BPO(放送倫理・番組向上機構)は4日、旧ジャニーズ事務所の芸能事務所での性加害問題について、大日向雅美理事長の見解を発表した。

BPO事務局が入る千代田放送会館

BPOにはこの問題に関する視聴者意見が多数寄せられており、10月は記録が残る中で過去最多の5,150件に上った。

その内容は「概ね本問題に対する驚愕と許しがたい思いをベースとしていることで一貫していますが、当初の加害者や当該事務所の責任をもっぱら追及するもの、所属タレントの人権を擁護するものから、やがてそれを放置してきた放送界やマスメディア、さらには企業や社会全体のあり方を問うものへと、時間と共に様相を変えつつあります」と報告。BPOの各委員会が速やかに審議入りし、放送局を諫めるべく動きをとることを期待する声も多数あるという。

その上で、「放送局は、本問題の精査と反省を通して、自らの果たす使命をさらに認識し、今後も起こりうる諸問題に対しても真摯(しんし)に検証し、改善を行うことが求められます」と言及。そして、「視聴者と放送局を繋ぐ第三者機関の役割をもつBPOは、各放送局の今後の取り組みをたゆまず注視してまいります。そして放送がこれからも視聴者の信頼の上に公共的な役割を果たしていくため、適時、さまざまな形で放送局と議論する場を設けて、意見をたたかわせていきたいと考えております」とした。