北大阪急行電鉄と大阪府箕面市は、11月26日に箕面萱野駅で南北線延伸線のレール締結式を開催した。箕面萱野駅の駅構内も公開され、南北線延伸線の開業に合わせて一新される北大阪急行電鉄の駅名看板・案内サインがお披露目された。
南北線延伸線は千里中央駅と箕面萱野駅を結び、距離にして約2.5km。新駅として箕面船場阪大前駅と箕面萱野駅が設けられ、いずれも所在地は箕面市となる。南北線延伸線の開業日は2024年3月23日の予定。南北線(千里中央~江坂間)は御堂筋線(江坂~なかもず間)と相互直通運転を実施しているため、延伸開業後は箕面萱野~なかもず間が1本のレールで結ばれることになる。
レール締結式で挨拶した大阪府知事の吉村洋文氏は、南北線延伸線について大阪府が定めた戦略4路線の1つであると説明。「大阪府全体の成長にとって必要な路線」と述べ、南北線延伸線開業の意義を強調した。
北大阪急行電鉄代表取締役社長の内芝伸一氏も挨拶。「当社は1970年にアジアで初めて開催された万博の会場輸送と、千里ニュータウンと大阪都心を結ぶ輸送の一役を担う目的で創立されました。延伸線の開業は第二の創業であり、当社の沿線は箕面市へ広がることになります」と語った。
レール締結式では、関係者がレールのボルトを締めた後、モーターカーが走行した。南北線延伸線においてレールが敷設されたことを受け、今後は走行試験や国土交通省などによる検査が実施され、2024年3月23日の開業日を迎えることになる。
レール締結式の後、北大阪急行電鉄の新しい駅名看板・案内サインも公開された。同社が保有する8000形・9000形で使用される色調をベースとしつつ、相互直通運転を行う御堂筋線のラインカラーである赤色も取り入れたデザインに。沿線に若いファミリー層が多いことから、木目調のデザインを採用するなど、「明るさ」と「温かみ」の演出にこだわったという。
新駅の箕面萱野駅と箕面船場阪大前駅に加え、既存の千里中央駅、桃山台駅、緑地公園駅も南北線延伸線の開業に合わせて新しい駅名看板・案内サインに変更される。駅名看板・案内サインのデザインの変更は1993年以来、約30年ぶりとなる。
箕面萱野駅は木のぬくもりを感じられる温かな駅となっており、木目調の駅名看板や案内サインが駅構内とマッチする。ホームは1面2線ながら開放感があり、駅ビルや箕面観光の目玉である紅葉がホームからも見られた。計画では、箕面萱野駅付近にバスターミナルを設置し、観光名所も含めて箕面市内の各地へ路線バスでアクセスできるようになる。箕面市の新たな交通結節点となる箕面萱野駅周辺の発展が大いに楽しみだ。