JR東日本とパナソニック コネクトは、両社が共同開発した誰もが聞き取りやすい放送装置「放送音量自動制御システム」をさいたま新都心駅コンコースで12月11日から本格稼働させたと発表した。
「放送音量自動制御システム」は、周囲の騒音をリアルタイムで集音し、その場にいる人が常に聞き取りやすい放送となるように放送音量を自動で調整するシステム。駅は列車の走行音など周囲の騒音が大きく、発着列車があるたびに騒音の変動もあることから、必要な情報を放送しても正しく内容が伝わりにくい状況があった。これを踏まえ、JR東日本が培った駅の音環境に関する知見と、駅放送技術に長年の歴史を持つパナソニック コネクトの技術力を掛け合わせ、誰もが聞き取りやすい放送を実現するシステムを開発したという。
このシステムにより、つねに変動するコンコース内の騒音をセンサーがリアルタイムで集音し、騒音と放送音量の差を適切に常時維持するように放送音量を自動制御。過剰にうるさく感じることなく、聞き取りやすさの向上を図ることができる。国土交通省が定めたバリアフリー整備ガイドライン「案内音の音量設定は、原則として環境騒音に対し約10dB以上を確保する」に準拠し、騒音量「+7~10dB程度」を維持する。自動制御された放送音の音量が一定レベル以上に大きくならないよう、自動で音量を抑えるピークカット機能も搭載している。
特別なインターフェースを必要とせず、簡単な作業で既存放送設備に組み込むことができ、既存放送設備との接続もボタンひとつでオン・オフを切り替えられる。これにより、状況に応じて優先度の高い誘導案内等のアナウンスへ瞬時に切り替えられるという。