第一三共ヘルスケアは11月21日、テラサイクルジャパンとともに実施した「おくすりシート リサイクルプログラム」の実証実験についての最終結果を発表した。
おくすりシートとは、薬を包装する方法の1つで、錠剤やカプセルをプラスチックとアルミニウムで挟んだシート状のもの。必要不可欠な医薬品包装資材の特性上、削減することは難しく、今後も高齢化の進展に伴い使用量の増加が見込まれている。
同社では2022年10月20日~2023年9月30日の期間、テラサイクルジャパンとともに、横浜市から協力を得て「おくすりシート リサイクルプログラム」を実施した。おくすりシートがリサイクル可能な資源であることの認知を高め、資源として循環する仕組みを確立することを目的にしている。
おくすりシートの回収場所は、横浜市の薬局・ドラッグストア、病院、公共施設など。
回収されたおくすりシートは、シートのプラスチックとアルミニウムを分離後、各々リサイクル処理され、新たなリサイクル製品として生まれ変わる。
同プログラムは、開始直後から大きな反響があり、中間報告時点で目標値を上回ったことから、2023年5月に目標を大幅に上方修正した。その後も回収拠点を増加しながら回収を進めた結果、拠点数は修正後の目標である60拠点に達し、回収量も修正後の目標の2倍以上となる108万枚相当(1,077kg)を達成し、目標を大きく上回った。
横浜市在住者526人を対象に同社が2023年9月4~11日に実施した調査の結果では、プログラムの認知率は19.6%を記録し、そのうち56.3%が「プログラムに参加したことがある」と回答している。調査対象者全体においても47.1%が、「身近に回収BOXがあれば、積極的に協力したい」と答えている。
回収量全体における異物混入量は5~10%程度だった。量として多くはないものの、異物を取り除く作業にかかるコストを抑え、かつ再資源化率を高めるために、回収時の異物混入防止策の検討が継続課題となるという。
実証実験の結果を受け、今後、同プログラムのさらなる認知拡大に向けた取り組みの実施や、回収拠点を広げてより参加しやすい環境を整備することで、目的の実現に向けて大きく前進することが期待できるという。