大王製紙は11月28日、「尿トラブル」に関するアンケート調査の結果を発表した。調査は10月25日〜27日、全国20〜60代の男女500名(男女各250名)を対象に、インターネットで行われた。
「トイレ(尿)に行く回数が増えると感じる季節は?」と質問したところ、全体の過半数53.6%が「冬」と回答。
これまでの尿モレ経験について聞くと、約2人に1人(47.0%)が「尿モレした」(20.4%)あるいは「しそうになった」(26.6%)ヒヤリ経験があることが明らかに。「尿モレ経験者」の割合を男女別にみると、男性13.6%に対し、女性は27.2%と2倍の差が。年代別では、60代が28.0%と高く、50代では24.0%、30代・40代では17.0%、20代でも16.0%いることがわかった。しかしながら、「尿モレについて相談したことがありますか?」と尋ねたところ、8割(78.3%)もの人が「相談していない」と回答した。
冬場の尿モレが不安になるシーン、1位は「初詣など行列で動けないとき」
次に、「冬場のトイレ(尿)に困る/尿モレが不安だと思うシチュエーション」を聞いたところ、1位「初詣など行列で動けないとき」(43.4%)、2位「帰省・旅行など電車・車での移動時」(40.0%)、3位「初日の出など公共トイレが少ないとき」(35.6%)という結果に。
外出時の尿モレ対策を教えてもらったところ、「ひたすら我慢」(男性48.6%、女性38.9%)が最も多く、次いで「もよおさなくてもトイレへ」(同33.9%、38.9%)、「水分をとらない」(同28.4%、37.3%)と続き、「吸水ケア品を持ち歩く」という女性は24.6%なのに対し、男性は12.8%と、役2倍の差となった。
尿トラブルの原因と対策を専門医が解説
泌尿器科専門医である伊藤友梨香氏によると、自分の意思とは反してモレてしまう尿モレは、大きく3つのタイプがあるという。1つ目は、咳やくしゃみなど、おなかに力が入ったときに膀胱が圧迫されて起こる「腹圧性尿失禁」で、「骨盤底筋」のゆるみが主な原因。2つ目は、突然の尿意を我慢できずにモレてしまう「切迫性尿失禁」タイプ。膀胱が意に反して収縮して起こるという。そして、3つ目は、両方の症状をあわせ持つ「混合性尿失禁」。
「骨盤底筋」のゆるみは出産によっても起こるもので、また、女性の尿道は男性と比べて短く、腹筋も強くないことから、尿モレは女性に多く見られるという。一方、男性に多い尿モレの症状は、前述の3タイプとは別に、前立腺肥大症による排尿障害など、「溢流性(いつりゅうせい)尿失禁」。
性別によっても尿モレの原因はさまざまだが、加齢や出産経験だけが原因で起こるものではなく、生活習慣や隠れた病気が原因であることも。それゆえ、尿モレはどの年代においても起こる可能性があるという。
冬場の尿トラブル対策方法は?
尿トラブル対策として気をつけることを教えてもらったところ、「水分の取り過ぎに気をつけ、暖かい服装に温かい食事、湯船につかるようにして体を冷やさないようにしましょう。ウォーキングや軽めのジョギングなど、適度に汗をかく運動も効果的」と伊藤氏。
また、肥満気味の人は体重減少や、「骨盤底筋」を鍛える体操、「膀胱訓練」(少しずつ排尿間隔を延長させることで膀胱容量を増加させるトレーニング)といった行動療法がおすすめとのこと。