ラウンドワンは、本格的な日本食を海外に輸出する新規事業「ROUND ONE Delicious」を立ち上げる。国内で予約の取れない超人気店の約20店舗と提携し、まずは2025年夏にアメリカの3大都市において店舗をオープンさせたい考え。都内で12月12日に開催されたメディア説明会では、スペシャルアンバサダーに就任した寺門ジモンさんも期待感を口にした。
■プロジェクトの概要は?
訪日外国人の増加にともない、日本食への関心も世界的な規模で高まっている。このタイミングを捉えてラウンドワンでは、全世界に向けて”最高峰の日本食”を届けるべく、新規事業「ROUND ONE Delicious」をスタートする。
ラウンドワン代表取締役 社長執行役員の杉野公彦氏は「ボーリング、カラオケなどのアミューズメントを主軸とする我々が、なぜアメリカで飲食事業に挑戦するのか、と思う方もおられるでしょう。ラウンドワンでは、すでにアメリカで約50店舗のフード&ドリンクを併設した複合アミューズメント施設を展開しており、営業利益も100億円規模に成長しています。日本企業が海外展開するにあたって直面する問題に対しても、グループで培ったノウハウがある。これを活かして、全世界にフィールドを拡大していきます」と説明する。
協力する加盟店は、国内で最高級の評価を獲得した名店ばかり。店舗イメージとしては、鮨、日本料理、中華、創作(イノベーティブ)、焼鳥、天ぷらの7ジャンルの加盟店で1つのユニット(店舗)を構成。オープンキッチン方式のカウンターで客を出迎える。
「いま海外には、本物じゃない日本食レストランもたくさんあり、海外の人が日本食の看板を掲げてやっています。ROUND ONE Deliciousの新事業により、世界の人に本当の日本食を知ってもらえるのは嬉しいことです」と杉野社長。
出店計画については、まずは新鮮な食材が直行便で届く都市圏を視野に入れている。具体的には2025年夏にニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコで6ユニット(1ユニット7店舗)のオープンを目指す。その後はシカゴ、ダラス、ワシントンDC、ホノルルといったほかの主要都市にも進出する計画だ。
スペシャルアンバサダーの寺門ジモンさんは「日本食は、本当に世界に誇れるコンテンツだと思います。あまりに身近すぎて、なかなか気づけないかも知れませんが、私たちは日常的に日本食を口にできるミラクルな国に住んでいます。そんな日本食を、世界に紹介できるのが嬉しいですね」と笑顔でコメント。
またメディア説明会には、「にしぶち飯店」の西淵健太郎氏、「銀座 上瀧」の上瀧剛氏、「南青山 七鳥目」の川名直樹氏も登壇。西淵氏は「チームジャパンに選ばれたことは光栄です。たくさんの人に日本の味を楽しんでもらえたら」、上瀧氏は「銀座は、世界一の美食の街だと思います。この地ではある程度までやり尽くした感がありますが、世界ではどのくらい通用するのか挑戦してみたい、という思いです」、川名氏は「国内店舗と同じ食材、同じレシピで海外の人たちに食べてもらうということで、ラウンドワンさんだからこそ実現したプロジェクトだと思いました。研修生の人たちにも早く仕事を覚えてもらって、アメリカで実力を発揮してほしい」とメッセージを寄せる。
取り組みをスタートするにあたり、ROUND ONE Deliciousでは料理人を募集する。入社後1年間の各店舗における修行(実地練習・直接指導)を経て、その後の4年間で海外勤務を担当してもらうという流れ。ROUND ONE Delicious 代表取締役社長の吉田和生氏は「日本での修行期間は給与が月30万円、渡米時にはボーナスとして140万円を支給します。住宅手当もあります。渡米時には給与が月80~100万円、4年後のボーナスは400~1,200万円を支給し、住宅補助、クルマ、渡航費用も出ます。英語力は不問で、飲食に特化した英会話研修は会社側で用意します」と説明。たくさんの人に応募してもらえたら、と呼びかける。
この職人制度については、寺門ジモンさんも「海外で挑戦したいと思っている若い職人さんが日本国内にもたくさんいるでしょう。でも、向こうにはどんな障害があるか分からない、不安も尽きない。そこでROUND ONE Deliciousの制度を利用してもらえたら。通常なら修行させてもらえないような超人気店で働けるので、そういった意味でも大きなチャンスだと思います」とエール。私も応募したいけれど、でも年齢でひっかかるかな、と最後は苦笑いしていた。