日本テレビ系ドキュメンタリー番組『NNNドキュメント’23』(毎週日曜24:55~)では、第二次世界大戦後、朝鮮半島に残った日本人女性たちを支援してきた國田房子さんを追った『負けるもんか 108歳 日韓の狭間に生きた日本人妻』(南海放送制作)を、きょう17日に放送する。

  • 國田房子さん

戦争が終わり、国外の日本人が一斉に帰国の途に着いたが、一方で日本に帰らない人、帰れない人たちもいた。韓国人男性と結婚し、半島に残った残留日本人妻たちだ。しかし、戦後の半島は日本人が暮らす環境ではなかった。戦後78年が過ぎ、苦難の歴史を生きた彼女たちのほとんどが他界。その実態を知る人はほとんどいなくなった。

そんな中、韓国で暮らし、残留日本人妻たちを支えた。國田房子さん(108)。口癖は「負けるもんですか」で、壮絶な人生を歩んできた。

國田さんは戦前、日本で働く朝鮮人男性と結婚し、戦争が終わると同時に韓国へ渡った。そこで彼女が見たものは、貧困と差別に苦しむ日本人妻の姿。「見てられなかった」という國田さんは苦しんでいる日本人妻を探し、支えていこうと決意する。両国政府も把握していなかった日本人妻を探し出し、1964年、日本人妻の会を設立。多くの日本人妻たちは「彼女がいなかったら私は死んでいた」と話す。

残留日本人妻の暮らしは悲惨を極めた。家を追い出された女性、出自を隠した女性、その日の食べるものがない女性、病気で動けなくなった女性…。國田さんは情報を聞きつけては探し歩き、時には私財を投じて生活を支えた。そんな日本人妻も今は数えるほど。國田さん自身も体調がすぐれない中、入院している日本人妻を訪ね、日本人慰霊碑を守り続ける。

今年108歳となり、身体は弱ってきている。彼女が見てきたものとは。歴史の生き証人として、その実態を語る。