女優の石原さとみが、テレビ朝日系2024年4月期ドラマ『Destiny』(毎週火曜21:00~)で主演を務めることが明らかになった。
■石原さとみ、出産経て3年ぶり連ドラ復帰
今作は、ドラマ『Dr.コトー診療所』シリーズ(03年ほか/映画は22年)、映画『涙そうそう』(06年)、『ハナミズキ』(10年)などを手掛ける脚本家・吉田紀子氏が、自身初となる検事の世界を舞台にしたオリジナル作。演出は、映画『僕の初恋をキミに捧ぐ』(09年)、ドラマ『君の手がささやいている』シリーズ(97-01年)などの監督・新城毅彦氏が担当する。
■『Destiny』は20年の時をかけたサスペンスラブ
出産を経て、今作で3年ぶりの連続ドラマ復帰を果たす石原。テレビ朝日のドラマに出演するのは、『霊能力者 小田霧響子の嘘』(10年)以来14年ぶりとなる。そんな石原が演じる主人公は、「横浜地方検察庁」中央支部の検事・西村奏。中学生の時、検事の父を亡くしたことをきっかけに母の故郷・長野県に移り住み、そのまま地元大学の法学部に進学。そしてそこで出逢った4人の仲間と共に、司法試験に向け苦楽を共にする一方、恋に、喧嘩に、友情にと、キャンパスがある長野の雄大な自然に包まれながら、生まれて初めての「青春」を謳歌し、その絆を深めていた。しかし司法試験資格のためのロースクール入試を間近に控えたある日、事件は起こる。ある人物の死が、彼らの運命を大きく狂わせていくことに。
「私たち友だちでいようね、永遠に」という仲間との約束を一瞬にして打ち砕いた運命の事件。それから12年の月日が流れ、舞台は長野から横浜へ。35歳、念願の検事になって6年。そんな奏の前に、事件以来消息不明だった同級生が現れる。事件と再び対峙することになり、新たに見えてくる20年前の父の死の真相、そして仲間たちの秘密の顔と、恋人との再会。一見バラバラに見える出来事が、やがて一本の線でつながった時、物語は思いがけない方向へ突き進んでいく。主人公が封印したはずだった青春時代の「光と影」。抗えない運命の中でも自分の意志を貫いて突き進む奏の姿を描く、「20年の時をかけたサスペンスラブストーリー」が幕を開ける。
■主演・石原さとみ(西村奏・役)コメント
3年ぶりの連ドラに不安と緊張がありました。 ですが、脚本の吉田紀子さんとプロデューサーの中川さんが作成された企画書に驚かされました。最終回までの流れと共に、主人公・奏をはじめ、全キャラクターの生い立ちから現在に至るまでが細かく書かれていました。それぞれの人間性が良く分かり、全体感も把握でき、先の展開の内容の濃さに大変驚きました。
現場では、出演者、そしてスタッフの皆さんの熱量とミリ単位のこだわりにうれしさと勇気を頂きました。 4月放送なのでまだ先ですが、心を踊らせながら共に放送を待ち望んでもらえたらうれしいです。
■吉田紀子(脚本)コメント
わりと長いこと脚本を書いていますが、最初にこのドラマの企画を聞いた時には、目の前が真っ白になりました。(本当です)。主役が女性検事。さらに、ラブサスペンスのオリジナル脚本。本格的に法曹界を描くのは初めてでしたし、おそらくその知識は小学生レベル。
数日間悩んだ挙句、ふと一本の古い無声映画を思い出しました。二十代の頃、劇場で観た活動弁士&楽団付きの『滝の白糸』。若き日に恋に落ちた法学部の学生と、旅回り劇団の女優。女優は苦学生の彼を助けるために学費を援助し、彼は無事司法試験に合格する。だがその二人が、数年後に出会った時には……。この映画が、抜群に面白く、その頃はまだ脚本家にもなっていない私でしたが、家に帰り、そのプロットを、記憶が鮮明なうちにと、必死に書き留めたほどでした。そんな“運命に翻弄されるような恋人たちの話”を書けないか……。しかもピュアなラブサスペンスを。『滝の白糸』がヒントになり、ドラマの脚本はスタートしました。
試行錯誤、紆余曲折、喧々囂々色々ありながらも『Destiny』は、出来上がりました。後半は、まさに一心不乱。無我夢中で書き、今となっては、なぜ小学生レベルの法曹界知識の私が、検事物を書き上げられたのか、不思議でたまりません。それもこれも、常に叱咤激励し一緒に試行錯誤してくれたプロデューサー諸氏の皆さま。そして、手取り足取り(こんな私に呆れもせず)法律のことを教えて下さった監修の先生方のおかげです。ありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。人間、いくつになっても進歩はできる。と、ちょっと自分の可能性を知った時間でもありました。
そして、主演は石原さとみさん。彼女の芯の強さと純粋さ、そして類まれなる存在感と目力は、きっとシナリオに命をふきこんでくれることでしょう。 書き上げてしまった今は、一ファンとして、観客として、ドラマを拝見しようと思います。とても楽しみです。
【編集部MEMO】石原さとみ
1986年12月24日生まれ、東京都出身。『わたしのグランパ』(03年)でデビューし、同作で第27回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。NHK連続テレビ小説『てるてる家族』(03年)で、第41回ゴールデン・アロー賞放送新人賞、最優秀新人賞を受賞。『シン・ゴジラ』(16年)、『忍びの国』(17年)、『決算 忠臣蔵』(19年)などに出演。2021年1月3日、婚姻届を提出したことを所属事務所を通して発表、2022年4月23日、第1子を出産したことを所属事務所を通して発表していた。今作は、2021年の日本テレビ系ドラマ『恋はDeepに』以来3年ぶりの出演となる。