日本テレビ系ニュース番組『news zero』(毎週月~木曜23:00~、金曜23:30~)の有働由美子キャスターが、来年3月に卒業することが14日、明らかになった。後任は『news every.』(毎週月~金曜15:50~)の藤井貴彦アナウンサーが担当し、『every.』は鈴江奈々アナウンサーと森圭介アナウンサーのWメインキャスター体制となる。

  • (左から)鈴江奈々アナ、藤井貴彦アナ、森圭介アナ

有働はNHKを退局後、18年10月から『zero』のメインキャスターを担当。「民放で初めて仕事をさせていただいたのが『news zero』でした。特に印象的なのは、戦地ウクライナでの取材です。国の正義のために死を覚悟すべきか、一つ限りの命を自分のために生きるべきか、悩み苦しむ市民の様々な本音を聞きました。戦争というのは始まってしまえば、いや戦争に向かい始めたら、止めるのは非常に難しくなる。平時の報道の大切さを心深く刻みました。私が『news zero』を担当したこの5年あまりの間、取材先や現場で驚くほどたくさんの若い視聴者の方々に『zero』を見てもらえている実感があり、その声から私自身が新しい視点や刺激をもらっていました」と振り返る。

その上で、「気づけば現在54歳! 次の新たなことにチャレンジする時は今しかないと考え、1年半前から相談させていただいていて、わたくしのわがままを聞いてくださり、このたび『news zero』が快く送り出してくれることになりました。実績と安定の藤井貴彦アナウンサーにしっかりとバトンを渡せるよう残された『news zero』の時間をスタッフ、出演者とともに全力で走り切ります! どうぞ引き続き、今夜も『news zero』にお付き合いください」とコメントした。

藤井アナ、鈴江アナ、森アナ、各番組プロデューサーのコメントは、以下の通り。

■藤井貴彦アナウンサー

このたび、有働キャスターからバトンを受けnews zeroを担当することになりました。この先も every.で皆さんにお会いしたいと思っていましたが、新たな一歩を踏み出すことにしました。
今回、期せずして目の前に道が広がりましたが、有働さんからバトンを受ける来年4月は私にとって、アナウンサー生活30年の節目となりますし、news every.も15年目のスタートを迎えます。これはまさに「転機」なのではないかと考え、大役ではありますが舞台をzeroに移すことに決めました。
一方で、私にとってnews every.での日々はあと3ヶ月。ご覧いただいている皆様への感謝をぎっしり詰め込んでnews every.をお届けします。引き続きよろしくお願いいたします。

■鈴江奈々アナウンサー

気候変動や急速に進む少子高齢化。この先ますます生きにくい社会になるのではと、子育てをしながら心配になります。世界も、地球も変化している中で、私達も変わることが求められています。知ることが変わることの第一歩。今何が起きているのか丁寧にお伝えし、誰かの暮らしが少しでも良くなるように。誰かのチャレンジを後押しできるように。そんな前向きなきっかけづくりができる番組を目指していきます。
藤井キャスターから学んだ「とことん寄り添う姿勢」を大切に、心を込めてニュースをお届けします。どうぞ、よろしくお願いします。

■森圭介アナウンサー

これまで「スッキリ」「ZIP!」と15年間、1日の始まりの時間にお邪魔してきました。そんな私にとって、夕方の報道番組は全くの未知の世界。これから受け取る「news every.」というタスキには、先輩の汗と言葉が染み込んでいて、決して軽いものではありません。だからこそ、覚悟と責任を胸にスタートラインに立つつもりです。
みなさんにとって、いい1日でも、そうでなかった1日でも、きょうを振り返り、あしたが少しでもよくなるお手伝いができればと思っています。夕方のお忙しい時間をご一緒できたらうれしいです。

■『news zero』田口舞プロデューサー

ロシアによる侵攻から半年、空襲警報が鳴り続けるウクライナ。有働キャスターは、東部ハルキウから避難してきた親子へのインタビューで涙ぐみました。「取材者としてあるまじきこと」と話していましたが、理不尽な運命に翻弄され、先の見通せないウクライナの人たちを自分の家族のように想い、寄り添う。有働さんの優しさ、温かさがにじみ出た取材となりました。
現場で生きる人たちの「呼吸」を誰よりも深く感じとり、その「思い」を番組を見てくださる方々と繋ぐことができる唯一無二の存在が「有働由美子」というキャスターだと思っています。その有働さんと一番近くで仕事をし、議論を重ねて番組作りができたことは本当に刺激的な毎日でした。「もうzero何やってるのー!」と有働さんからお叱りを受けないよう「藤井貴彦アナウンサーとの第3章」も気を引き締めて進んでまいります!

■『news every.』小江翼プロデューサー

番組開始の2010年以来、誰からも愛され信頼されるevery.ブランドを積み上げてきた藤井貴彦アナウンサー。そのイズムをどう受け継ぐのか…答えがこの2人の起用でした。まっすぐな正義感を持つ鈴江アナの芯の強さと、あらゆることに興味を持つ森アナの視野の広さとを使って、さらに報道番組として世の中にしっかりとお役に立てる存在を目指します。東日本大震災や新型コロナなどを乗り越えてきた10年、その先を照らせるメインキャスターとともに次の10年へ踏み出します。

【編集部MEMO】
『news zero』メインキャスター就任の際の記者会見で、有働由美子は全身白の衣装で登場し、「中途半端なウエディングドレスみたいなのを用意していただいたので、これは嫁に出されたんだなと。嫁に出してくれたNHKのほうにも『立派にやってるな』と思っていただけるように、しっかり日本テレビの『news zero』で頑張っていければと思っております」と意気込んでいた。

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