米AMDが10月19日(現地時間)に発表したHEDT向けプロセッサ「Ryzen Threadripper 7000WX」シリーズにおいて、オーバークロックすると飛ぶヒューズが内蔵されているという。ExtremeTechなどが報じた。
AMD Ryzen Threadripper 7000WXシリーズのプロセッサは大量のコアを搭載しつつ、オーバークロックによって高い性能を実現できる点が特徴のCPU製品。愛好家によってオーバークロックが盛んにおこなわれており、ベンチマークテストにおける世界記録樹立なども行われていた。
今回、このRyzen Threadripper 7000WXシリーズにヒューズが内蔵されており、オーバークロックすることで切れることが判明した形。なお、このヒューズが切れただけでCPUが動作しなくなったり、保証が無効になることもないという。AMDはあくまでオーバークロックが行われたことを認識するだけだとしており、マザーボードメーカーが表示する警告文を順次修正していくという。
この件について報じたTom's Hardwareに対して、AMDは「Threadripper 7000シリーズプロセッサには、オーバークロックを有効にすると切れるヒューズがあります。明確にしておくと、このヒューズが切れたからといって保証が無効になることはありません。オーバークロック/過電圧機能を有効にするとプロセッサの保証が「無効になる」というUEFIの記述は正しくありません。AMDの標準販売条件では、オーバークロック/オーバーボルテージプロセッサに起因する損害は保証の対象外とされています。しかし、その他の関連性のない問題については、保証修理/交換の対象となり得ます」と述べている。
ちなみに、Tom's HardwareいわくRyzen Threadripper Pro 5000WXにも同様のヒューズが存在していたらしい。機能的にはオーバークロックをサポートしているのに、実行すると保証が無効化されるのではという疑念が今回取りざたされた格好だ。