胡麻ドレッシングをモチーフにしたちぎり絵、味わいがありますよね。でも、よく見るとあちこちに小さな文字が見えます。そう、この絵は新聞紙をちぎっては貼りつけ、ちぎっては貼りつけて仕上げた作品なのです。作者はなんと94歳のおばあさま、木村セツさんです。

新作。今回はセツお気に入りの胡麻ドレッシングです。ぱっと見シンプルな形ですがよく見ると細かい字がいっぱい。蓋には株価が、下のドレッシング部分は…これなんでしょうね。新聞だけどシワと加工からなんともいえぬ古めかしさが。そしてちゃんと胡麻ドレに見えるのかすごい。

  • (X 94歳セツの新聞ちぎり絵@setsu0107 より引用)

木村セツさんの作品の特徴は、お花や食材などから誰もが知っている商品パッケージまで身の回りにある自然や日用品をモチーフに新聞紙をちぎって制作している点にあります。特に驚かされるのが新聞紙という制約がある中で、対象物の色やカタチを忠実に再現しているところです。

今回の投稿作品である胡麻ドレッシングも商品ラベルのブロッコリーでは細かく色の濃淡が付けられていますし、胡麻ドレッシング自体も明るい茶色と濃い茶色を使い分けて微妙な陰影が表現されています。その仕上がりにフォロワーから賞賛の声が多数寄せられました。

「セツさんの新聞ちぎり絵は毎回 凄い」「セツさんの新聞ちぎり絵のファンです」「作品が良すぎて…もう魅入ってしまいます」「キャップの窪みが数字部分(株価!! )だったり、趣向を凝らしているのが見てとれる…」「胡麻部分は誰かの日記ですかね? 」「いつもセツさんの繊細な作品に、驚きと感動と、沢山の癒しをもらっていたす」などなど。投稿者であり、木村セツさんの長女である幸子さんにお話を伺いました。

■投稿者に聞く

……セツさんはどのようなおばあ様でしょうか。

昔から苦労してきたせいか、とにかく何ごとも一生懸命で粘り強いです。その性格だからこそ、これまでもたくさんの作品をつくってこれたのだと思います。周りを明るくする陽気な性格で人情深い方だと思います。

……セツさんがこのような作品を作り始めたきっかけは?

夫を亡くしてから寂しく、毎日ボ〜ッとしている姿に、私が何か楽しめるものがないかと思った時に新聞ちぎり絵ならできるかもしれないと勧めました。

……作品作りで苦労、工夫されているのはどのような点でしょうか。

新聞ちぎり絵は毎日貯め続けている新聞の紙片から題材にあったものを探し出すのに時間がかかり根気のいる作業です。これもやはり粘り強い性格があっているのだと思います。工夫しているところは、できるだけ綺麗に仕上げることです。

……いろいろな反響があることにセツさんはどのような感想でしょうか。

嬉しくて夢のように思っているといつも言っております。たくさんの方から寄せられた温かなメッセージが励みになって現在も意欲的に作品に取り組んでいます。

▼新作。今回はセツお気に入りの胡麻ドレッシングです。ぱっと見シンプルな形ですがよく見ると細かい字がいっぱい。蓋には株価が、下のドレッシング部分は…これなんでしょうね。新聞だけどシワと加工からなんともいえぬ古めかしさが。そしてちゃんと胡麻ドレに見えるのかすごい。