読売テレビ・日本テレビ系プラチナイトドラマ『ブラックファミリア~新堂家の復讐~』(毎週木曜23:59~)が現在放送中。女優の板谷由夏が主演を務める同作は、謎の死を遂げた女子高生の家族が、愛する娘の死の真相を追うため、様々な姿になりすまし、復讐を遂げるミステリー。第1話はTVerで128万回再生を突破し、同枠(プラチナイト木曜ドラマ枠)の1週間見逃し再生数の最高を更新している。
今回は、主人公・新堂一葉(板谷)の次女・梨里杏(星乃夢奈)の死に関わっているという疑惑のある早乙女家の長男で政治家の倫太郎を演じる塩野瑛久、そして早乙女家に出入りするイケメン俳優でありながら暴露系配信者・Mr.サルベージとして暗躍する伊志嶺和也を演じる長妻怜央(7ORDER)にインタビュー。久しぶりの共演だという2人に、同作の魅力や互いの印象について語ってもらった。
■ドラマ『ブラックファミリア~新堂家の復讐~』で活躍する塩野瑛久と長妻怜央
――お二人が共演されるのは2020年の舞台『DECADANCE―太陽の子―』以来とのことですが、印象に変化はありましたか?
長妻:変わってないですね。
塩野:変わらないです。
長妻:変わらないんだなって思いました。そう簡単に、人は!
――『DECADANCE』の時は、塩野さんがストイックで、楽屋でずっと腹筋ローラーをやってたと…。
長妻:やってましたね!
塩野:やってたかも(笑)。ただ、今回はそんな一面を見せる場所がなかったかもしれません。
――長妻さんは塩野さんのお誕生日に、スーパーマリオの大きな人形を贈ったとか。
長妻:そうなんです! 「あれ、まだありますか?」と聞いたら、塩野家に受け継がれてるらしくて。
塩野:甥っ子にあげました(笑)。自宅に飾ってたら、羨ましそうに見てたので。
長妻:塩野家の家宝になってもらえたらと(笑)
――塩野さんと長妻さんは、どの作品に出ても爪痕を残す方という印象があります。今回、久しぶりに共演して印象はいかがでしたか?
長妻:今回、僕は悪い塩野くんを見たなと思いました。ドラマで「流出動画」として撮影された動画がすごすぎて、実際に流出動画という体でプロモーションしても面白いんじゃないかなって、プロデューサーの方と話してたくらいだったんです。でも本当にそれをやったら、塩野くんは大変ですよね……。
塩野:大丈夫です。まず背景からして、あんな豪邸ないから!(笑)
長妻:「撮影やろ!」ってなるね(笑)。でも、やっぱりそれくらい演技の思い切りがいい方だなと思いました。撮影中もスイッチが入っているんだろうなと。
塩野:僕は同じことを、怜央に対しても思います。「君の瞳に乾杯」というCMも撮っていたりして。
長妻:あれは、難しいシーンでした。「ちゃんとやってるんだけど、ちょっと恥ずかしさも入れて」という要望があったんです。ただかっこつけるだけじゃなくて、伊志嶺本人としては「やりたくない恥ずかしい仕事」みたいな、はにかみも入れなければいけない。
塩野:そうなんだ! 葛藤がある。
長妻:僕はもう、ふざけてやるつもり満々だったんですけど(笑)。「違うよ」って、一瞬で却下でした。
――今回の撮影では、作中でもキーとなる、早乙女家のパーティーのシーンなどで一緒だったとのことですが。
塩野:怜央はずっとハエ叩きしてまして。
長妻:僕はとにかく叩きまくりでした。
塩野:そういうところが変わってないというか……自分の出番が終わって帰ってもいいのに、ハエ叩き係として参加してました。録音部、照明部、俳優部などがあるなかで、ハエ叩き部になってました。
長妻:新しい部を設立しました。部員は僕しかいません。最初はやっぱり難しかったんですけど、回を重ねるにつれて、徐々に力をつけていくことができました。
塩野:その時に「電気式のハエ叩きって、あるよね」という話をしてたんですよ。次、早乙女家に来た時は、それを持参してきました。
長妻:気候も涼しくなっていて、ハエの数も減っていたので、拍子抜けしましたけど……。
――電気式のハエ叩き、買ったんですか?
長妻:家にあったんですよ。
塩野:と、言うんですけど、絶対買ったと思うんですよ! だって都会に住んでる人の家に、電気式のハエ叩きが必要ですか!?
長妻:たしかにね。
――日常的にハエ叩きが必要なのか、心配になってしまいますよね。
長妻:僕が、ハエがいっぱい出る家に住んでるのかと(笑)
塩野:だから絶対に買ったと思ってるんです。でも頑なに、「違う」と言う!
長妻:(笑)
■同枠ドラマ歴代No.1の記録に、周囲の反響は?
――今作は第1話のTVer 1週間見逃し再生回数も128万回を突破し、同枠ドラマ歴代No.1とのことで、作品に対しての反響は感じていますか?
塩野:怜央は、(暴露系配信者の)Mr.サルベージだということがすぐバレてたね。
長妻:素の方があっちなんで……。速攻バレましたけれども、ファンの方からも「作品自体が面白いから、観れてよかった」「出てくれてありがとうございます」と言っていただいたりしました。
塩野:動きも独特だし、線の細さでもわかる。衣装をタイトなスーツじゃなくて、オーバーにしないと、体の線が“長妻怜央”だもん!
長妻:肩幅もね!
塩野:耳の形でもバレると思った。
長妻:みんな、なんでそんな見るの? ずるいですよ! 塩野くんかもしれないですもんね。
塩野:いやいや、僕ではない(笑)
――塩野さんは、反響は感じていましたか?
塩野:「面白い」と言っていただけることが多いです。友達からも言ってもらえるし。ただ倫太郎はどんどん印象が悪くなっていくので……反応が楽しみな役です。最初から印象が悪いだろうけど、真骨頂を見せます(笑)
――第1話では倫太郎の記者会見のシーンもありましたが、俳優として「こんな記者会見はやりたくない」といった思いはありましたか?
塩野:自分としての気持ちというよりも、「倫太郎が記者会見に出たらどういう方向で行くんだろう」ということを考えてました。倫太郎節をそこから匂わせるのか、それともちゃんとした政治家を装ってる風なのか、探りながらのシーンでした。
――それほどピリッとくるシーンが多いドラマですね。風刺的な面については、いかがでしょうか?
長妻:たしかに、現代の風刺ですよね(顎の下にベロを入れ、しゃくれたような変顔)。
塩野:インタビューで伝わらないから!
長妻:「顎の下にベロを入れ……」と書いてもらえたら! (何事もなかったかのように)風刺感あります、暴露系配信者もそうですし。攻めまくってるなと思います。この先の台本も……。
塩野:新しいやつ、すごかった。特に早乙女家の事情は、未だに表面の部分しか現れていなくて、もっと内部の闇というか、崩壊している部分が出てくるんじゃないかなと思います。
長妻:めっちゃ攻めてます。もう、めちゃくちゃ攻めてます! だから、大好きです。攻めまくっていった方がいいですよ。もはや、ドSドラマです。それくらい攻めてますよね。
――塩野さんは劇団EXILE、長妻さんは7ORDERとして活躍されていますが、メンバーからの反応はありましたか?
塩野:僕らはそれぞれ独立しているので、そこまでではないかもしれません。
長妻:みーとぅー! よく「よかったよ」と言ってくれますけど、恥ずかしいです。僕、褒められるの苦手なんで、自分からどうぞとは言わない。観てたら観てたで「ありがとう……」みたいな、よそよそしい感じになっちゃう。ただ、母は喜んでます。「爪痕、残すしかないよ~!!!!」って。
塩野:どんなお母さん!? 言い方の癖が強いんだよ! これ、インタビューで伝わる!?
長妻:ビックリマークいっぱいでお願いします。お母さん、マジで「大事な時期だからね」って、一生言ってくる。
塩野:ええ~! いいお母さんだ。
長妻:めっちゃ厳しいですからね。「ここが全然ダメだね」って言ってくる。今回はまだダメ出しされてないんですけど、怖いです。でもサルベージの正体は、ドラマが始まる前に言っときました。「それネタバレじゃ〜ん!」と言ってました。結構厳しいタイプなんで。
塩野:なるほど、言ってくれるんだね。でもそういう感想って大事だよね。
長妻:中学の僕だったら喧嘩になってますが、大人になったので。
塩野:長男だから我慢できる。
長妻:長男じゃなかったら無理だった。末っ子なんですけど、2人姉弟の長男なんで、大丈夫でした。怜央治郎です。
――塩野さんは、お母さんから感想を言われることはあるんですか?
塩野:観てくれているし、すごい応援してくれて、感想もくれたりはするんですけど、アドバイス的なことは言わないタイプですね。
長妻:お母さんから言われるの、やばいですよ。「たしかにな」って、落ち込むぐらい言われますからね。昔から意識して褒めないようにしているみたいです。「褒められてばっかでしょう?」と。当たり障りないことは言わないという、気合いが入ってる。
塩野:でも、怜央ってツッコミを入れやすいから、いい意味で、お母さんもファンの方も、ツッコみたいんじゃないかな。僕は、ファンの方から甘やかされている自覚はあります。先日もブログで「上手な買い物した」と報告して、「天才と呼んでくれていいよ」と書いたら、こぞって「天才!」とコメントしてくださって、「激甘だな!」って(笑)。ファンの方たちに感謝しています。
――2人ともかなりタイプが違いますよね。
長妻:以前、僕に対して「西銘(駿)くんと似てる」と言われて、その後『タンブリング』という舞台で西銘くんと共演したんですよ。似てました。
塩野:でしょ!?
長妻:めっちゃ遊びに行きました。
塩野:じゃあ、今度一緒に行こう!
長妻:行きましょう!
――3人だったらどこに遊びに行きたいですか?
長妻:ボウリングですかね?
塩野:いいね、ボウリングしたい。
長妻:すごく好きなんですよ。こないだ1人で行きました。
塩野:1人で行ったの!?
長妻:バスケの試合(『ACTORS LEAGUE in Basketball 2023』)の前だったので「一発行っとくか」と。
塩野:腕を痛めるかもしれないから、バスケの前はやめて! スコアは最高でどれくらい?
長妻:123でした。
塩野:えっ、それくらいなの!? 1人で行く割には……。
2人:(笑)
――塩野さんはいくつくらいですか?
塩野:僕は、200はいきました。
長妻:うえ!? でもやっぱ戦う相手が強い方が「こいつ、戦いの中で成長してきてる!」と思ってもらえるかもしれないので! 今のは、塩野くんの心の声です。
塩野:少年漫画みたいな(笑)。西銘と怜央とボウリングに行ったら、騒がしいだろうな。でも、絶対楽しい。
長妻:「塩野くん! なにやってんですか!」って、2人でめっちゃ言ってますね。
塩野:2人とも言いそうなワード。脳内再生余裕でした。
――ぜひ行ったらInstagramなどにあげてほしいですね。
塩野:インスタはやってるんだっけ?
長妻:実は、周囲に何も言わないでやってます。
塩野:そうなんだ!?
長妻:嘘です、ちゃんとやってます!
――最後に改めて、作品を楽しみにしている方へのメッセージをいただければ。
長妻:復讐劇なので、爽快であってほしいけど、すでに爽快という感覚もない展開なので、最終的にどう物語が落ち着くのか。出演させていただいていても想像ができないくらいなので、皆さんと同じ気持ちで作品の展開を楽しみにしていますし、僕としては作品をより面白くできるように、キャストとして頑張っていきたいなと思います。
塩野:本当にそれぞれの人物にバックボーンや物語、葛藤があり、復讐する側も大きなものを背負って、失うものもある……というメッセージ性も含まれていますので、そのあたりも踏まえつつ観てもらえたら。果たして、新堂家が正しいのか?という面も見えてくると思います。爽快さだけじゃない、そういった奥深さも含め、これからどう終着に向かっていくのかを楽しみにしていただけたら嬉しいです。
――隣の長妻さんが泣きそうな顔をされていますが…。
塩野:あのさあ……(笑)
長妻:心打たれました。いいコメントだ!
■塩野瑛久
1995年1月3日生まれ、東京都出身。2011年に開催された第24回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストに応募し、審査員特別賞およびAOKI賞を受賞、2013年『獣電戦隊キョウリュウジャー』出演で話題を呼ぶ。2023年より劇団EXILEに加入し、近年の主な出演作に映画・ドラマ『PRINCE OF LEGEND』『HiGH&LOW THE WORST』(19年)、ドラマ『来世ではちゃんとします』シリーズ(20年~)、『ブラザー・トラップ』『かしましめし』(23年)、パルコ・プロデュース2022「VAMP SHOW ヴァンプショウ」など。現在『天狗の台所』が放送中。2024年の大河ドラマ『光る君へ』に一条天皇役で出演予定。
■長妻怜央
1998年6月5日生まれ、茨城県出身。7ORDERのメンバーとして活躍し、近年はSCHOOL STAGE『ここはグリーン・ウッド』(19年)、ディスグーニー公演 舞台『DECADANCE ―太陽の子―』(20年)、『タンブリング』(21年)、舞台『アクダマドライブ』、『漆黒天 -始の語り-』、DisGOONie Presents Vol.11 舞台『Little Fandango』(22年)、映画『漆黒天 -終の語り-』『ラストサマーウォーズ』(22年)、『犬、回転して、逃げる』(23年)、ドラマ『その結婚、正気ですか?』(23年)などに出演。現在、CBCテレビにて『地名しりとり~旅人ながつの挑戦~』が放送されている。