終活関連サービスを手がける鎌倉新書社が、「終活川柳大賞」を開催。応募句数5242作品から選ばれた大賞、優秀賞、佳作など入賞作30句を発表しました。

  • 「終活川柳大賞」

「周囲に迷惑をかけないために自分の死後の準備をする」のが終活ですから、さぞ暗い内容が多かろう……と思いきや、読んでみると、いやいやこれがポジティブなものが多いんですよ。けっこう意外で面白い!

  • こういうのかと思ってたら、ぜんぜん違ってて驚く筆者

ということで今回は、発表された入賞作品の中から、いくつかピックアップして紹介したいと思います。

終活終わってジム通い?

まずは、筆者が非常に気になった、「終活楽しそうじゃん」と思わせてくれる句からどうぞ。

・戒名も 墓も決まって ジム通い(ひでさん 神奈川県 67歳)

・終活を 始めて父が 若返り(なにわ男爵さん 兵庫県 41歳)

・顔写真 ベストショットを 保管する(福岡県 48歳)

・ふと思う 生きてて今が 1番かも(あみちゃんさん 大阪府 74歳)

どうですか、なんか「死を考える活動」とは思えないくらい楽しそうじゃありません? ちなみに一番最初の「戒名も 墓も決まって ジム通い」が大賞の作品で、私もお気に入り。死ぬ準備はスッキリ終わったから、残りの人生は楽しく健康に生きようという、何とも逆説的ですが不思議なポジティブさが見て取れます。

逝きたい気持ちが「生きたい」に……

続いては、「終活してたら逆に生きたくなっちゃった」な句でございます。

・孫生まれ 逝きたい気持ち 生きたいに(春蚊秋冬さん 東京都 51歳)

・面倒だ 死なないことに しようかな(みえこ山さん 東京都 51歳)

・就活を 頑張る孫に 負けられぬ(ガブリータさん 東京都 47歳)

・死にたいと 言ってるくせに 医者はしご(花キャベツさん 埼玉県 82歳)

本当に大切なものはなんなのか、終活を通じて改めて振り返るうちに「死ぬ準備をしていたつもりが生きたくなっちゃったんだな~」なんて思わされて、ちょっとホロリとしちゃいました。

夫婦関係もいろいろ

最後に、長年連れ添った夫婦関係を連想させる句を紹介しましょう。

・夫より ペットと入れる 墓探し(チョコあんこさん 宮城県 29歳)

・あなたとは 一日違いで 逝きたいな(山口県 71歳)

・夫への 恋文だけは 即始末(しらすさん 茨城県 36歳)

・古希過ぎて 「月が綺麗」と 告げる恋(ま~ちゃんさん 石川県 79歳)

自分の最期を考えることが、結果としてパートナーにどうしてほしいのか、何を伝えたいのか改めて考えるきっかけにもなっているようです。もちろん結果として「やっぱあいつダメだわ」となることもあるかもなのですが、そういう気持ちにしっかり決着をつけるのも大切かもしれませんね。

自分の死について、死後について考える終活。なるべく考えたくないことだと思っちゃいがちですが、案外やってみたら楽しいのかもしれません。筆者はまだ40代なのですが、見てたら終活やりたくなってきちゃったわ。