KAT-TUNの亀梨和也が主演を務め、三池崇史監督がメガホンを取った映画『怪物の木こり』。亀梨は、連続殺人鬼に狙われる弁護士・二宮彰を演じ、目的のためには手段を選ばない狂気のサイコパス役に挑んだ。本記事では『怪物の木こり』のあらすじ、キャスト、主題歌を紹介する。

映画『怪物の木こり』あらすじ

絵本「怪物の木こり」の怪物の仮面を被り、斧で脳を奪い去る連続猟奇殺人事件。弁護士・二宮彰はそのターゲットに選ばれるも、彼は犯人をも凌駕するほどの冷酷非情なサイコパスだった。警視庁の天才プロファイラー戸城、二宮の婚約者の映美、二宮の協力者であるサイコパス脳外科医・杉谷、過去の殺人事件の容疑者・剣持ほか、様々な人物の思惑が複雑に絡み合い、捜査は混迷を極めていく。犯人は、なぜ脳を奪うのか。そして、なぜ二宮が狙われるのか。事件の謎を解き、犯人の正体を暴かなければ殺される……。極限状況に追い込まれた二宮の逆襲が始まる。

映画『怪物の木こり』見どころ解説

映画『怪物の木こり』キャスト

二宮彰(にのみや・あきら)役:亀梨和也

連続殺人鬼に狙われる弁護士。目的のためには手段を選ばず、殺人すらいとわない狂気のサイコパス。

■亀梨和也コメント
今までに無いような表現やキャラクターの特徴をどう出していくかを撮影前にスタッフの皆さんと相談させていただき、演じる方向性を決めていきました。「サイコパス」というワードは印象が強いですが、過度に強い表現をしてしまわないよう、細かい表情や目の使い方を特に意識しながら二宮というキャラクターを演じました。三池監督はものすごくストイックな方というイメージを勝手に持っていたのですが、実際にお会いすると笑顔が素敵な方で、優しいオーラを感じました。シーンによってはストイックに突き詰めていくところもありましたが、監督やスタッフの皆さんが作ってくださった温かみ溢れる現場にすごく感動しました。菜々緒さんの役との関係性には緊張感がありましたが、以前も共演させていただいたことがあったので、あうんの呼吸で素敵な撮影ができたと思います。吉岡さんとご一緒するのは初めてで、初日から凄くヘビーなシーンの撮影でしたが、全身全霊で作品やキャラクターにエネルギーを向けてくださる方だったので、僕自身も彼女のエネルギーを感じながら撮影に臨むことができました。それぞれのキャラクターを通して、人間の心の美しい部分と、そうではない部分の両方を映像として切り取ってもらえていると思います。皆さんには作品のテーマを考えていただきつつ、最後にはハッとするような結末もあるので、存分に楽しんでいただける作品になっていると思います。

戸城嵐子(としろ・らんこ)役:菜々緒

捜査本部で孤立しながらも、連続殺人事件を追う警視庁のプロファイラー。

■菜々緒コメント
サイコパス対サイコパスのサイコスリラーというだけではなく、人間とは、人の心とはなんなのかということを考えさせられる作品です。三池監督からは、プロファイラー捜査員としてサイコパスな要素も取り入れて欲しいという要望があったので、現場検証や捜査シーンの時など、事件や証拠に執着する様子を意識しながら演じさせていただきました。原作とは少し違った戸城嵐子になっていると思います。亀梨さんは、セットチェンジの待ち時間などには優しく声をかけてくださり、役に入っている時とのギャップに少し怖さも感じたほどでした。また、目力と役に入った時の雰囲気が、私が原作を読んだ時の彰そのもので、対面で芝居をした時は体が震える感覚があったのを今でも覚えています。

荷見映美(はすみ・えみ)役:吉岡里帆

父親の不審死にふさぎ込む二宮の婚約者。

■吉岡里帆コメント
人を狂わせていく二宮の危うさと翻弄されていく人達の切なさが、三池監督の手によって激しくロマンチックに描かれていくところが見どころかなと思います。ドキドキしながら見て頂けると嬉しいです。私が演じた映美という女性は、ピュアな想いと影を背負いながらも、前向きに生きる精神力を持った善良な人間です。そんな彼女ですが、狂気を孕む二宮に恋をして、それが少しずつ歪んでいく…どんなに美しい精神を持った人でも、彼の前では脆く無惨に散っていく。そんな様を意識して演じました。亀梨さんの演じるサイコパスな二宮は色っぽく、儚さもあり、ただ単に憎むことのできない不思議な魅力があるように感じました。皆様もきっと二宮に翻弄されると思います。

東間翠(とうま・みどり)役:柚希礼音

31年前の連続猟奇殺人の犯人。

乾登人(いぬい・のぼる)役:渋川清彦

暴力行為で更迭された刑事。

杉谷九朗(すぎたに・くろう)役:染谷将太

二宮の協力者のサイコパス脳外科医。

剣持武士(けんもち・たけし)役:中村獅童

過去の殺人事件の容疑者。

映画『怪物の木こり』スタッフ

監督:三池崇史

■三池崇史コメント
サイコパスを描いた映画は一つのジャンルと呼べるぐらい、世界中で多くの作品がある。そんな中で、新たな作品をどう作るのか。原作は、なぜその人がサイコパスなのか?を描いたところに他の物語にはないオリジナリティがあって、そこが面白いなと。

そして亀梨さん。理想的なキャスティングだったと思います。まずはビジュアル的にサイコパス役にぴったり。非常にクールで、やたらきれいで美しく、普段からサイコパスに見える瞬間がある。二宮役は演じる本人の中にも二面性が求められるが、彼はいくつもの顔を持っています。経験豊富なアーティストであり、俳優であり、そしてイメージを売るアイドルという仕事をしていて、外に出れば街を歩いていても買い物をしていても“亀梨くん”でいないといけない。実際にそうやって生きてきた彼の強さが、今回の役柄に自然に発揮されている。亀梨さんには「自分の感性の赴くままに自由に演じてほしい」とだけ伝えました。僕には、彼が何を考え、この映画の何に魅力を感じて、そして今どういうものになりたいのか、全く想像がつかない。だからこちらで型にはめずに、どちらに歩き出すのかを見たかった。俳優の感性や本能を活かすことで、他とは違うキャラクターを作り上げ、それが映画独自の魅力になる。そういう作り方を、彼もすごく楽しんでくれたんじゃないかな。現場での彼は手を抜かないというより、抜けない人。面白いのは、全力でやっているんだけど全く暑苦しくない。飄々としていて、「自分が頑張っているんだからみんなも頑張ろう」というように変に圧力をかけることもない。心地いいチームワークを作り、いつのまにか主人公になって、現場の中心になっているのに、そのことすら周りに意識させない。ちょっと珍しい形で存在感を発揮する俳優だよね。すごくいいヤツで、この人の人生の役に立てればいいなと自然と周りに思わせる魅力がある。

完成したこの作品に、僕は安らぎや優しさを感じたんですよ。登場人物の誰にでも共感できるし、どのキャラクターも懐かしい友達に会っているような感覚がある。たぶん自分の心の動きや感情が、彼らに共鳴していたんでしょうね。悪魔はどの人間の中にも存在していて、善悪は単純に分けられるものではない。だから登場人物を理解して赦して、そして自分が自分らしく生きてもいいと思ってもらえれば。悲しいけれど、どこか少し心が温まる物語です。

サイコパス監修:中野信子(脳科学者 医学博士 認知科学者、東日本国際大学教授)

■中野信子コメント
サイコパスは共感性を持たず自他問わず痛みに対する感受性が低く、時にはそれが恐れ知らずの勇敢さと受け取められる。自分をよく見せる術に長けていることと併せて、一見、大変魅力的な人物に映ることも。

亀梨さんご本人は非常に温かみのある快活なキャラクターをお持ちだと思いますが、いわば真逆といえる主人公の危険な魅力、サイコパスならではの血の通わない表情、表層的に人柄の良さを演出する計算高さを演じる俳優としての力に唸らされました。

脳を他人に操作される可能性への言及は洋の東西を問わず普遍的な恐怖心と快感をそそるテーマで、我々がいかに自分は自分を制御できている(はずだ)という不確かな信念にしがみついているかを暴くような、メタ的にも楽しい作品といえます。サイコパスは身近にいれば実に危険で不都合な存在ですが、スクリーンを通してみるとこれほど魅力的に見えるものかというマジックをぜひ体感してください。これは映画の魔力でもありますが、遠くにいて直接的な実害さえなければ、私たちはサイコパスを本能的に支持してしまうのだという、消し去ることのできない人間の業でもあります。

映画『怪物の木こり』主題歌

SEKAI NO OWARI「深海魚」(ユニバーサル ミュージック)

■SEKAI NO OWARI・Saoriコメント
今回主題歌を作らせて頂けることになり、とても光栄に思っております。サイコパスな登場人物ばかり出てくる今作品は、目を離せない展開が魅力ですが、特に亀梨さんの瞳の動きは誘い込まれるような恐ろしさがあり、映画館で見たらより一層怖いだろうなあ……と思います。
提供させて頂いた新曲「深海魚」では、サイコパスな登場人物たちの境遇を想像して、歌詞やアレンジを施してみました。背後から迫りくるようなゾクゾク感を、本編最後に楽しんでいただけたら幸いです。

■亀梨和也コメント
初めて聴いた時、怪しさ満点で、この映画の複雑さとリンクしているような印象を受けました。この楽曲が映画と合わさるとどのようになるのか、とても楽しみです。

■三池崇史コメント
天才だね。物語や登場人物の心と共鳴し増幅、心地よく深海へと導いてくれた。素晴らしい楽曲の生まれる瞬間に立ち会えたことを映画監督として幸せに思う。SEKAI NO OWARI最高です!

映画『怪物の木こり』原作

『怪物の木こり』倉井眉介(宝島社文庫)。第17回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作。強烈な個性に選考委員たちも瞠目、各メディアでも絶賛された超刺激サスペンス大作。

映画『怪物の木こり』予告・特別映像

本予告

キャラクター紹介PV

“怪物の木こり”特別映像

SEKAI NO OWARI「深海魚」ver予告

『第36回東京国際映画祭』レッドカーペット

サイコパス診断やってみた

亀梨和也×三池崇史監督スペシャルインタビュー

特別動画(亀梨和也 in バルセロナ編)

特別動画(シッチェス映画祭編)

特別動画(プレミアイベント編)

原作:「怪物の木こり」倉井眉介(宝島社文庫)
公開日:12月1日(金)
監督:三池崇史
脚本:小岩井宏悦
音楽:遠藤浩二
出演:亀梨和也、菜々緒、吉岡里帆、柚希礼音、みのすけ、堀部圭亮、渋川清彦、染谷将太、中村獅童
製作・配給:ワーナー・ブラザース映画
撮影期間:2022年4月
クレジット:(C)2023「怪物の木こり」製作委員会
映倫区分:PG12