明治は11月22日、乳幼児の貧血実態把握と鉄摂取啓発を目的に実施している全国1万人「鉄チェック活動」の中間報告の内容を発表した。
同活動は2022年11月〜2024年3月頃までの期間にわたり、栄養士がベビー専門店で1歳〜6歳の子どもを対象に栄養や離乳食、育児の悩みなどの相談を気軽に受ける取り組みの中で実施しているもの。
鉄チェックには、採血はせずに指先にクリップを挟むだけで機器鉄の充足状態の指標の1つである血中ヘモグロビン濃度を推定できる測定機器を用いている。
今回、活動開始から8月末までに実施した1歳〜5歳の子ども4,414人の血中推定ヘモグロビン濃度の測定結果を集計したところ、貧血の基準値を下回った幼児の割合が5.3%に達している事が判明した。
これは、諸外国の幼児の貧血割合(アメリカ3.2%、オーストラリア2.0%)の約2〜3倍の値に相当するという。
貧血は、主に血中ヘモグロビン濃度の基準値で判断される事から、数値に異常がない場合には貧血ではないと診断される場合も多いが、基準値を満たしていても肝臓などに貯蔵されている鉄(フェリチン)が低下している「隠れ貧血(潜在性鉄欠乏)」の可能性が疑われるとのこと。
1歳〜3歳の子どもの脳は言語習得などの原始的な感覚の発達が完了し、4歳〜6歳では成人の脳重量の約95%に達するため、幼児期は、脳の発達に重要な時期とされる。
この時期に、鉄欠乏性貧血で脳への酸素供給が不十分な状態が続くと、精神運動・認知機能発達に影響を及ぼす可能性があるという。