11月29日、突如、タイパを意識したZ世代に広がる「倍速視聴」がX(旧Twitter)のトレンド入りし、ネットで上議論を呼んだ。突然のトレンド入りは、どうやら、声優の池澤春菜さんの投稿がきっかけだったようだ。
トレンド入りの発端となった投稿は、Amazonが提供するオーディオブックサービス・Audibleで池澤さんの朗読する作品を視聴したと思われるユーザーの意見に反応する形で行われた。このユーザーの意見は、「池澤春菜さんの朗読がちょっとな~と感じてる。朗読スピードが場面によって極端に違って、倍速のことを考えてない。ゆっくり読むところに合わせて倍速にすると、早く読むところがめっちゃ早口に聴こえる。もう少し一定速度を保ってほしい」というものだ。
この考え方は全然なかった、衝撃
— 池澤春菜 (@haluna7) November 28, 2023
若い女性
壮年の男性
子供
ご老人
体格や今までの経験、全てが喋り方に影響してくる
地の文も内容によって読むリズムや音の大きさは変わってくる
全てを均一にしたいのならば、朗読ではなく、スマホの読み上げ機能をおすすめします pic.twitter.com/6fw4ZbKm1V
これに対して、池澤さんは「この考え方は全然なかった、衝撃」とした上で、「若い女性 壮年の男性 子供 ご老人 体格や今までの経験、全てが喋り方に影響してくる 地の文も内容によって読むリズムや音の大きさは変わってくる」と反応。さらに「全てを均一にしたいのならば、朗読ではなく、スマホの読み上げ機能をおすすめします」と付け加えた。
この投稿をきっかけに、「倍速視聴」についての議論が勃発し、トレンド入りしたというわけだ。当該ポストは記事掲載時点で、いいね数4.7万件、リポスト数2万件にのぼっている。
ネット上では、「さすがに倍速聴取のことを考える必要ってないと思いますね(´・ω・`)」「知らんがなでいいと思いますね……」「倍速で聴くことまで考えないといけないなんて無理すぎる💦」「恐ろしい時代になったな。朗読は読み上げられる内容と共に朗読者の演技を楽しむものだろうに」「情報番組などでは無くクリエイティブな作品を倍速視聴することに全く後ろめたさがないというのは凄い」「そもそも参考書や実用書ならともかく、小説や文芸作品を倍速で聞くことで時間は省略出来るが、失ってるものもあることに気付いて欲しい」などと、対応する必要はないという声があがった。
だが一方で、「どちらも理があるなあ。倍速対応朗読と情感こもった朗読は別々の商品として売るのがいいと思う」「これは朗読担当した声優に言うのではなくそれをディレクションしたAudible側に言うことで、Audible側も倍速視聴用という需要に価値を求めるかもしれん」「たぶんこの種の人は、物語を楽しみたいのではなく、話題の作品の内容を『情報』として知りたいだけだろうから、ネタバレ有りのあらすじでも読んでよけば良いんじゃないかな」と、ニーズの違いから新しい商品をつくれるのではと示唆するような声も集まるなど、さまざまな意見が寄せられている。