米Appleは12月11日(現地時間)、iOS 17のアップデート「iOS 17.2」をリリースした。1日の出来事や行動を記録する「ジャーナル」アプリの提供を開始。iPhone 15 Proシリーズの「カメラ」に空間ビデオ撮影機能が追加され、アクションボタンに「翻訳」を割り当てられるようになる。また、より多くの機種でQi2充電を利用できるようになる。

日記は、自分形成や目的達成、習慣形成、ストレス解消や心身のコントロールに効果があると言われている。「ジャーナル」はiPhoneとアプリを利用して日々の記録と振り返りを容易にする。特徴は、ユーザーのiPhone使用に基づいてアプリが日記エントリーを提案できること。例えば、カメラロールの写真から旅行記を勧められたり、ワークアウトの記録、またはポッドキャストのエピソードのメモなどが提案される可能性がある。「ジャーナル」には、Journaling Suggestions APIが用意されており、サードパーティのアプリもジャーナル記録の提案をアプリでサポートできる。

  • 写真からジャーナル記録を提案

    写真からジャーナル記録を提案、ジャーナルエントリーは、テキスト、写真、ビデオ、位置情報、オーディオ録音などを組み合わせて作成できる

「ジャーナル」はプライバシーを重視した設計になっており、ジャーナル記録の提案はデバイス内のAI(人工知能)機能を使って作成される。ユーザーは提案で有効にしたい情報を選択でき、アプリとは選択した項目のみが共有される。ジャーナルは、パスコード、Touch IDまたはFace IDを使ってロックでき、ジャーナルエントリーをiCloudにバックアップする際には暗号化された安全な状態で保管される。

空間ビデオは、Appleが2024年に発売する予定の空間コンピューター「Vision Pro」を使用することで、空間を切り取ったような映像で撮影時を追体験できる空間映像を楽しめる。1080p、30fps、標準ダイナミックレンジで撮影され、iPhoneなど他のデバイスでは通常のビデオのように表示・共有できるので、空間コンピューティング時代に備えて今から思い出を空間ビデオで記録することが可能だ。

  • iPhoneで空間ビデオ撮影

    iPhoneで空間ビデオは、通常のビデオ撮影と同じくらい簡単に撮影可能

  • Vison Proでの空間ビデオの再生

    空間を切り取ったような映像で撮影時を追体験できる、Vison Proでの空間ビデオの再生

アクションボタンに「翻訳」を割り当てることで、翻訳アプリをクイック翻訳ツールとして設定でき、異なる言語を話す人との会話に利用できる。

Qi2は、Wireless Power Consortium(WPC)によるワイヤレス充電の共通規格「Qi」の新世代規格だ。AppleのMagSafe技術を基に開発され、マグネットを使って正確に配置する仕様が追加された。今後Qi2対応のアクセサリが続々登場する見通しとなっており、Apple製品ではiPhone 15モデルがQi2に対応しており、さらにiOS 17.2でiPhone 13とiPhone 14のすべてのモデルにサポートが拡大された。