お笑いコンビ・シソンヌの長谷川忍が、中京テレビ・日本テレビ系ドキュメントバラエティ特番『オトナのための こどもディレクター ~カメラを向けたらはじめて聞けた』(20日23:59~)で涙を見せる。

  • 涙する長谷川忍

中京テレビで過去2回ローカル放送され、2023年日本民間放送連盟賞テレビエンターテインメント部門優秀賞を受賞した『こどもディレクター』。テレビスタッフでは絶対に撮ることのできない家族だけの空間や映像の数々を、今回は斎藤工、土屋アンナ、長谷川忍(シソンヌ)がスタジオで見守る。

VTRに登場するのは、「ブラジルから来日して35年、ママは故郷に帰りたい?」「紆余曲折あったけどお袋は俺のこと、どう思っている?」「家出した反抗期のこと、どう思ってる?」といった疑問を親にぶつけるこどもたち。「親と子」が「ディレクターと取材相手」という関係に変わることをきっかけに、照れや気まずさを飛び越え、長年抱えていたモヤモヤと向き合い始めるのが見どころだ。

東京都・三軒茶屋で出会った3姉妹(あやねさん・30歳、さおりさん・27歳、まなみさん・24歳)の両親は、仕事のために日本にきた日系ブラジル人。文化も言葉も違う地球の裏側で子育てを続けたママ、「日本は大変だ!」と時折言っていたそう。特にブラジルは家族を大事にする文化が強く、本当は会いたいはずなのに故郷の家族にも全然会えていないママ。日々の笑顔と明るさの裏で、本当はずっとブラジルに帰りたかったのではないか、と気になっているという。番組スタッフからカメラを受け取った後、撮影されていたのはとても楽し気な長女と次女の誕生日パーティ当日の様子。パーティ後、ほっと一息をつくママに3姉妹が質問をすると、返ってきた答えは家族愛にあふれる言葉だった…。

愛知県・大須商店街で出会った真菜実さん(26歳)は、小学校時代から高校時代まで反抗期がひどく約半年間にもわたって家出をするなど母親に迷惑をかけてきたという。大人になった今、当時のことは一切触れられない話題に。今は何事もなかったかのように接してくれている母親だが、その当時どう思っていたのかずっと聞けていなかった。真菜実さんは番組スタッフから受け取ったカメラで取材を始めるも、なかなか本題を切り出せない。取材4日目、やっとの思いで母親に質問をしてみると、逆に母親も真菜実さんに当時のことをずっと聞いてみたかったのだという。番組に帰ってきたカメラに映っていたのは、当時のことをお互いの目線で話始めた2人の後悔と感謝を伝え合う姿だった…。

VTRを見終わった後、長谷川はこどもディレクターたちが撮影してきた、初めて見る・知らないはずの親子の物語と自分自身を重ね、自らの両親への思いに思わず涙。

収録後、斎藤は「人の数だけ親子の物語があるからこそ、思いもよらなかった核心に触れられる。ドラマとは違い、画がないところや描かれない心の揺れ動きを“見たい”と思うがゆえに、どこか自分自身と重なっていく不思議な作品。番組を見ている方も見終わった後にこそ、“始まる”のではないか」と話し、その言葉を長谷川がまさに体現していた。

土屋は「(家族の)普段の空気感をこんな風にテレビで見ることはなかなかないと思う。そこがすごく新鮮で親子の関係の深さと、ある意味での複雑さが美しく描かれている。こんなテレビ初めてだな」と感嘆した。

(C)CTV

【編集部MEMO】
企画・演出は、『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』の北山流川ディレクターが務め、『ハイパーハードボイルドグルメリポート』の元テレビ東京・上出遼平氏が監修している同番組。ナレーションをなくして映像素材の力が前面に打ち出されたVTRが特徴の一つとなっている。