2024年1月1日からいよいよ新NISAがスタートします。現状、つみたてNISAや一般NISAをしている人は、金融機関の変更がない限り、自動的に新NISA口座に切り替わります。
だから何もしないでいいと思っている人が多いと思いますが、実は忘れてはいけない手続きがあるのをご存じでしょうか? しかも、その〆切は年内に迫っている場合も。忘れてはいけない新NISAの切り替え手続きをご紹介します。
●1月からの積立金額の変更、積立銘柄の見直しは年内に手続きを
新NISAは、「積立投資額の拡大」「つみたて投資枠と成長投資枠の併用」が大きな目玉となっています。今まで、つみたてNISAで投資信託積立をしており、枠いっぱいの月3.3万円を積み立てていた人は多いでしょう。それを新NISAでは、月5万円、月10万円など積立額の増額をしようと思っている人は多いのではないでしょうか?また、積立銘柄の追加や見直しをしたい人もいるでしょう。
そういった人は、1月の積み立て分から反映したいなら、年内に利用している証券会社(自分の総合口座の画面など)から、手続きの変更をする必要があります。利用している積立方法によって、1月から変更したい場合の手続きの〆切が違いますので、大手ネット証券の楽天証券とSBI証券の例で見てみましょう。
※画面例は、楽天証券の「新NISA積立先行予約」サービスからの変更例となっています。
1.クレジットカードによる投信積立をしている人は〆切が早い
クレカ積立でNISAの投信積立をしている人は多いでしょう。1月からはクレカ積立の上限の5万円に引き上げたい人は〆切が早いので要注意です。SBI証券のほうが、若干、日程が早めになっています。
▼楽天証券の場合
- 2023年12月12日までに予約を完了した場合:2024年1月の注文から反映
- 2023年12月13日以降に予約を完了した場合:2024年2月の注文から反映(1月分は現在の積立設定の内容で注文される)
▼SBI証券の場合
- 2023年12月10日までに予約を完了した場合:2024年1月の注文から反映
- 2023年12月11日以降に予約を完了した場合:2024年2月の注文から反映(1月分は現在の積立設定の内容が注文される)
2.証券口座(提携銀行自動入出金サービス)からの引き落としはギリギリでもOK
証券口座や自動入出金サービスができる提携銀行を投信積立の引き落とし口座にしている場合は、年内の手続き期間内に変更すれば、1月の注文から変更が反映されます。具体的には、12月28日18時までに完了すれば、1月の引き落とし日が何日であろうと間に合います。証券口座の場合は、年が明けても、積立指定日の前営業日の翌日午前3時頃までに変更手続きをすればOKです。
▼楽天証券・SBI証券の場合
予約受付期間内である12月28日18時までに予約完了した場合:2024年1月の注文から反映
3.その他金融機関(銀行など)からの振り替えはもう間に合わない場合も
銀行などからの振り替えにしている場合は、私たちが思っているよりもずっと資金移動に時間がかかります。たとえば、楽天証券の場合だと、「積立指定日」は原則毎月7日か24日のどちらかを選択しますが、振替に必要な日数は以下になります。
- 毎月7日を積立指定日にした場合:毎月27日の11営業日前までに積立設定をすると、翌月7日の買付けができます。
- 毎月24日を積立指定日にした場合:毎月14日の11営業日前までに積立設定をすすると、翌月24日の買付けとなります。
▼楽天証券の場合
・その他金融機関(24日指定)を引落方法に選択している場合
- 2023年12月25日までに予約を完了した場合:2024年1月の注文から反映
- 2023年12月26日以降に予約を完了した場合:2024年2月の注文から反映(1月分は現在の積立設定の内容で注文されます)
▼SBI証券の場合
・その他金融機関(27日指定)を引落方法に選択している場合
- 2023年12月13日までに予約を完了した場合:2024年1月の注文から反映
- 2023年12月14日以降に予約を完了した場合:2024年2月の注文から反映(1月分は現在の積立設定の内容で注文されます)
●クレカ積立と楽天キャッシュの積立を併用して月10万円積み立てる裏技は?
つみたて投資枠を利用して月10万円を積み立てたい場合、クレカ積立の上限が5万円のため、全額をクレカ積立に指定することはできません。そこで、利用するといい裏技が、クレカ積立と楽天キャッシュ(オンライン電子マネー)決済の併用です。これは、電子マネー決済での積立を提供している楽天証券ならではの併用方法なので、他社の場合は、電子マネーではなく証券口座からの引き落としの併用でもよいかもしれません。 たとえば、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を引落方法の併用を利用して10万円積み立てる場合で見てみましょう。
まずは、同じ銘柄で引落方法を2つに分ける必要があるので、同じ銘柄を2つ分、積立設定をします。銘柄を設定したら、クレカ積立で5万円、楽天キャッシュ積立で5万円とそれぞれ積立額を設定すればOKです。楽天証券の場合は、クレカの積立指定日は8日しか選べませんが、楽天キャッシュの積立なら「毎月〇日」と積立指定日を自由に選べます。もし積立指定日を同じにしたいなら、クレカ積立と同じ8日で統一すると良いでしょう。
●成長投資枠で積み立ての手続きをする
今までつみたてNISAを利用していた、という読者が多いとは思いますが、この機会に成長投資枠を利用して米国株積立や日本株の単元未満株の積み立てを始めたいという人もいるでしょう。楽天証券だと、米国株積立と日本株の単元未満株積み立てが、SBI証券だと、米国株積立をすることができます。ただし、両社とも、積立方法は証券口座からの引き落としのみ。クレカ積立やその他の金融機関(銀行など)からの振り替えはできません。
たとえば、楽天証券の場合だと、予約受付画面に「国内株式」と「米国株式」の欄があります。投資したい銘柄を選択し、積立指定日と買付方法、1回の注文株数、ボーナス設定を設定するだけで積み立て設定ができるようになります。
証券口座のため、予約受付期間内である12月28日18時までに予約完了した場合、2024年1月の注文から反映されます。
いかがでしょうか? もう1月からの金額や銘柄変更に間に合わないケースもありますが、年末年始などの空いた時間を使ってでも、なるべく早い手続きをして、新NISAを有効に利用しましょう。