日本テレビ系列の日本海テレビは28日、同局の元経営戦略局長が『24時間テレビ』の寄付金などから1118万2575円を着服した件について、経緯を報告した。

同局の調査によると、元局長は『24時間テレビ』の寄付金から2014年に50万2400円、15年に32万9000円、16年に34万8800円、17年に45万円、18年に30万円、19年に29万9000円、20年に23万4100円、23年に18万2720円を着服(計264万6020円)。募金終了後、金融機関に運ぶまで、鳥取市の本社内で保管していた紙幣や貨幣から周囲の目を盗んで一部持ち出し、自分の銀行口座に入れていたという。

局の資金の着服は、14年6月~21年3月に計8回行っていた。元局長は今月はじめ、税務調査で着服が発覚するのを恐れ、自ら申告。社内調査で、『24時間テレビ』寄付金の着服も判明した。

動機については、「最初の不正の2014年当時、親族のために金を用立てる必要があった。そのころ、会社に着服しても発覚しにくい入金があり、思いついた」などと話しているという。同局では、元局長が後輩らを連れてよく飲み歩き、スロットも好きだったことから、その金に使ったと見ている。

これまでに448万4200円を返還し、残金も弁済すると話しており、同局は「着服された寄付金全額は、責任を持って24時間テレビチャリティー委員会にお届けいたします」としている。

元局長は94年に入社し、経理部、東京支社、本社営業推進部を経て、14年4月に経理部次長、17年4月に経理部長、22年6月に総務局長兼経営計画部長となった(※総務局と経営計画部は今年4月に経営戦略局と経営企画部に改称)。

今回の件を受け、田口晃也会長は辞任、西嶌一泰社長は報酬を返上する。西嶌社長は「皆様の善意を裏切る行動を幹部社員が行ったことについて、浄財を寄付してくださった皆様、ボランティアで活動にご協力いただいた皆様、同番組に関わる皆様、ご関係の皆様に深くおわびを申し上げます。まことに申し訳ありませんでした。弊社は再発防止策と社員教育を徹底するとともに、チャリティーをはじめ皆様のお役に立てる活動にこれまで以上に積極的に取り組むなどし、信頼回復に努めてまいります」とコメントした。

同日には、同じ日テレ系列の読売テレビでも、社員による音楽番組『カミオト夜』の費用に関する不正行為を公表。この社員は同日付で懲戒解雇され、番組は年内で休止することが発表された。