10月19日に発表があった通り、11月21日よりRyzen Threadripper 7000シリーズ及びRyzen Threadripper Pro 7000 EXシリーズが発売開始となる。本当はこれに合わせてベンチマークデータをお届けしたかったのだが、機材の関係により、まずは製品紹介だけちょっとさせていただきたい。
以前の記事でも説明したが、Ryzen Threadripper 7000シリーズとRyzen Threadripper Pro 7000 EXシリーズはどちらも同じフォームファクタで提供される(Photo01)。現在のところRyzen Threadripper 7990X(仮)はまだ未発表(型番もこれで正しいかどうか不明)ということもあり、Ryzen Threadripper 7980Xは8 CCD、Ryzen Threadripper Pro 7995WXは12 CCDでの構成である(Photo02)。リテールパッケージもサイズは同じで色違い(Photo03,04)の形で用意される。
さて今回はRyzen Threadripper 7970XとRyzen Threadripper 7980Xの2つが届いた(Photo05~07)。内部はウレタン製のインナーの表側にCPUが、裏側にCPUクーラーのブラケットとトルクレンチが搭載されている(Photo08)。CPUそのものはオレンジのガイドに装着される何時もの方式である(Photo09,10)。
CPUクーラーとしては今回NZXTのKRAKEN 360が付属した(Photo11,12)が、これは汎用品であって別にRyzen Threadripper用のブラケットに装着できるクーラーなら何でも利用可能と思われる。
マザーボードはASUSのPro WS TRX50-SAGE WIFIがやってきた(Photo13~22)。またメモリとしてはG.SKILLのZETA R5 NEO(Photo23~26)が用意された。
ということでベンチマークはもう少々お待ちいただきたい...だけで話を終わらせるのも何なので、もう少し補足情報を。TRX90の方のプラットフォームは以前スライドをご紹介したが、TRX50の方は詳細が不明だった。実はまだ公式には情報が伝わってきていないのだが、どうもこのPro WS TRX50-SAGE WIFIの構造は図1の様になっているようだ。実際には他にAudioとかUSB 2.0ポートとかもあるが、この辺は省いている。製品ページによれば"three PCIe 5.0 x16 slots"となっているが、これは「物理的なスロットがx16」という話で、3本あるPCIeコネクタのうち1本(多分下から2つ目)はx8接続になっているものと思われる。殆どのPCIeレーンはCPUから出ており、TRX50チップセット自身はPCIeレーンを合計で8 Laneしか出せない模様だ。要するにこれ、B650そのものではないかと思うのだが、流石に借りもののマザーボードのヒートシンクを引っぺがす勇気はないので今回未確認である。
もう一つはOC特性である。実は先の記事の説明会の折に、(Ryzen Threadripper 7980Xではなく)Ryzen Threadripper Pro 7995WXを使ってのOCチャレンジも行われていた。面白いのは、空冷・水冷・LN2(液体窒素冷却)の3パターンが行われた事だ(Photo27~29)。
このOCの仕方であるが、Ryzen MasterでPPTのLimitを最大1000Wに設定する「だけ」で、後は一切いじっていない。テストではCineBench R23とR24、それと7zipの実行速度の比較を行った(Photo30,31)が、そのうちCineBench R23の結果を示すと
・空冷:118,642
・水冷:148,053
・LN2 :177,050
である。ちなみにこのチャレンジが行われた日(10月10日)におけるWorld RecordはEPYC 9654×2の147,668で、この記録をシングルプロセッサで17%上回るものとなった。というか水冷の結果ですらEPYC 9654×2を上回っているあたりで、OCのヘッドルームが十分ある事をうかがわせる結果となった。まぁOCチャレンジに挑みたいユーザーには丁度良い題材かもしれない。
ということでまずはPreviewをお届けした。ベンチマーク結果は今しばらくお待ちいただきたい。