今年で12回目を迎えた「横浜ヒストリックカーデイ」の会場では、日本ではめったにお目にかかれない古き良きアメリカのクルマを何台も見ることができた。昔の映画に出てきそうなデカくてレトロなモデルや、フォードにしては普通すぎる(?)セダン、教科書で読んだ「T型フォード」など、珍しいアメ車にたくさん出会ったのでご紹介したい。
個性爆発! アメ車の魅力
「横浜ヒストリックカーデイ」の会場となった横浜赤レンガ倉庫前広場にはレアなクルマが大集結。人気の観光地だけに、同イベントについて知らずに来場した人も多かったはずだが、クラシックカーの独特な見た目やただならぬオーラに思わず足をとめてしまう人もたくさんいたようだ。
会場には多種多様なクラシックカーが所せましと並んでいたが、今回はアメ車に注目して展示車両を取り上げていきたい。
まずは、ザ・アメ車といった感じのビュイック「ロードマスター」(Roadmaster)だ。
このクルマ、会場で配布されていたパンフレットによると「1954年式」だというから驚きだ。オーナーのコメントには「エンジンはオリジナル、メッキ類をコツコツ新しくしています」とあった。70年前に作ったエンジンが稼働しているというのはスゴすぎる。
次はシボレー「マリブ コンバーチブル」(Malibu Convertible)。パンフレットには1966年式とある。
オーナーさんのコメントは「内外装ともに純正色、エンジンサイズは305chi、ミッションは3速です」とのこと。アメリカ西海岸あたりの景色の中であれば、これくらいド派手な色のクルマが走っていてもかえって絵になってしまいそうだから不思議だ。それにしても、こんなに大きなクルマなのにたった3速のミッションで大丈夫なのだろうか……?
次の1台はシボレー「エルカミーノ」(El Camino)。こちらは1970年式だ。
エルカミーノといえば、映画『ボディガード』でケビン・コスナーが乗っているのを見て憧れた明石家さんま師匠が購入したという話を聞いたことがある。後ろに回ってみると、荷台がついていてびっくり。これもピックアップトラックと呼ぶのだろうか……。オーナーさんのコメントによると、この個体はV型8気筒エンジンを積む3代目モデルだという。
今度は1969年式のシボレー「カマロ RS-SS コンバーチブル」(Camaro RS-SS Convertible)。
「69年のファーストゼネレーションのコンバーチブル、とても稀少です」というのがオーナーさんのコメント。こういうクルマでダイナーに乗りつけて、ガラスのポットで出てくる薄いコーヒーを飲んでみたい。
今度はフォードの「フェアレーン500」(Fairlane)。銀色でつぶつぶがたくさん入ったグリルがとてもシブい。オーナーさん曰く「テールフィンが残る最後の年式、63年式は非常に稀少です」とのこと。
同じフォードでこんなクルマも見つけた。
こちらは「エスコート」(Escort)の「マーク1」(Mk-1)というクルマ。フォードといえば「マスタング」やピックアップトラック、巨大なSUVといったイメージがあったのだが、エスコートのように、いい意味で普通っぽいセダンも作っていたとは知らなかった。リアにかけて上に跳ね上がるウィンドウ下のラインがカッコいい。
最後は教科書でもおなじみの「T型フォード」(Model T)だ。ほぼ100年前の1926年式!
オーナーさんのコメントには「珍しいカナダ産」の文字が。T型フォードが大量に売れたことは教科書で読んで知っていたが、カナダにまで生産拠点が広がっていたとは知らなかった。