米Intelは12月4日(現地時間)、“Core Truths”と題したスライドを公式サイト上で公開し、競合であるAMD Ryzenシリーズについて言及した。海外メディアで大きく取り上げられたことを受けてか、資料自体は既に削除されている。

  • Intel、最新のAMD Ryzen 7000シリーズに古いZen2が混じっていることを揶揄するスライド公開 - 既に削除済み

Intelはこれまでも「ベンチマークテストもたしかに信頼できる情報源ながら、実使用時における快適さこそ最も重大な指標である」等のポリシーに基づいたマーケティング施策をとったことがあり、今回の“Core Truths”もその一環だったのかもしれない。

資料は「Core Truths - How the 'Latest Technology' is not always what it seems(最新技術は必ずしも見かけ通りではない)と名づけられており、最新のAMD Ryzen 7000シリーズに2世代以上前のZen2コアが混ざっていることについて、「snake oil(詐欺、ホラ話をさす慣用句)」という言葉を使って揶揄した。

  • 「Core Truths(核心的な真実とCoreシリーズの真実、ダブルミーニングになっている)」と題された資料

  • 競合製品について言及するにはやや攻めた表現

  • 両方ともエンブレムだけでは最新かどうかわかりにくいかも

  • 「AMD Ryzen 7000シリーズなら最新と見せかけて、2019年のZen2ベースの製品が混ざってる」とのこと。これ自体は間違っていない

  • Zen2シリーズと比べれば性能差は当然ある。比較対象になるべきRyzen 7000シリーズを標榜するなら……という主張なのかも

  • Ryzen 7000シリーズのナンバリングは実際わかりにくい。レビュワーもそう言ってる……というIntelの主張

たしかにAMD Ryzen 7000シリーズには、Zen2ベースからZen4ベースまで幅広いアーキテクチャが存在していることは事実だ。しかしIntelの次期モバイル向けプロセッサにおいても、似たような問題が起こっている。

というのも、今度ナンバリングが刷新される第1世代Core(Ultra)シリーズにおいては、Raptor Lake Refresh(Core 120U)とMeteor Lake(Core Ultra 125U)が同世代に混在しており、前者は第12世代をリフレッシュした第13世代をさらにリフレッシュした世代、後者はそもそも異なるアーキテクチャを採用した全く似ていないプロセッサシリーズだ。

今回取り沙汰されたスライドについての報道姿勢は各テック系メディアの姿勢が垣間見えるもので、その点でも興味深いものにもなっている。中でもWccftechは「IntelもAMDも両方わかりにくい。お互いに非難しあうよりも、簡潔なネーミングスキームを採用するほうが一般顧客にとっては有益だ」と述べた。

なお、スライド自体は既に削除されているが、Videocardzがすべて公開している。