韓国のテック・ハードウェアWeb媒体「Quasarzone」が、NVIDIA GeForceとAMD Radeonの両方のグラフィックスカードを組み合わせることで、両製品がそれぞれ独自に搭載するフレーム生成機能を両方使う実験を行った。特定のタイトルにおいてはパフォーマンスが最大で3倍も向上したらしい。

  • GeForceとRadeonを2枚刺しすれば“DLSS 3”と“AMD Fluid Motion Frames”を同時に使えるらしい

NVIDIA GeForceシリーズは「DLSS 3」でフレーム生成機能をサポートしており、実際にレンダリングしたフレームの間にAIが作ったフレームを挟み込んでパフォーマンスを向上させることが可能だ。これはSDKとして提供されており、ゲーム開発者がゲームエンジン側に組み込んで使用。ドライバに出力される前にゲーム側で用いられる。

一方、AMD Radeonシリーズでは「AFMF(AMD Fluid Motion Frames)」機能によってフレーム生成機能を実験的にサポートしている。同様に実レンダリングされたフレームの間にGPUで生成したフレームを挟み込んでパフォーマンスを引き上げるというもので、違いとしてはAIコアを用いていない点、ゲーム側ではなくドライバ側で実行している点がポイント。

今回Quasarzoneが行ったのは、ゲーム側でDLSS 3を動作させ、これを映像出力する際にAMFMでさらにブーストをかけられるのではないかというもの。結論から言うとうまくいったタイトルもあるようで、『Cyberpunk 2077』ではネイティブ比で約3倍もの圧倒的パフォーマンスを実現している。

  • 画像はQuasarzoneから。意外なほど素直にパフォーマンスが引き上げられる模様

利用にあたってはNVIDIA GeForce RTX 40シリーズに加え、AMD Radeon RX 7000 / 6000シリーズの両方が必要。モニターへの映像出力をRadeonで行いつつ、ゲームで使うGPUをGeForceに指定する必要がある。

なお、Quasarzoneはマザーボードの適切なPCIeスロットの位置関係、PCIeレーンの適切な分割、冷却や電源容量の問題、ベータ版のRadeonドライバを使う必要があること、動きの速いシーンではAMFMが無効化されることをハードルとして挙げている。