「立川立飛eスポーツフェス」が11月18日、東京・立川のTACHIKAWA STAGE GADENとGREEN SPRINGS 2F 芝生広場にて開催された。会場の客席を埋め尽くしたのは、Z世代を中心とする若者たち。

プロゲーマーと一般参加者の混合チーム同士が対戦する5対5のエキシビションマッチが行われると、会場から歓声や拍手が沸き起こった。大会を開催した狙いについて、関係者に話を聞いた。

  • NTT東日本ほか各社が「立川立飛eスポーツフェス」に込めた思いとは?

イベントの概要

本イベントは、立飛ホールディングス、NTT東日本 東京西支店(以下NTT東日本)が主催し、NTTe-Sportsが企画・運営を行ったeスポーツ大会。昨年の好評を受け、今年が2回目の開催となった。

  • 会場に向かう一般の来場者たち

  • 参加費は無料(要事前登録)だった

人気のeスポーツゲームタイトルを使った「エキシビションマッチ2023」が開催されたほか、隣接するGREEN SPRINGS 2F 芝生広場では「おそとでeスポーツ」としてファミリー層に向けた簡単なゲーム大会、そしてプログラミング教室なども行われた。

  • 「エキシビションマッチ2023」が開催されたTACHIKAWA STAGE GARDEN

  • GREEN SPRINGS 2F 芝生広場の「おそとでeスポーツ」は親子連れでにぎわった

関係3社は2020年9月10日に「立川eスポーツプロジェクト」の推進に向けた連携協定を締結しており、eスポーツプロジェクトの推進を通じて多摩地域の活性化を目指していく協力関係にある。そこで各社の代表者に話を聞いた。

  • 「エキシビションマッチ2023」と「おそとでeスポーツ」の開催を告知するポスター

街の活性化に貢献

NTT東日本の萩野岳士氏は「立飛ホールディングスさんとは3年前に協定を締結してから今日に至るまで、地域の方に向けたイベント、一般の方に向けたイベントなど、さまざまな催しを共催してきました」とこれまでの協力関係について説明。

そして「立飛さんの立川・多摩エリアを活性化したいという思いはNTT東日本のビジョンとも合致します」とし、共通の理念についてあらためて強調する。

立飛ホールディングスには”立川立飛eスポーツフェスを世界に発信したい”という思いがある。そこで今回は、ひとつのチャレンジを試みたという。

同社の尾川拓生氏は「実はNTT東日本さんに、世界で活躍しているプロゲーマーを招聘できないか、と相談したんです。その結果、世界的にも有名な韓国のプロ選手をお呼びすることができました。世界からも注目してもらえるイベントにできたのではないでしょうか」と評価する。

  • 3社による相乗効果でイベント規模も拡大している

  • 海外から招聘したプロ選手を交えた対戦に盛り上がる会場

一方でNTTe-Sportsの村上瞳氏は、eスポーツを取り巻く環境について以下のような見方を示す。

「前回のイベントでは来場者の6割ほどを女性ファンで埋めることができました。今回のイベントではさらに女性ファンが増えた印象があります。私たちとしても『ファン層が求めていることをつかめてきたのでは』と自信を深めているところです」。

  • 開演前のエントランスホール、看板の前で写真を撮影するための列ができたが、たしかに若い女性の姿が目立つ

地域とのつながりを広げる

NTT東日本の関根綾乃氏は、eスポーツをフックにした地域活性化が成功している、と手応えを口にする。

「3社が協力して3年前から作り上げてきた土壌がいま活きています。今年(2023年)7月にも地元企業による交流イベント(第三回立川立飛地域交流eスポーツカップ)を開催したところ、eスポーツで盛り上がることができました。今後もこの縁を大事にして、地域とのつながりを広げていけたらと思っています」。

  • GREEN SPRINGS 2F 芝生広場の様子をやや遠目から撮影、地域のにぎわいに溶け込んだ催しになっていることがうかがえる

またNTTe-Sportsの川村響氏は「エキシビションマッチ2023」の開催により、立川の街をアピールできたことも良かった、と振り返る。

「オープニングでは立川女子高等学校によるダンスパフォーマンスもありました。ダンサーの生徒たちもステージで話していましたが、立川は緑が多く、落ち着いた公園があり、人が集う噴水や池があり、彼女ら若い世代にとっても、とても住みやすい街になっています。今回のようなeスポーツイベントを開催することで、立川に関心のなかった人にも『どんな街なのか』と興味を持ってもらえるのは、街の活性化に向けても大きなメリットになると感じています」。

  • オープニングで披露された立川女子高等学校によるダンスパフォーマンス

立飛ホールディングスの新藤真子氏は、中長期的な展望として「立川立飛をeスポーツの聖地にしていきたい」と語る。

その真意については「やはり若者に目を向けてもらうことが、地域活性化につながると思うからです。eスポーツのターゲット層はZ世代を中心とする、10代後半から20代前半の若者たち。eスポーツを絡めた催しを行うことで、従来なら弊社のイベントに来てもらえなかった層にも情報発信できます。街の活性化にゴールはありませんが、こうしたイベントをフックにして、今後もみんなで手を取り合って地域を盛り上げていけたら、と思っています」。

立川立飛eスポーツフェスのようなイベントを継続的に開催することで、ひいては立川の街の魅力を引き上げていけるのでは、と期待を寄せる。

最後に立飛ホールディングスの後藤孝輔氏は、あらためてNTTグループの協力に対して感謝の言葉を並べた。

「こうしたイベントは、簡単に開催できるものではありません。海外のプロ選手を招聘できたことも含めて、グループの力を結集していただけているのが非常にありがたい。NTTグループさんのスケールの大きさを肌で感じています」と後藤氏。

「NTTグループさんが地域のためを思う気持ち、地域貢献したいという私たちの気持ちが同じ方向を向けているのは嬉しいですね。通信以外にもさまざまな強みをお持ちのNTTグループの力、そこに私たちの得意とする不動産事業をかけ合わせることで、今後も地域活性化に意欲的に取り組んでいければと考えています」と抱負を語る後藤氏だった。