俳優の中尾明慶が、29日に放送されるABCテレビ・テレビ朝日系スペシャルドラマ『必殺仕事人』(21:00~)に出演することが15日に明らかになった。
■東山紀之主演『必殺仕事人』に松下奈緒参戦
渡辺小五郎(東山紀之)、経師屋の涼次(松岡昌宏)、リュウ(知念侑李)、花御殿のお菊(和久井映見)ら仕事人たちが、世にはびこる悪をスカッと成敗する痛快エンターテインメント時代劇『必殺仕事人』。1月に放送した前作では、遠藤憲一演じる瓦屋の陣八郎が壮絶な最期を遂げ、4人の仕事人は再編を迫られることに。今作では、16年ぶりとなる女性新仕事人・棗(松下奈緒)が加わる。
■必殺史上例を見ない冷酷な仕事人・雪丸登場
陣八郎を慕っていたため、ショックから立ち直れず、抜け殻状態になってしまったリュウ。陣八郎の形見の鏨(たがね)を手に敵と戦うリュウだが、隙をつかれて窮地に。斬られそうになった瞬間、ひとりの男が気配もなく現れ、リュウを守るかのように敵を仕留める。その残酷な“斬り方”を目の当たりにし、思わずぼう然とするリュウ。この男こそ、流しの仕事人・雪丸だった。最近のリュウの様子を案ずるお菊が、密かに彼の護衛を依頼していたのだ。その場に駆けつけた涼次は、雪丸の残酷な仕事ぶりに憤り、「なぜあんな奴を呼んだ?」とお菊に詰め寄る。そんな涼次に、お菊が放ったひと言とは。仕事人たちと不穏な出会い方を果たした雪丸だが、小五郎とは面識があるようで? 激昂した涼次に詰められても一切動じず、ひょうひょうとしている雪丸だが、敵を討つ際の人が変わったような冷酷さは、まさに必殺史上“最凶”レベル。再編に揺れる仕事人たちをかき回していくことになりそうなキーマン・雪丸に注目だ。
■東山紀之(渡辺小五郎・役)コメント
中尾くんとは、初めてご一緒させていただきます。とても明るいキャラクターというイメージが強かったんですが、今回は仕事人をかき回していくという役柄なんです。彼自身も深いバックグラウンドをお持ちの方なので、どんなふうに雪丸というキャラクターを作っていってくれるのかが、非常に面白いし、楽しみでもありますね。そして、中尾くんは笑顔がかわいいんですよ! だからこの作品を見てくださる皆さんには“キャラの裏切り”といいますか、彼の笑顔と流しの仕事人の冷酷な顔とのギャップを感じていただけると思います。
■中尾明慶(雪丸・役)コメント
すでに出来上がっているチームに入っていくプレッシャーはハンパなかったのですが、皆さんが本当に温かい方ばかりで、すごく気にかけてくださるんです。「ほかとはちょっと違う現場だよ」と、皆さんが教えてくださって、色々とケアしてくださるので、ついていこうと思います。僕は、クランクインが東山さんとのシーンだったんですが、至近距離でお顔を見ながら「かっこいいな。鼻が高いな」と思っていました(笑)。お話させていただくとすごく気さくな方だったので、ありがたかったです。
撮影現場では初めてのことが多くて驚きました。大体のドラマはリハ―サルで一連の流れを確認するのですが、そういうこともまったくなくて……それに一番驚きました。どういう風にしようかなと悩んでいたシーンがあったんですが、リハーサルでやってみて考えようと思っていたら、本番が始まってしまったんです! 監督との雑談の中で、突然セリフがなくなったり、動きが変わるので、一瞬たりとも気が抜けない現場ですね(笑)。そして殺陣や立ち回りも、ジャンプしながらとか、笑いながらとか、監督が面白い演出をしてくださるんですよ。だから、あまり考え過ぎず、監督に委ねて、面白い立ち回りになったらいいなと思います。
僕が演じるのは流しの仕事人・雪丸です。雪丸は冷酷なんですが、すごく子どもっぽいと思うんです。ストップがきかない、やめ時がわからない子どもの延長線上にいるのが雪丸だと思っているので、ひょうひょうとしている部分と、そうではない一面もお見せしていきたいです。
そしてこの作品は時代劇なんですが、可能な範囲で“ふざけたい”と思っています。枠を越えたいというか、仕事人の皆さんがいる場面でも、その緊張感をできる限りぶち壊していきたいな、と思っています。今回の『必殺仕事人』は、新しい登場人物も出てきて、とても面白い作品になっていると思います。ファンの方が多くいらっしゃる作品なので、その方々に嫌われないように頑張ります(笑)。
【編集部MEMO】あらすじ
押し込み強盗や、残忍な手口で人を殺める“人斬り牛鬼”の犯行が連続し、江戸の町は騒然。渡辺小五郎(東山紀之)ら仕事人たちは、日々裏稼業で悪人たちを成敗していた。しかし、慕っていた瓦屋の陣八郎(遠藤憲一)亡き後、喪失感でいっぱいのリュウ(知念侑李)は、形見の鏨(たがね)を手に仕事に挑むも、反撃されて窮地に陥ってしまう。そんなリュウの様子を見かねたお菊(和久井映見)は、密かにある策を講じることに。一方、芝居小屋で踊り子たちの絵を描くという絵師としての表稼業に勤しむ経師屋の涼次(松岡昌宏)は、物価上昇の余波で絵の道具を買うこともできず、金の無心をするためお菊の家に向かう。すると、たまたま髪結い師の棗(松下奈緒)と居合わせ、その美しさに息を飲む。そっけなくあしらわれたものの、その後も芝居小屋で日々顔を合わせ、棗のことが頭から離れなくなった涼次は、お菊から棗の過去を聞き出す。そして、棗が、商売相手にだまされた夫が自ら命を絶つというつらい経験をし、決して消すことのできない恨みを胸に抱えていることを知る――。棗の壮絶な過去に言葉を失うも、芝居小屋に通い、踊り子たちの絵を描き続ける涼次だが、ふと、ひとりの踊り子の姿が見えないことが気に掛かる。すると、棗も同じく彼女の身を案じていて……!?