トヨタ自動車の新型「クラウン」はSUVタイプの「スポーツ」など4種類のボディタイプを持つ。その中でクラウン(セダン)は最もフォーマルかつクラウンらしいともいえるし、「セダン」という車名を聞いただけだと目新しさがないような気もしてしまうが、販売状況はどうなのか。トヨタに聞いてみた。
クラウン(セダン)ってどんなクルマ?
クラウン(セダン)は「クラウンとは何か」を徹底的に見つめ直して開発を進めたとトヨタ。挑戦したのは「ニューフォーマル」という新たな価値観だ。
セダンには2.5Lの「マルチステージハイブリッドシステム」を積むハイブリッド車(HV)と水素で走る燃料電池車(FCEV)の2種類ある。どちらも後輪駆動で価格はHVが730万円、FCEVが830万円だ。生産はトヨタ自動車の元町工場(愛知県豊田市)、月販基準台数は月間600台。
堂々たるボディサイズと水平基調のデザインがクラウン(セダン)最大の魅力だ。「ショーファーカー」としての使用も見越して後席は特に豪華に作ってある。チーフエンジニアの清水竜太郎さんによれば、走行面では「低重心なセダンの走り」と「なめらかなステアフィール」を特徴とする。「代々クラウンに乗ってきたお客さまにも自信を持ってオススメできるハンドリング性能と乗り心地」を実現できたと清水さんは自信を示す。
HVはシステム最高出力245PS、燃費は18km/L。10段変速制御が付いていて加速時はリズミカルに変速していく。
FCEVは最高出力182PS、最大トルク300Nm。高圧水素タンク3本を積んでおり、フル充填だと約820kmを走行可能だ。水素の充填時間は1回あたり3分程度。燃料消費率は148km/kgということになるそうだ。
クラウン(セダン)の購入者、いくつくらいの人が多い?
クラウン(セダン)購入者の年齢層は20~30代が1割、40~50代が4割、60代以上が5割。同時期に発売となったSUVタイプのクラウン(スポーツ)は20~30代が2割、40~50代が5割、60代以上が3割だったので違いが顕著だ。
クラウン(セダン)購入者の中で他社から乗り換えた人の割合は全体の6%。クラウン(スポーツ)は17%だった。
受注台数を教えてもらえなかったのでボリュームは不明なのだが、こうしたデータを見ると、セダンの登場を待ち構えていた生粋のクラウンファンが一定程度はいたことがわかる。