プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会は12月13日、「フリーランス白書2024」の調査集計速報として、「インボイス制度によるフリーランスへの影響に関する実態調査」を発表した。調査期間は10月20日~11月20日、調査対象はフリーランス・パラレルキャリア経験者、有効回答は1,242人。

  • インボイス制度の認知状況

同調査によると、インボイス制度の認知度は94.4%と2年前(61.5%)より上昇したものの、理解度は未だにバラつきがあることが判明。2023年10月時点でのインボイス制度の登録状況をみると、「登録申請をした/する」人が48.4%、「免税事業者を継続する」人が34.9%だった。

  • インボイス制度の登録状況

続いて、インボイス登録により新たに発生する納税負担分(年間売上1,000万円未満の小規模事業者の場合は約2%)について、発注事業者に価格転嫁できたか聞くと、「価格転嫁できた」人は17.2%にとどまった。同調査では「インボイス登録で課税転換した事業者の価格転嫁を促進するためには、政府による支援(発注者向け啓発とメッセージング)が必要」としている。

  • インボイス登録申請者・申請予定者の価格転嫁状況

免税事業者のままでいることを選択した人のうち、一方的な契約解除や値下げを迫られたことがある人は17.3%。同調査では「免税事業者への一方的な契約解除や報酬値下げは、独禁法・下請法違反の可能性があるが、認知不十分であり、周知徹底が求められる」と述べている。

  • 免税事業者に対する契約打ち切りや報酬値下げの状況

一方、免税事業者の51.3%が「報酬値下げをされた場合、取引の継続を見直す」と回答。同調査では「フリーランスに負担を被せる企業は『選ばれない企業』になり、人材不足の中で必要な人材を確保できなくなる可能性も」あると指摘している。

  • 値下げ強要された免税事業者の取引継続意向


一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会
「インボイス制度によるフリーランスへの影響に関する実態調査」