MetaのCEO、マーク・ザッカーバーグ氏が「Threads」のActivityPub対応のテスト開始を明らかにしたことを受けて、Instagramの責任者であるアダム・モセリ氏が今後の計画をThreads上で共有した。同社はThreadsの相互運用性に関して、フォロワーのポータボリティを含む大きな計画を持っており、様々な課題に取り組みながら段階的に進める予定であり、完了には約1年を要すると述べている。
ActivityPubは、独立したサーバーが相互接続する分散型ネットワーク、フェディバース(Fediverse)で使用されるプロトコルの一つである。MastodonやGNU socialなどがこれを採用している。中央集権型のサービスであるThreadsがActivityPubによる相互運用をサポートすることで、ThreadsもActivityPubでつながるサーバー群の1つになり、他のActivityPubを採用するソーシャルネットワーキングサービスとの交流が可能になる。
現在、一部のテスターによるテストが行われており、これによりThreadsの公開アカウントをMastodonなどの他のActivityPub対応サービスで閲覧することが可能になっている。しかし、その逆は実現していない。1方向的な対応にとどまっている。
Threadsチームはまず、他のActivityPub対応プラットフォームからの返信をThreadsに表示させようとしている。「より広いコミュニティからの返信を見るためにThreadsアプリを離れなければならないのは、今となっては不便な体験である」とモセリ氏は指摘している。続いて、他のプラットフォームのアカウントをThreadsユーザーがフォローできるようにする計画だ。ただし、これに関しては、プライバシー やインテグリティなど解決しなければならないことが多く、Threadsチームは積極的にそれらの問題に取り組んでいるとのこと。
ActivityPub対応のテストを、いずれは全てのユーザーが利用できるオプションにすることを目指している。有効化に関して、現時点ではThreadsユーザーがアカウントを公開し、他のActivityPub対応サービスへの投稿表示を、ユーザーが「明示的にオプトイン」することを要求する予定だ。これはWordPressなど他のサービスと一貫性のある仕組みになるが、Mastodonコミュニティではオプトアウト(「表示させない」を選択)を求める声があり、今後の議論やMastodonコミュニティの動きによってはオプトアウトを採用する可能性もあるという。
モセリ氏の投稿で特に注目されたのは、フォロワーのポータビリティへの言及である。最終的に、ThreadsユーザーがThreadsを離れる際に別のサーバーやアプリにフォロワーを持ち運べるようになるべきだとし、「クリエイターがオーディエンスとの関係を自分のものにすることが重要だと、私は考えている」と述べている。