モデル・タレントの佐藤栞里が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、17日に放送される『娘に遺したいもの ~「余命半年」の父より~』。一人娘へのメッセージ動画を記録し続ける末期がんの父を追った作品だ。

番組に登場する一家と家族構成が同じであることから、共感する部分が多かったという佐藤。彼らの姿から、“会話して伝えること”の大切さを感じたと語る――。

  • 『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した佐藤栞里

    『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した佐藤栞里

「余命半年」宣告から100本超の動画作り

末期がん患者の加治川健司さん(54)は、医師に「余命半年」と宣告されてから動画を作り続け、その数は100本を超える。映されているのは、一人娘である風花さん(11)への言葉。「失敗したら怖いからやめておこう…そんな理由で踏み出すことをちゅうちょしたときは、お父さんを思い出して」など、人生や生き方、そして命について、娘が成長した日に読んでほしいと、日々メッセージを記録している。

さらに、娘が結婚したときに持っていくためのアルバム作りや、家計の助けになればと闘病記も出版。いずれも「自分がいなくなってから、妻と娘が困らないように」との思いからだが、そんな夫に、妻・靖子さん(50)は「生き急ぎ過ぎているのでは…」と戸惑いを隠せない。そんな中、風花さんが「北アルプスに一緒に登りたい」と言い出して……。

同じ一人娘の家族構成「気持ちが分かるところも」

今年の『24時間テレビ』(日本テレビ)で、加治川さん一家が北アルプス登山に挑戦した模様が紹介され、その放送も見ていたという佐藤。今回の『ザ・ノンフィクション』を通して、「挑戦というのは1人では怖いことが、より分かった感じがしました。最初は、お父さんがきっかけで登山に挑んだと思っていたのですが、実は風花ちゃんの一言にもすごく大きな影響があって、彼女がきっかけで家族みんなが頑張れるというのは、本当に温かくて素敵だなと思いました」と印象を語る。

  • 登山に挑む加治川さん一家 (C)フジテレビ

ただ、今回のオファーには、「加治川さんご家族や番組のスタッフの皆さんの思いを背負えるんだろうかと思って、正直、自分にできるのか不安があったんです」と告白。それでも、映像とナレーション台本を見て、「想像以上にとても明るくて、すごく愛にあふれるご家族の皆さんだったので、悲しい気持ちにならずに読むことができると思いました」と、不安を払拭して臨むことができた。

自身も加治川さん一家と同じ一人娘の家族だけに、「私も愛情いっぱいに育ててもらったので、風花ちゃんの気持ちが分かるところもあって」と共感。同時に、「お父さんが風花ちゃんに結婚相手の条件や、お店に入ったら脱出口と脱出ルートを頭に入れるようにと伝えるのを見て、私の父もこんなこと言うだろうなと思いました」といい、「事前に台本を読むときに、健司さんの立場で1回目、風花ちゃんの立場で2回目、妻・靖子さんの立場で3回目、という感じで皆さんの気持ちになって読めました」と、家族それぞれの思いを受け止めて語りを吹き込んだ。

ナレーションでは、健司さんから風花さんへのメッセージを読み上げる場面もあるが、「健司さんの言葉をしっかり受け止めて、それが風花ちゃんにより届いたらいいなという気持ちで読みました。きっと、もう届いていると思うんですけどね」と意識したそうだ。