対戦格闘ゲーム『ストリートファイター6(スト6)』のアーケード版『ストリートファイター6 タイプアーケード(スト6TA)』が全国149店舗のゲームセンターで12月14日から稼働開始しました。
これに合わせ、東京・吉祥寺にある「プラサカプコン 吉祥寺店」では、稼働記念イベントを開催。お笑いコンビ「NOモーション。」の2人をMCに、プロゲーマーのかずのこ選手、どぐら選手、グラビアアイドルでYouTuberのRaMuさんをゲストに迎え、来場者との対戦会を実施しました。
『スト6TA』は、PlayStation 4(PS4)、PlayStation 5(PS5)、Xbox Series X|S、Steamで展開中の対戦格闘ゲーム『スト6』のアーケード版ですが、もちろん、コンシューマ版がそのままアーケードゲームとなるわけではなく、アーケード用に仕様が変更されています。
その1つがキャラクター数。コンシューマ版はシーズンチケットやキャラクターのダウンロードコンテンツを購入しないと、追加キャラクターを使用できませんが、アーケード版は最初からすべてのキャラクターが選べる状態です。ダウンロードコンテンツを購入する前にどんなキャラクターか試すにはいい機会でしょう。
ゲームモードは、コンシューマ版で言う「FIGHTING GROUND」のみとなっており、「BATTLE HUB」や「WORLD TOUR」は搭載されていません。
「FIGHTING GROUND」で選べるモードは「ARCARDE」「TRANING」の2種類。「ARCARDE」には、さらに「STARTER」と「ARCARDE」の2種類があり、初心者向けの「STARTER」は、CPU戦の難易度を2段階(EASY/NORMAL)から選択可能で、プレイ開始からCPU戦2ステージ目まで乱入禁止です。3ステージ目から店内、全国対戦が楽しめ、対人戦かCPU戦で敗北する、または、CPU戦6ステージクリアすると終了です。
「ARCARDE」は、難易度を4段階(EASY/NORMAL/HARD/VERY HARD)から選択可能。1ステージ目から店内、全国対戦を楽しめます。対人戦かCPU戦で敗北、もしくは8ステージクリアで終了。また、CPU戦を特殊なルールで戦う「EXTREME BATTLE」にすることも可能です。
「TRANING」は、「SAFETY」と「NORMAL」が選べます。どちらも店内、全国対戦のマッチングの待ち時間にトレーニングモードで練習できます。「SAFETY」は対人戦で3連勝もしくは2敗すると終了、「NORMAL」は対人戦で負けるか5連勝で終了します。
アーケード版での戦いの記録やプレイヤーデータは、プレイ用ICカードである「NESiCA」や「AICC」に保存。ボタン設定やキャラクターの設定、トレーニングモードの設定が記録され、カードをかざすだけですぐさま再現されます。また、コンシューマ版のように、対戦の勝敗や対戦履歴、プレイ履歴なども記録され、モバイルサイトでチェック可能です。
操作タイプは「MODERN(モダン)」と「CLASSIC(クラシック)」の2種類から選べます。筐体に付属しているコントローラーも使えますが、USB入力端子が搭載されているので、自分のコントローラーを持ち込んで使用することもできます。パッドやレバーレスコントローラーなど、コンシューマ機でアーケードコントローラーを使用していない人でも、アーケード版で、いつも通りの操作ができるようになっているわけです。
なお、アーケードゲーム機の特性上、ソフトとなる基板とハードとなる筐体の組み合わせは、ゲームセンターによりますが、タイトーやカプコンの直営店などでは、タイトーの筐体である「VEWLIX」を使用。ちなみに今回のイベントで使用されたのは、「VIEWLIX DIA BLACK」でした。
今回の稼働記念イベントは、来場者がゲストの中から1人指名し、1先で勝負する内容でした。プロゲーマーやストリーマーと対戦するために、当日は開店前から長蛇の列です。
みごと整理券1番をゲットした人はなんと朝6時に来店。さすがに早すぎて誰もおらず、カフェで2時間ほど時間を潰したあと、8時から並んだそうです。イベント開始は10時、終了は12時だったので、あまり時間はありませんでしたが、来場者はイベント終了後の通常営業でも『スト6TA』を楽しんでいました。
また、イベント終了後しばらくの間はかずのこ選手、どぐら選手、「NOモーション。」の2人が撮影とサインに対応しており、オフラインイベントならではの交流もみられました。
最後に、『スト6TA』をプレイさせてもらいましたが、操作感は概ね良好。ただ、最近は家でプレイすることが多かったので、環境の違いに違和感を覚える部分がありました。
特に画面の大きさ。どぐら選手がイベント中に、「画面が大きいのでゲージを確認するのに視線が動く」と話していましたが、実際にプレイしてもそう感じました。「VEWLIX DIA BLACK」は、32V型の液晶ディスプレイを使用しているうえ、プレイヤーとの距離がかなり近めです。臨場感がある反面、全体を把握するには画面サイズが大きすぎると思いました。
それ以外に、家庭用とどんな違いを感じたか、イベント終了後にかずのこ選手とどぐら選手に話を聞いてきました。
まず、ディスプレイに関してですが、遅延はほとんど感じなかったとのこと。「VEWLIX DIA BLACK」の液晶ディスプレイは公式にはリフレッシュレートや応答速度の表示が公開されていませんが、プロゲーマーが問題ないレベルなので、安心してプレイができるでしょう。また、コントロールパネルが筐体据え置きなので、アケコンを膝置きしているプレイヤーは、高さがいつもと違ってしまうのですが、これも慣れれば問題ないとのことでした。
eスポーツ施設の体験会ほど気合いが入った感じではなく、ちょっと対戦したいときにふらっと立ち寄れるゲームセンターの存在は本当に大きいと言えます。また、さまざまな機材を用意し、ソフトのアップデートの管理もしなくてはならないコンシューマ機に比べ、ひとそろいですぐに対戦ができるアーケード筐体は大会を開くにも楽なツールでしょう。『スト6』をプレイしている人の数が増えている今、アーケード版の存在価値も大きくなっていると感じました。