味を抱き、ぜひ参加したいと思いました」と、出演を快諾したことを明かす。
■西島秀俊 コメント
今回のお話をいただいた時は、セイコーという企業のことはもちろんよく知っていますが、小さなところからいかにして大きく成長していったのか、ひとりの男の一代記を通して描いていくということにすごく興味を抱き、ぜひ参加したいと思いました。脚本を読ませていただいて、服部金太郎の一代記ではあるのですが、激動の時代に生きながら、その時代を先読みし、新しい価値観を作って自身も会社も成長を遂げていくというダイナミックさが詰まっていて、改めてこの役を演じてみたいと思わせていただきました。
演じさせていただく金太郎は、明治、大正、そして昭和を生きた人物ですが、現代に通じる、それぞれの人には、それぞれ生かすことができる場所があるという適材適所を当時から理解されていらっしゃると感じました。その中で人とつながり、ともに成長していくという現代的なセンスを持ってらっしゃる方だと思いますし、未来を見据える姿勢というものにあこがれを抱いています。
実は、これは出来過ぎた話だと思われるかもしれませんが、父がずっと「グランドセイコー」をつけていて、僕が仕事をするようになったころにそれをもらい、今も愛用しています。ですので、個人的にもセイコーというブランドには思い入れがあります。
現在、順調に撮影は進んでいますが、今回は時代物ということで、俳優の皆さん、スタッフの皆さん、それぞれとても丁寧にシーンを撮っています。また、登場するキャラクターの個性が本当に強く、魅力的ですので、演技の場で起こるケミストリーや、特別な瞬間を楽しみながら、毎日撮影に励んでいます。
これは、明治、大正、昭和という時代を生き抜き、新しい価値観を築き上げた男と仲間たちの物語です。現在も、いろいろな価値観が新しく生まれている激動の時代だと思いますが、そんな中、明日への希望や勇気がもらえる作品だと思いますので、ぜひ楽しみにしていてください!
【編集部MEMO】西島秀俊
1971年生まれ、東京都出身。1994年『居酒屋ゆうれい』で初出演。2002年に北野武監督の映画『Dolls』や、2013年大河ドラマ『八重の桜』など多くの作品に出演し、人気を博す。海外の映画賞をいくつも獲得した主演映画『ドライブ・マイ・カー』(21年)そして『シン・ウルトラマン』(22年)といった映画作品、『きのう何食べた?』シリーズ(19年~)や『ユニコーンに乗って』(22年)をはじめとするテレビドラマ、『ソフトバンク』『ダイワハウス』などのCMと多方面で活躍し、幅広い年齢層からの支持を集めている。