次世代バッテリーの大本命といえる半固体電池を採用したポータブル電源「BougeRV Rover 2000」がついに登場した。半固体電池は安全性に優れるのが特徴で、同社が公開した動画では弾丸がバッテリーを貫通しても釘を刺しても、発火するどころか煙すら出ないほど。まだ他社では採用例のない半固体電池搭載のポータブル電源として、特に防災用途で注目を集めそうだ。

価格はオープンで、実売価格は298,000円。すでに販売中。

  • バッテリーに半固体電池を採用したBougeRV Japanのポータブル電源「BougeRV Rover 2000」

【動画】BougeRVが公開した破壊テストの動画。半固体電池のバッテリーを銃で撃ち抜いても煙すら出ないどころか、穴が開いた状態でも電力を供給しているのに驚く

BougeRV Japan(ボージアールブイジャパン)が販売を開始したBougeRV Rover 2000は、内蔵バッテリーに半固体電池を採用したポータブル電源。

  • 2,008Whの容量を持つが、本体は同等容量のリン酸鉄リチウム電池採用のポータブル電源よりもコンパクトに仕上がっている

  • USB出力や表示パネルは側面に搭載する

  • 反対側の側面にはAC100V出力を用意

現在、多くのポータブル電源で使われているリン酸鉄リチウム電池やリチウムイオン電池は可燃性の液体(電解液)を用いており、衝撃が加わったり破損した場合や、劣化が進んだ場合などに発熱や発火を招く可能性がある。

半固体電池は、電解液を液体と固体の中間の状態であるゲル化することで気化を抑え、バッテリーの破損や劣化が生じても発熱や発火の危険性がきわめて低いのが特徴。防災用途などで長期間にわたりフル充電状態で保管しても、自然発火などのリスクを抑えられる。リン酸鉄リチウム電池やリチウムイオン電池と比べて軽く、長寿命なのもポイント。

  • 各種バッテリーに釘を打ち込んだ実験。半固体電池は煙すら出なかったという

同社の王冲衡社長は「当社は日本での実績が乏しくブランド力もないので、半固体電池をいち早く製品化して技術力の高さをアピールし、日本での存在感を高めたい。第一弾製品となるBougeRV Rover 2000は大容量なので価格が高いが、2024年には半固体電池を搭載した小型のポータブル電源も投入する予定だ。あと2年も経てばほとんどのポータブル電源は半固体電池になるが、そのころにはポータブル電源業界である程度のシェアを確保したい」と将来の展望を語る。

  • 「半固体電池を搭載したポータブル電源の市場は今後一気に拡大する」と語る、BougeRV Japanの王冲衡社長

容量は2,008Wh、AC出力は合計2,200W(瞬間最大4,000W)。AC入力でのフル充電時間は約1.5時間。本体サイズは400×270×285mm、重さは約21.2kg。

保証は5年間。不要になった際の無料回収も実施する(発送時の送料はユーザー負担)。

  • BougeRV Japan指折りのヒット商品だというポータブル冷蔵庫

  • こちらはポータブルエアコン。クラシックな外観が好ましい