最近SNSなどでよく見掛ける「メロい」とは、一体どのような意味の言葉なのでしょうか。

本記事では「メロい」の詳しい意味や成り立ち、例文を交えた具体的な使い方を紹介。「エモい」との違いや、「限界オタク」「てぇてぇ」「プルい」などのその他のオタク用語、若者言葉もまとめました。

  • メロいとは

    「メロい」の意味や使い方と例文、混同しがちな「エモい」との違いなどを紹介します

「メロい」とは? 意味と由来を解説

早速、「メロい」の意味と由来を見ていきましょう。

メロいの意味

「メロい」とは「メロメロになるほどカッコイイ、かわいい」「メロメロになる」といった意味のネットスラング、若者言葉です。

例えば好きなアイドルを見て、テンションが上がって抵抗力が弱まったり、自分を抑えられなくなったり、周りが見えなくなったりすることを表しています。

「メロい」という言葉は、以前からアイドルのファンやオタクの間で使われていたネットスラングです。最近になってさらに認知度が広まり、使う人が増えてきたといわれています。

「メロい」の由来である「メロメロ」とは

「メロい」は、「メロメロ」から来ているといわれています。この「メロメロ」とは、相手にぞっこんになり打ちのめされること、緊張感が無くなることなどを意味する言葉です。

「メロメロ」という言葉は、鎌倉時代から使われているとされ、もともとは薄いものを剥ぐ様子を表す言葉として使われていました。その後、江戸時代には現代の「めそめそ」と同じような意味で、そして明治時代には、炎を上げてたやすく燃える様子を示す「めらめら」という意味に変化していきました。

さらにそこから、現代のように「あるものにぞっこんになり、しまりがなくダメになる様子」を表す言葉として使われるようになっていったとされています。

「メロい」の使い方と例文

  • 「メロい」の使い方と例文

ここでは、「メロい」の具体的な使い方と例文を紹介します。

「メロい」の具体的な使い方

「メロい」は対象を褒めるときや、すごさを表したいとき、どんなに夢中かを表したいときなどに使います。人や物に対して、単に「カッコイイ」「かわいい」「夢中である」といった言葉を使わずに、強い気持ちを表すことのできる言葉です。

軽い褒め言葉というよりは、心の底から好きになり、あふれる気持ちを言葉に表すときに使います。ノリで使われることもあるようですが、基本的には一番推しているアイドルや、特にお気に入りのキャラクターなど、特別に思っている人や物に対して使うことをおすすめします。

「メロい」を使った例文

・○○君、メロい!
(○○君、すごくカッコいい/かわいい!)

・新曲のMVの○○君の表情、メロい!
(新曲のMVの○○君の表情、すごくカッコいい/かわいい!)

・推しの□□している姿がメロすぎる
(推しの□□している姿がカッコよすぎる/かわいすぎる)

・○○君が△△君に□□してあげているところがメロい
(○○君が△△君に□□してあげているところがとても良い)

・ライブの最後にした、○○君のメロい表情が忘れられない
(ライブの最後にした、○○君の抜群にカッコいい/かわいい表情が忘れられない)

・最近、急に△△君にメロりだした
(最近、急に△△君に夢中になりだした)

・私はただの○○君のメロオタです
(私はただの○○君にメロメロなオタクです)

1つ目から5つ目の例文は、「カッコいい」「かわいい」などを、「メロい」に言い換えています。

6つ目の例文は、「夢中になる」「メロメロになる」という意味で使われています。

最後の例文にある「メロオタ」は「メロい」の派生語で、「推しにメロメロなオタク」という意味で使われています。

「メロい」と「エモい」の違い

  • 「メロい」と「エモい」の違い

「メロい」と同様に近年広まっているネットスラング、若者言葉に「エモい」があります。「メロい」と「エモい」は似ていますが、少しニュアンスが異なります。

前述のように「メロい」とは、「メロメロになるほどカッコイイ、かわいい」「メロメロになる」といった意味の言葉です。

一方で「エモい」はもう少し幅広く、感動したときやいとしいとき、懐かしい気持ち、悲しい気持ち、何とも言えない気持ちになったときなど、さまざまな意味で感情が大きく揺れ動いた際に使われる言葉です。

例文は以下の通りです。

・今回のライブのエンディングの演出はエモかった
(今回のライブのエンディングの演出には感動した)

・掃除をしていたら中学生のときの日記帳が出て来て、エモい気持ちになった
(掃除をしていたら中学生のときの日記帳が出て来て、懐かしい気持ちになった)

・友達が落ち込んでいて、私までなんだかエモくなった
(友達が落ち込んでいて、私までなんだか切なくなった)

「メロい」も「エモい」も新しい言葉ですが、「エモい」は既に大辞泉などの国語辞典にも記載されており、より知名度が高いと言えるでしょう。

「メロい」以外のよく使われるオタク用語・若者言葉

  • その他の押さえておきたいオタク用語・俗語

「メロい」はネットスラングであり、特にオタクの人や若者の間でよく使われる言葉の一つです。ここでは、その他にも押さえておきたいオタク用語・若者言葉を紹介します。

限界オタク

「限界オタク」とは、推しに対する気持ちが強くなりすぎて抑えられなくなってしまい、痛々しいほどである状態を指す言葉で、自虐的なニュアンスでよく使用されます。

少し前まではネガティブなイメージで使われていましたが、最近では推し活がよりオープンになったこともあり「ここまで気持ちが強くなりすぎてしまうのは、裏返すと推しが偉大過ぎるからである」といった、ポジティブなイメージでも使われています。

例文は以下の通りです。

・推しのライブへ行くために既に何十枚もCDを買いました。限界オタク丸出しです

推しに対する気持ちが強くなることで、やりすぎと思われるほどの言動をしていることがわかりますね。何よりも推しを大切に思っている様子が伝わってくる表現でもあります。

てぇてぇ

「てぇてぇ」は「尊い」を崩した言葉です。

元々「尊い」とは、神聖である、崇高で近寄りがたい、極めて価値が高いといった意味を持つ一般的な言葉です。これがオタク用語として、特定の人物やアニメなどのキャラクター、またそれらの関係性について、崇拝するほどに感情が高ぶった際に「○○君が尊い」「○○君と△△君が尊い」などと表現するようになりました。

さらにそのオタク用語としての「尊い」を変形させ、より尊さを感じたときに使用するのが「てぇてぇ」というわけです。なぜ「てぇてぇ」になったかについては諸説ありますが、一説ではX(旧Twitter)に投稿された4コマ漫画がきっかけで、VTuberの間で使われ始めたといわれています。この4コマ漫画にはドラゴンボールの孫悟空を模したキャラクターが描かれており、「尊い」を「てぇてぇ」と発音していました。

例文は以下の通りです。

・今日も推しの笑顔がてぇてぇすぎる!
・お二人の関係性がてぇてぇ

プルい

「プルい」とは、唇がプルプルとしている状態を表す言葉です。「メロい」が「メロメロ(になる)」を略しているのと同様に、「プルい」も「プルプル」を略しています。

特に昨今「純欲メイク」という、少女のようなはかなさと、大人っぽい色気を合わせたメイクが流行しており、そこから唇をプルプルにすることが人気となったようです。

例文は以下の通りです。

・○○ちゃんの唇プルい!
・プルってるリップ、どこのか教えて!

「メロい」や「プルい」のように、元の言葉を略して成り立っている言葉は多くあります。由来を考えるのも楽しいですね。

「メロい」の意味を理解して会話を楽しもう!

「メロい」という言葉のように、一見すると意味がわからない言葉は多くあります。しかし意味や由来を知ることで、相手の考えを深く理解できたり、自信を持って使えるようになったりするでしょう。

若者の言葉だから、新しい言葉だからと知らないふりをせずに学んでいくことで、言葉を通した信頼関係がより築けるのではないでしょうか。