洋服の青山が「2024 SPRING & SUMMER COLLECTION」を公開した。テーマには『Stay Comfortabie』を掲げている。実際、どんなアイテムが流行るのだろうか?担当者に話を聞いてきた。
■今期も多彩なラインナップ
青山を代表するSavile Rowブランドでは、引き続きテーラードなクラシックスーツをメインに打ち出す。これまで英国製の生地にこだわっていた同ブランドだが、今期は日本国内で作られた高品質な生地との融合も図っていく。
HILTONブランドはイタリアンテイストを継承。Super160'sの超高級原料を使用したハンドメイド縫製にこだわった商品を展開する。
「#すごシリーズ」は、ストレッチ性をはじめとする高い機能性を搭載。これまではポロシャツ、パンツなどを提供してきたが、新たにドレススーツもラインナップに加える。担当者は「めちゃめちゃ伸びます。着れば分かるんですが、とても着心地が良いです」とアピールする。
盛夏に向けた白のTシャツはレイヤードの仕立て。透けや汗が気になる人も、これ1枚で着ることができる。なお伸縮性、接触冷感も備えている。
ジャケット、パンツ、シャツ、肌着には東レとコラボした「フィールドセンサー秒乾」を採用。文字通り”秒”で乾く吸水速乾性を備えた生地で、担当者は「太い糸と細い糸を重ねた、特殊構造の生地になっています。いわゆる毛細管現象を利用しており、水分を垂らしてもすぐに吸ってすぐに蒸発します」と説明する。
ZERO PRESSUREシリーズは、スーツ上下で1万円~という価格帯で訴求するアクティブスーツ。軽くてストレッチの効いた機能性が好評で、これまでスーツやシャツを展開してきたが、新たに単品のパンツも投入する。「いまの時代にあわせた、楽、イージーケア、時短、といったキーワードで訴求するエントリープライスのご提案になります」(担当者)。
シューズも今期よりスタート。ビジネスシーンでもセットアップに合わせて使えるよう、カラバリは黒と白を用意する。「これまで革靴だった方もすんなり使えるよう、敢えての黒靴です。見た目もシンプルです」と担当者。靴の履き口はネオプレーン(ウエットスーツの素材)でできており、紐を解かずともスポっと履ける、柔らかくて軽い、というのが大きなポイント。
BEAMSとコラボしたMORLES(モアレス)は今年で5年目。青山のビジカジブランドとして引き続き展開していく。ファッションの好きな層をターゲットにしており、ウールや綿といった天然素材を採用。担当者は「大人がカジュアルでもビジネスでも使えるような提案をしていきます。ビジネスだけでなく、休みの日にアクセサリーとしても使って欲しい」と話す。
一方、新たにスタートするACTIBIZ(アクティビズ)では「快適な社会生活のための服」をコンセプトに、よりスタンダードなビジカジスタイルを提案する。前述のMORLESは一部店舗の展開に限るが、ACTIBIZは全店舗での取り扱いを予定する。
「これまでスーツを着ていたビジカジ初心者を狙うブランドです。シンプルなアイテムラインナップで、接触冷感、ウォッシャブルなどの機能性を搭載します。ケアが格段に楽なのも特徴です」(担当者)。
■企業としての取り組み
最後は、サステナブルの取り組みを説明。洋服の青山では「終わらない服をつくろう。WEAR SHIFT」というキーワードで環境負荷を低減する試みを行っている。
店頭では要らなくなったアイテムを回収するRecycle Boxを設置しているが、近年の技術革新により、なんと回収した原料から新しいスーツを作ることに成功したという。担当者は「リサイクルのウールを使用したスーツは、まだ市場にも出回っていません。洋服の青山が初めての事例だと自負しています。将来的には『洋服の青山では、すべての商品にリサイクル原料を使っています』というところまでいければ、と考えています」と説明した。