女優の趣里が主演を務める連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)。このたび茨田りつ子役の菊地凛子が本作出演について語った。
菊地演じる茨田りつ子のモデルは青森出身の歌手で“ブルースの女王”と呼ばれた淡谷のり子さん。りつ子が歌う『別れのブルース』をラジオで聞いたスズ子(趣里)は、感銘を受け憧れる。やがて二人は生涯の良きライバルとして、時に競い合い、時に支え合いながら芸能の世界を生きていく。
菊地の朝ドラ出演は、2001年度上半期の『ちゅらさん』以来、22年ぶりとなる。
――「ブギウギ」に出演することが決まったときのお気持ちは?
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に出演していた時、隣のスタジオで「らんまん」の撮影をやっていて、のぞき見しては「いいな~」と思っていました。若い頃「ちゅらさん」に出演させていただいたことがありますが、今の年齢でまた朝ドラをやってみたいと思っていたところで「ブギウギ」のお話をいただいて、とてもうれしかったです。淡谷のり子さんがモデルの役ということで、淡谷さんの著書や資料を読み、調べれば調べるほど偉大な女性だとわかり、腰が引けてしまいましたが、誠意を持って演じたいと思います。淡谷さんのお墓参りに行って「一生懸命やるのでどうか怒らないでください」とご挨拶もしました。
――自身の役柄や、モデルとなった淡谷のり子さんの印象を教えて下さい。
淡谷さんは「私は自分の歌を歌う」「軍歌は歌いたくない」という姿勢を貫いた方です。歌うことに一生を賭けてらっしゃって、実際に書かされた始末書も相当な量だったそうです。その強さの一方で、表現者なのでちゃんと誰かに寄り添える心持ちの方だったと思っています。女性としてただ強いというよりも、いろんなことを思いやれる、理解できる方だったのではないかと思います。なので、りつ子を演じる際も、人間としての強さは常に持ちつつも、心の深いところではスズ子とお互いにリスペクトしあっている部分を表現できたらいいなと思っています。りつ子とスズ子は実際に手をつないだりはしないけれど、大変な時代の中で、同志として手をつなぎたくなるような瞬間が2人の間にあっただろうと思うんです。その関係性は今を生きる私にもすごく響いています。
演じる上で、繊細にお話される淡谷さんの声も大事にしています。言っている内容は強くても音の感じは柔らかく、天使のような声をされていらっしゃいました。そこが魅力的だなと思っていて、「静かで、のどを大事にしている感じ」を意識して表現しています。
――ヒロイン・スズ子を演じる趣里さんの印象はいかがですか?
趣里ちゃんは華やかでかわいらしい、パッと咲いた大輪の花という印象です。スズ子としてお話ししているときも大阪ことばがワーッとあふれて楽しいですね。
――放送を楽しみにしている視聴者の方々へのメッセージをお願いします。
「ブギウギ」は、脚本を読んでいても元気が出る作品です。激動の時代を前向きに、明るく生きていく姿がすごく力になると感じます。私もスズ子を近くで見ていて応援したくなっていますし、いち出演者として自分も視聴者の皆さんを少しでも元気づけられる存在でありたいと思っています。
スズ子がステージで歌って踊る姿を見るだけでも、とても明るい気持ちになります。視聴者のみなさんにもきっと楽しんでいただけると思います。
【編集部MEMO】
連続テレビ小説(朝ドラ)第109作となる『ブギウギ』は、満面の笑顔と底抜けに明るいヒロイン・花田鈴子(趣里)が、多くの困難を乗り越え、歌手の道を突き進み、人々に勇気と希望を与えていく物語。戦後の大スター・笠置シヅ子さんをモデルとするが、激動の時代の渦中でひたむきに歌に踊りに向き合い続けたある歌手の波乱万丈の物語として大胆に再構成し、フィクションとして描く。
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