12月1日に登場したアサヒ飲料の新商品「Fruits Presso」。カルピスをはじめとする同社の濃縮ドリンクの系譜を継いだ、希釈して味わう果汁飲料だ。
本記事では、”あえてひと手間”かける贅沢感とプレミアムな果実の味わいを楽しめる新商品の魅力と開発経緯に着目。同社が発売に先駆けて開催した発表会の内容をもとに紹介する。
飲み物は自分で作る時代に? 時代に寄り添う「Ready To Make」の概念
会の前半では、CSV戦略部部長・三浦正博氏が登壇。近年では飲み物を「自分好みに」「ひと手間かけて」作る需要が強まってきたことに触れ、同社が提案する新たな概念「Ready To Make」について説明した。
「Ready To Make」は、これまで一般的だったペットボトルや缶に入った出来合いの飲み物を楽しむ「Ready To Drink」の考え方と異なり、”自分でオリジナルの一杯を作る”ことに重きを置いた概念。
今回発売された「Fruits Presso」は、そんな現代の価値観にもとづいて開発された商品だという。
さらに、同商品には果汁を絞った後に残る果実の皮や種、芯などを活用した「アップサイクル香料」を使用。消費者の新たな価値観に寄り添うだけでなく、環境問題に配慮した商品にもなっている。
”注いだ瞬間”から香りを楽しめる「Fruits Presso」3種
「Fruits Presso」のラインナップは、「林檎」「和柑橘」「葡萄」(各300ml)の全3種。林檎と和柑橘の果汁には国産の果物を、葡萄の果汁には皮の風味まで感じられる品種「コンコード」のブラジル産果実を使用している。
作り方は簡単で、「Fruits Presso」の原液に好みの飲み物を加えてかき混ぜれば完成。 林檎は3倍希釈、和柑橘と葡萄は4倍希釈が目安とされているものの、自分で作る方式のため濃度は自由に調整できる。
主に商品の詳細について説明した登壇者のCSV戦略部・杉山凛子氏によると、同商品を割るためのおすすめ飲料は炭酸水。そのほか、冷えたミネラルウォーターやお湯を加える楽しみ方も言及されていた。
筆者が試飲したのは、炭酸水で割った「葡萄」。瓶の口を開けた瞬間に葡萄の華やかでほんのり渋い香りが漂ってきて驚いた。一口飲むと、まず感じるのは葡萄の濃厚な甘み。口の中で徐々に酸味が広がり、さわやかな後味を楽しめる。
炭酸水で割ったため、葡萄の濃い味わいがさわやかに感じられる点も魅力的。満足感がある一方で飽きの来ない、普段ジュースを飲まない大人にも好まれそうな味わいに仕上がっていた。
オンラインショップと「スマドリバー渋谷」で販売
「Fruits Presso」は、アサヒビールが運営する新商品のテスト販売サイト「ASAHI Happy Project」と、ノンアルコール飲料も楽しめる渋谷センター街のバー「スマドリバー渋谷」で販売。数量限定での提供となっており、販売数はそれぞれ500本を目安にしているという。
それぞれ12月1日から販売が始まり、「ASAHI Happy Project」では翌年の1月22日まで、「スマドリバー渋谷」では12月24日までの提供が予定されている。1本あたりの価格は「ASAHI Happy Project」では2,310円(配送料込)、「スマドリバー渋谷」では1,700円。「スマドリバー渋谷」では瓶の販売に加えて、店内用のメニューとして1杯800円での提供もする。
仕事や家事の効率化が進む現代だからこそ、のんびりくつろぐ時間も大切にしたいもの。忙しい日々から離れるきっかけとしても、「Fruits Presso」は活躍するのかもしれない。