立冬を過ぎて一気に寒くなりましたね。日本リカバリー協会の片野秀樹先生によると、季節の変わり目は、体温調節のために自律神経が働くと負荷がかかり、疲労がたまる「寒暖差疲労」が起きるそうです。
ただでさえストレスを抱えがちな現代、毎日元気に過ごすためにはしっかりと休養を取ることが大切。今回、パナソニックがメディア向けに開催した『正しい休養で「リフ活」EXセッション ~ポストコロナの健康マネージメントとセルフケア家電~』に参加してきました。
睡眠だけじゃない……「休養」のカスタマイズをしていこう
一般的に、仕事、家事、学業(活動)をして睡眠(休養)を取って次の日また仕事、家事、学業(活動)をするというサイクルを過ごしている人が多いのではないでしょうか。
パナソニックの調査によると、休養を取ったつもりでも疲労を抱えたまま活動に戻るというパターンの人が8割以上いるとのこと。日本リカバリー協会の片野秀樹先生は、「慢性的な疲労状態でパフォーマンスを出せない中で仕事や学業に取り組んでおり、大きなリスクを伴っている」と話します。片野先生は、休養を学問の1つとして科学的、体系的にまとめています。
大切なことは、しっかりと休養して元気を充電し、疲れをリセットした状態で活動に戻ること。片野先生は、休養のタイプを、休息・運動・栄養・親交・娯楽・創造・転換という7つに分類しています。
「休息タイプ」は睡眠などを指します。「運動タイプ」は血液循環を促す軽微な運動やマッサージ。「栄養タイプ」は消化器系を休ませることなどです。
「親交タイプ」は動物や自然との触れあい、「娯楽タイプ」は音楽を演奏したり絵画を観たり。「創造タイプ」は何か創作することです。そして「転換タイプ」は、部屋の模様替えや掃除、旅行など環境に変化を与えることとしています。
休養というとまず「睡眠」が思い浮かびますが、「7つのタイプの休養を上手にカスタマイズして取り入れ、細かく充電していくことが、積極的な休養につながると考えています」(片野先生)とのこと。
マッサージなど短時間でできることは、毎日のスキマ時間で試せますね。このほか片野先生によると、コロナ禍以降、入浴、歯磨き、シャワーといった自分自身をキレイにする行動を休養・疲労解消として取り入れる人が増えているそう。確かに、筆者も歯磨きや髪の手入れなどを念入りにしたあとはサッパリして気持ちがよく、気分転換になると感じています。毎日の生活で無理なく、休養のための行動を組み合わせて元気を充電したいものです。
立体的な「もみ」が気持ちいいマッサージチェア
片野先生のセミナーのあとは、製品の体験会です。座るだけでおまかせマッサージを楽しめる「マッサージチェア」は取り入れやすいセルフケアのアイテムではないでしょうか。
連日の取材や家事で疲れがたまっている筆者とマイナビニュース +Digitalの林編集は、マッサージチェア「リアルプロ EP-MA120」を体験しました。EP-MA120は12月上旬発売予定、推定市場価格は670,000円前後です。高価で置き場所の問題もありますが、自宅にあったらいいだろうな……。
パナソニックの「リアルプロ」シリーズは20年前に誕生し、進化を続けているマッサージチェア。マッサージ師が親指などで圧力をかけつつ、同時に細かく回して動かす施術方法を再現した点が特徴です。最小10mmの幅で細かく動かし、身体の部位をピンポイントで刺激します。
新製品のEP-MA120は新フレームを採用し、首と腰に加えて太ももの付け根まわりまでもみ玉が届き、おしり全体をマッサージできるようになりました。
実際に座ってみると、包み込まれるような心地よさ。身体のカーブに自然な感じでフィットしています。コースを選んでスタートすると、もみ玉が上から下まで移動して肩の位置を検知。体型に合わせたもみ玉の位置でマッサージを始めるので、筆者のように背が低めでも、背が高い人でも、それぞれちょうどよい位置でマッサージできます。
身をまかせていると、肩から太ももの付け根などをしっかり刺激を感じます。「温感もみ玉」でマッサージしているため、じんわり温かいのもいい気持ち。
下半身をマッサージするときは、腰やおしりまわりのエアーバッグが膨らむので、もみ玉の圧力を受けて身体が逃げてしまうこともありませんでした。人にマッサージをしてもらうと、マッサージ師が片手や足で身体を支えながら手で施術していくことがありますが、それを再現しています。座る姿勢が続くと、おしりや太ももが疲れるもの……。しっかりマッサージすることで、ちょっと身体が軽くなった気がします。
筆者はもみ玉の強い刺激をずっと受けるのが苦手なのですが、EP-MA120の場合はモーターを3つ備え、場所によって微妙にもみ玉の動きや幅が変わるほか、強さを設定できるので気持ちよく体験できました。
高周波治療器「コリコランワイド」は薄型で着用しやすくなった
個人的に注目していたのは、「高周波治療器 コリコランワイド EW-RA550」(以下、コリコランワイド)です。低周波治療器がピリピリした刺激を感じるのに対し、高周波治療器は刺激がないため、身に着けているのを忘れるくらい自然に使えます。高周波は身体の深いところまで届き、痛みを緩和したり、血行をよくしたりする効果が見込めます。
これまでのコリコランは、「オセロのコマ」みたいな高周波発生器をテープて身体に貼るか、付属のリングで肌着に取り付けていたのですが、コリコランワイドは軽くて大きなシート状になったことで装着性が格段にアップしました。メダル形状だった高周波デバイスをシートの12カ所に配置しており、アタッチメントに入れてスカーフのような感覚で肩にかけるだけ。コリコランワイドの直販価格は38,610円です。
今回はセミナー中の40分ほど、ずっとコリコランワイドを肩にかけて体感してみました。セミナーが終わるころには、肩から背中の上にかけてほんのり温かくなったことを実感。これは血行が改善されたということなのでしょう。
これまでのコリコランは、2個~4個のメダル型パーツ(高周波治療器)を身に着けていましたが、コリコランワイドでは12カ所から高周波が出ます。単純に比較しても数倍のパワーがあるわけで、さらに12カ所の配置は肩こりの原因になる筋肉にしっかりフィットするとのこと。
肌着やTシャツの上からコリコランワイドを羽織り、シャツやニットを着るとほとんど目立たなくなるので、日中も気にせず使えそう。腰用のアタッチメントを別売りで用意しており、腰にも使えます。
初体験のジェットウォッシャー(口腔洗浄器)はちょうど刺激。矯正治療中の家族にすすめたい
このほか清潔・美容アイテムも体験。11月1日発売の「ジェットウォッシャー ナノクレンズ EW-NJ80」は、既存モデルよりも柔らかい水流で口の中の汚れを落とすアイテム。直販価格は32,670円。水流の強さや勢いではなく、ナノレベルサイズの気泡が弾ける力で歯垢を落とす点が特徴です。
コードレスなので、電源コードを気にせず自分の使いやすい角度でケアできるほか、本体を水洗いできて清潔に保てるところがポイント。ボタンもシンプルで直感的に操作できました。
最初のうちは口の中で水流を当てる角度を探っていましたが、ちょっと使っているうちにちょうどよい当て方を発見。特に磨きにくい奥歯のあたりにしっかり水流が届く感覚が気持ちよかった~。「歯間ガイドモード」を使うと、ノズルを移動させるタイミングが水圧の強弱でわかるので、“当てなさすぎ”を減らせそうです。
筆者はジェットウォッシャー初体験だったのですが、水流の勢いがあり歯ぐきや歯に圧力を感じました。「柔らかい水流」としている「ジェットウォッシャー ナノクレンズ」がこの強さなら、一般的なジェットウォッシャーの刺激が強すぎて苦手と感じる人がいるのもうなずけます。我が家は子どもが歯を矯正中でして、口腔ケアが気になっていたところ。柔らかい水流のジェットウォッシャーなら、子どもでも使いやすいのではないでしょうか。
ブラシタイプのEMS。フェイスケアもできるので使い勝手がよさそう
美容アイテムでは、「イオンブースト マルチ EX EH-SS85」と「バイタリフトブラシ EH-SP60」の実演も。
イオンブースト マルチ EX EH-SS85は11月1日発売、直販価格は59,400円。独自のパワーブーストテクノロジーで美容成分をしっかりと肌に浸透させるというアイテム。ローションを手で塗る場合と比べて、ヒアルロン酸を12倍浸透させるそう。ほかにも表情筋を鍛える独自のデュアルダイナミックEMS機能を備えているので、肌の乾燥対策をしつつリフトアップもできるというわけです。
白く清潔感のある本体は持ちやすく、片手でも操作しやすい形状。モードの切り替えも手元のボタンでできるので簡単です。こういうアイテムは長期間使ってみないと効果を実感できないものですが(肌や体質に合わない場合もあります)、肌が乾燥しやすい冬の時期は特に気になるアイテムです。
本体の電源を入れるとヘッドが振動。ケアしたい場所に、ヘッドをスタンプのように当てて使います。ヘッドは3秒ほど振動し、振動が止まったら別の場所に当てていきます。この3秒ほど振動する間に、美容成分の通り道ができるんだとか。特に痛みなどは感じません。
もうひとつのバイタリフトブラシ EH-SP60は、11月1日の発売、直販価格は39,600円です。このアイテムは個人的に注目していました。筆者は普段の仕事でパソコンやスマホの作業が中心なので、気分転換も兼ねて顔や頭皮をマッサージしています。この機器はブラシ形状なので頭皮のケアに使えるうえ、ヘッドを付け替えればフェイスケアもできます。
EMS機能を使う前には、ケアしたいところを軽く濡らします。EMSの強度は6段階です。実際に手元で使ってみると、EMS特有のぎゅっとした刺激を感じます。EMSの刺激は苦手な人もいるので、可能なら店頭のデモ機で体験してみるとよいでしょう。
ブラシの電極は32本。IPX7の防水仕様なのでお風呂でも使えます。浴槽に入りながらケアしたり、髪にトリートメントを塗って浸透待ちしている間に使ったりするのも快適です。ヘッドを付け替えると角層浸透とEMSを同時に利用できます。
顔のEMS機能を備えているのはどちらのアイテムも同じですが、より浸透を求める人にはイオンブースト マルチ EX EH-SS85、頭皮ケアもしたい人にはバイタリフトブラシ EH-SP60がオススメです。
このほか、お風呂に持ち込めばTV番組や映画が楽しめる「プライベート・ビエラ UN-15LD12H」(防水モデル)や、Wi-Fiとスピーカーを内蔵した天井照明「パルックLEDシーリングライト ライフコンディショニングシリーズ HH-XCH1209A」、テクニクスの「完全ワイヤレスイヤホン EAH-AZ40M2」なども紹介されました。
このうちHH-XCH1209AはBluetoothスピーカーを備えたシーリングライト。2022年9月発売のモデルで、連携するスマホアプリから「マインドフルネスモード」を選ぶと、音、声、光で瞑想へと導きます。鐘の音が上から降り注ぎ、照明が柔らかな光に変わるので、部屋にいながら非日常を味わえそうです。
2023年10月発売の「完全ワイヤレスイヤホン EAH-AZ40M2」は軽量小型サイズ。耳が小さい人や、ピアスなどと一緒に使ってもジャマにならないでしょう。さら「3台マルチポイント接続」が特徴的で、最大3台までの再生機器(スマホなど)とペアリングしておき、自動的に切り替えながら使えます。
たとえば、タブレットとスマートフォンをあらかじめペアリングしておくとします。タブレットで動画視聴をしているときにスマホに電話がかかってくると、マルチポイント接続ならワンタッチで機器を切り替えられます。 EAH-AZ40M2はそれが3台できるというわけ。
自分にとって心地よい「もの・こと」を見つけよう
今回のセミナーでは、マッサージ、清潔、美容、オーディオなどさまざまな製品を体験しました。実際にこれらの製品を自宅にそろえるのは大変ですが、たとえば店頭で試してみると、自分にとって心地よいもの、気持ちいいものを発見するきっかけになるのではないでしょうか。また、好きな香りのアロマを焚く、肌触りがよいタオルを使う、お気に入りのコーヒーとチョコレートを食べるなど、自分にとって心地よいものをいくつか知っておくとよさそうです。
冒頭、片野先生のセミナーではパナソニックがすすめる「リフ活」についても紹介されました。パナソニックのリフ活は、自分の疲労にきちんと向き合い、自分にあった「ご褒美メンテナンス」を取り入れること。明日の予定や今日の反省はいったん忘れて「今に没入する」こと、自分のお気に入りを取り入れる「自己決定権を持つ」こと、そして「本能に従う」ことが心得だそうです。日々の生活に、自分を充電する「リフ活」を取り入れたいものですね。