第一三共ヘルスケアは11月28日、「肝斑にまつわる生活者の意識」に関する調査結果を発表した。同調査は1年以内にしみ悩みを経験した20~50代女性を対象に、インターネットで実施した。
肝斑という名称を知っているか尋ねたところ、72.9%が「知っている」と答えた。しかし、「肝斑の要因や適切な対処法まで知っている」はそのうちの15.0%にとどまっている。
7種のしみ症状画像を症状名を伏せて提示し、自身の症状経験にあてはまる画像の有無を聞くと、2人に1人(55.0%)が肝斑が疑われる症状の画像を選択した。
この"肝斑が疑われる症状経験者"に、自身のしみが「肝斑」に該当すると思うか症状名で訊いたところ、「該当しない/しないと思う」「しみの名称と知っているがどのような症状かわからない」と49.8%が回答した。"肝斑が疑われる症状経験者"の約半数が、自身のしみが肝斑である可能性に無自覚である示唆が得られた。
1年以内に肝斑の症状を経験し対処した20~50代女性に、実際に行った対処法を尋ねると、「美白用化粧品を使用」(51.2%)が最も多く、「ファンデーション等で隠した」(48.3%)、「UV用化粧品を使用」(37.3%)と続いた。一方で肝斑改善効果が認められた「市販のトラネキサム酸配合医薬品の服用」は12.6%となっている。
しみのない顔写真としみがある顔写真のバリエーションを提示し、それぞれ何歳に見えるかを訊き中央値を割り出したところ、肝斑がある顔写真では、しみのない顔写真の+約11歳と印象が大きく変化するように感じている人が多いことがわかった。
肝斑は、妊娠や経口避妊薬の服用をきっかけにできることもあり、女性ホルモンとのかかわりが指摘されている。また精神的なストレスによってホルモンバランスがくずれることが影響する場合や、過度のマッサージなど、物理的な刺激で悪化する場合もあるという。特にほほ骨のあたり、 ときには額、 口の周辺に左右対称に生じ、目の周囲にはできず、 色が抜けたように見える点が特徴とのこと。
順天堂大学の皮膚科医・木村有太子先生によると、肝斑の受診者数はコロナ禍を経て増加傾向にあるという。今はトラネキサム酸とビタミンCの服用、ハイドロキノンの外用が一般的な治療法とのこと。そのうえで最近はプラスの選択肢として、肌の新陳代謝を促すケミカルピーリングが多くの美容クリニックで行われている。
皮膚科や美容クリニックが近くにない、通院が難しいなどの場合は、市販薬(OTC薬)でセルフケアを行うのも良いという。1日2回で無理なく飲めるものや、トラネキサム酸、ビタミンC、L-システイン、ニコチン酸アミドなど、色々なしみ対策成分をまとめて飲めるものなら、継続の助けになるとのこと。日常生活では紫外線対策が大事だという。
また、肝斑の増悪につながりかねないため、肌への刺激低減を徹底することもすすめている。洗顔の際は、低刺激性の洗顔料を使用したり、左右の手を入れ替えて、摩擦圧を低める工夫をすることが大事とのこと。シャワーの圧は意外と刺激が強いので、肌に直接当てる洗顔は避けること、肝斑の悪化を防ぐために、長時間フェイスローラーを使用しないように心がけること、メイクの塗り重ねや強い拭き取りをしないことも重要だという。