映画『隣人X -疑惑の彼女-』の舞台挨拶が8日・9日に台湾で行われ、上野樹里、熊澤尚人監督が登場した。
■上野樹里、『隣人X』台湾での舞台挨拶に登場「台湾の方の熱量を……」
15日から台湾での公開が決定している同作公開前の台湾を、上野は約8年ぶりに訪問した。主演ドラマ『のだめカンタービレ』が人気だったこともあり、空港でもうちわやボードなどをもったファンから熱烈な歓迎を受けた上野。2日間にかけて行われた舞台挨拶付き上映の1,000席は即日完売となった。
舞台挨拶では、割れんばかりの大歓声と拍手に迎えられて登壇した上野と熊澤監督。上野が駆けつけた約500人のファンに対して、中国語で「大家好(みなさんこんにちは)」と挨拶すると客席からは大きな歓声が上がった。さらに上野は劇中の中国語のセリフを披露し、中国語で自己紹介も行う。「(映画は)楽しんでいただけました?」と観客に問いかけると、多くの観客から「良かった!」と返事が。その後、上野と熊澤監督は台湾での公開の思いや本作に込めた思いを熱く語った。
今作を受けた決め手は何かと問われた上野は、「タイトルにまず魅かれてオファーを受けました。隣の人、親しい人なのに、Xという異質なワードが入っていて。コロナ禍でオファーをいただいたのですが、直接会うことが難しくなり、隣にいる人の心と心が通い合う機会が減っていたタイミングだったんです」と、2年前を回顧。そして、「17年ぶりに熊澤監督とご一緒できることが楽しみでした。ラブストーリーだけでも謎解きのミステリーだけでもない、大切な社会的なメッセージも散りばめられている気がしました」と話した。
17年ぶりにタッグを組んだ上野と熊澤監督だが、当時と変わった部分・変わっていない部分を問われると、熊澤監督は「上野さんは17年前と変わってないです」と回答し、会場からは「えー」と驚きの声が上がる。続けて「今回上野さんに主演をお願いしたのは、周りの価値観に振り回されることなく、自分で感じて自分で考えて決められる人だから。そこが素敵で、魅力的だと思っています。そして、今回の主人公はそういう方にやってほしくてお願いしました」とオファー理由を明かした。
一方、変わった部分について熊澤監督は「大人になってすごく柔らかい人になりました。大人の魅力がいっぱいになりました」と笑顔。上野も「(監督とご一緒したのが)20歳の頃で、周りが見えない時期でしたが、今回は落ち着いてしっかり向き合うことができて、とても濃い時間になりました。改めて監督はすごいなと思いました」と尊敬の念を口にした。
最後に上野は「クリスマス、年末とみんなで盛り上がる楽しい季節ですが、この映画を観ると、自分自身の心の純度が見えてくると思います。台湾の方の熱量を今日感じることができてうれしいです。ありがとうございました」と締め括った。
【編集部MEMO】
映画『隣人X -疑惑の彼女-』はパリュスあや子氏による小説『隣人X』の実写化作。紛争のため故郷を追われた惑星難民Xが溢れ、各国がその対処に苦慮していた世界、人間の姿をそっくりコピーして日常に紛れ込んだXがどこで暮らしているのか、誰も知らない。そんな中、週刊誌記者の笹憲太郎(林遣都)はX疑惑のかかった柏木良子(上野樹里)の追跡を始める。スクープの為に自身の正体を隠しながら徐々に良子へ近づいていく笹だったが、2人は少しずつ距離を縮め、やがて笹の中に本当の恋心が芽生えていく。