好きな映画を聞かれると、意外に答えづらいものですよね。初対面の相手や、好きな人との会話の中で話題になったり、時に就職の面接などで聞かれたりすることもあるでしょう。でも、何がベストな回答かは、考えれば考えるほど難しいものです。

本記事では好きな映画を聞かれたときの答え方のポイントや、おすすめの具体的な洋画・邦画名を、シーン別に紹介します。

  • 好きな映画を聞かれたら?

    好きな映画を聞かれたときにどう答えたらいいかや、シーン別におすすめの具体的な映画名を紹介します

好きな映画を聞かれたら? 答え方のポイント

まずは、「好きな映画は何?」「おすすめの映画は?」などと聞かれたときの、答え方のポイントを紹介します。大切なのは、その場の空気を読んで、状況に応じた回答をすることです。下記で、より細かく説明します。

まずは作品名ではなくニュアンスで伝える

好きな映画を聞かれて、すぐに具体的な作品名を伝えることはおすすめできません。なぜなら、もしも相手がその映画を全く知らなかったり、好きなジャンルではなかったりした場合、会話がそこで終わってしまうからです。

そのため好きな映画を聞かれたら、まずは映画の全体的なニュアンス、雰囲気の好みについて回答するといいでしょう。

例えばワクワクと楽しい気持ちになるもの、かわいい動物が出てきて癒やされるもの、背筋がゾクゾクする感じを味わえるものなど、感動して思いっきり泣けるもの、などです。

そうすると自然な流れで会話が続き、ある程度お互いの好みがわかったところで、「じゃあ、例えばどんな作品が好きなの?」と質問が来るはずです。そこで初めて、好きな映画作品について話すといいでしょう。

好きなジャンルで答えてもOK

ニュアンスではなく、ジャンルで答えるのもいいでしょう。

例えば、アクション映画は物理的なアクションやスタントのシーンが見どころのジャンルです。SF映画は、宇宙や異世界など非日常的空間を舞台に繰り広げられるストーリーが特徴です。その他にも、おなかの底から笑えるコメディー映画や、自分も謎解きを楽しめるミステリー映画、音楽や踊りも楽しめるミュージカル映画など、映画のジャンルは多数存在します。

もし自分の好きな映画がどんなジャンルに属するのかわからない場合は、これまで鑑賞してきた作品の共通点を探すといいでしょう。

気軽に好きな俳優名や監督名を出さない

好きな映画を聞かれたときに、「○○が出てる作品かな」「○○監督の作品が好き」などと答えるのは、確かに会話が弾むように思うかもしれません。

だたし、これも注意する必要があります。なぜなら、どんな俳優や監督にもコアなファンがはいて、彼らはとことんその人について調べたり、作品を鑑賞したりしているからです。あなたが真のファンであればいいですが、なんとなく、付け焼き刃で言っただけであれば、それはすぐに見抜かれてしまいます。相手はガッカリしてしまい、これでは会話が弾むわけもありません。

また作品名と同様に、もしも相手がその人のことを全く知らなかったり、苦手だったりした場合、会話がそこで終わってしまいます。

好きな映画を聞かれたら? 初対面の相手にウケが良さそうなおすすめ映画

  • 初対面の相手にウケのいい映画

前述のように、いきなり作品名を伝えるのはおすすめしませんが、初対面でまだ関係性が浅い相手と映画の話で盛り上がる中で、きっと「じゃあ、具体的にどんな映画が好きなの?」と聞かれることになるでしょう。そのときに、ウケがいい映画は何なのでしょう。

初対面ならば、相手の映画好き度も分からないため、まずは誰もが聞いたことのあるような有名作品を挙げることをおすすめします。また、シリアスな作品を挙げると雰囲気が重くなってしまう可能性があるため、ここでは明るくてポジティブな気分になれる映画をピックアップしました。

『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3(Back to the Future Part III)』

『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』は、1990年にアメリカで製作された作品で、シリーズ3部作の完結編です。

世界的人気シリーズである『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズは、主人公マーティーが科学者ドクの発明したタイムマシン・デロリアンに乗って、行く先々の時代で活躍する物語。ジャンルとしてはSF、アドベンチャーです。

本作は前作・PART2のラストシーンにて、落雷のアクシデントによりマーティーを1955年に残したまま、西部開拓時代の1885年に飛ばされてしまったドクを、マーティーが助けに行くストーリー。

ワクワク、ドキドキが止まらないスピーディーな展開が特徴で、肩肘張らずに楽しめる作品です。他2作も見ておくと、より映画の世界観を堪能できるでしょう。

『ラ・ラ・ランド(La La Land)』

『ラ・ラ・ランド』は、2016年にアメリカで製作されました。ミュージカル映画であり、ロマンス映画の要素も楽しめます。第89回アカデミー賞では、史上最多タイとなる14部門でノミネートされました。

売れない女優と男性ピアニストの恋、そしてそれぞれの夢への歩みを、ゴージャスな音楽とダンス、きらびやか衣装とともに味わえる作品です。

もし相手も『ラ・ラ・ランド』を鑑賞済みならば、ラストシーンについて感想を語り合うのもいいでしょう。

『マトリックス(The Matrix)』

『マトリックス』は、1999年にアメリカで製作された作品で、SFやアクション、サスペンス要素などを併せ持っています。2021年に最新作が公開された『マトリックス』シリーズの1作目にして、傑作とも呼ばれる作品です。

ストーリーとしては、主人公ネオ(キアヌ・リーブス)が、現実だと思っていた仮想現実・通称マトリックスから目を覚まし、世界を支配する人工知能を搭載したコンピューターと戦うというもの。

カンフーにワイヤーアクション、そしてバレットタイムと呼ばれる撮影方法は、当時のハリウッド映画としてはとても革新的でした。特にバレットタイムにより撮影された、上体を反らしながら弾丸を避けるスローモーションのシーンは、多くの人が覚えているのではないでしょうか。独特な世界観や、息をのむストーリー展開と相まって、世界的大ヒットを記録しました。

1999年の作品ではありながら、2023年現在、世界で話題の人工知能について描いています。そのため、仮に相手が本作を見ていなかったとしても、そのモチーフについてどう思うかや、先見の明であることについて、会話を弾ませることができるでしょう。

『Shall we ダンス?』

『Shall we ダンス?』は1996年に日本で製作された作品です。当時、日本アカデミー賞13部門で最優秀賞を独占して話題となり、2004年にはハリウッド映画としてリメイクされました。

社交ダンスを通じて、人生を見つめ直す中年男性を描いた物語です。当時、日本中で社交ダンスがブームとなるなど、社会現象を起こしました。

笑いあり、涙ありで、自分も何かを全力で頑張ってみたい、と思わせてくれる前向きな映画です。もしも映画の話が深掘りできなさそうでも、関連して最近ハマっていることや趣味の話にシフトすることもできるでしょう。

好きな映画を聞かれたら? 好きな相手に質問された場合のおすすめ洋画

  • 好きな相手に好印象を与える洋画

ここからは、まだ関係性は浅いけれど気になる相手に好きな映画を聞かれたときに、好印象を与えられそう、話が弾みそうな洋画作品を紹介します。会話の流れ次第では、今度一緒に見ようという話になるかもしれません。

ただし純粋な恋愛映画は、恋愛観の違いが浮き彫りとなることで重たい雰囲気になったり、ラブシーンがあって気まずい雰囲気になったりする可能性があります。そのため、最初はワクワクするようなコメディー作品やアクション作品がおすすめです。

『イエスマン “YES”は人生のパスワード(Yes Man)』

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』は、2008年にアメリカで製作されたジム・キャリー主演の作品。コメディー要素が多分に含まれつつ、人間らしさや成長を描いた映画です。

何事に対しても「ノー」とネガティブに対応してしまう主人公カール。あるセミナーをきっかけにして、どんなことに対しても「イエス」と答えることを決意し、そこから彼の人生が大激変していく物語です。

笑いあり、学びありで、見終わった後には晴れやかな気分になれるハッピーな作品。気になる相手に、前向きでポジティブな印象を与えられるでしょう。

『ホーム・アローン(Home-Alone)』

『ホーム・アローン』は、当時子役だったマコーレー・カルキンが主演を務めるコメディー映画で、1990年にアメリカで製作されました。

家族のクリスマス旅行に、アクシデントで置き去りにされてしまった8歳の主人公ケビンが、留守番中に2人組の強盗から家を守るというストーリーです。その撃退方法が非常にユニークで、笑いなしには見られません。家族でもカップルでも楽しめる名作です。

クリスマス映画の定番のような作品と言えるので、この映画の話をすれば、自然と年末のイベントや予定の会話につなげることができるでしょう。理想の家族像について語るきっかけにもなるかもしれません。

好きな映画を聞かれたら? 好きな相手に質問された場合のおすすめ邦画

  • 好きな相手に好印象を与える邦画

邦画にも魅力的な作品はたくさんありますね。続いて、好きな相手に好印象を与えられそう、話が弾みそうな邦画を紹介します。注意点は洋画と同様です。

『たそがれ清兵衛』

『たそがれ清兵衛』は、2002年に日本で製作された作品です。ジャンルとしては、アクションやヒューマンドラマの要素を含む時代劇。日本アカデミー賞では作品賞の他、山田洋次監督が監督賞、真田広之さんが主演男優賞、宮沢りえさんが主演女優賞でそれぞれ最優秀賞を受賞するなど、12冠を達成しています。

幕末の庄内地方に住む、下級藩士が主人公の物語です。彼は妻に先立たれており、家で待つ幼い2人の娘と年老いた母のために、藩の仕事後、たそがれ時には急いで帰宅することから「たそがれ清兵衛」とからかわれていました。しかし幼なじみの女性を救ったことから、隠していた剣術の腕前が広まってしまい、上意討ちの討手になるよう命じられてしまいます。

迫力あるアクションシーンはもちろん、家族愛や主人公の葛藤、心に染みる日本の情景美に、決して安っぽくない男女の恋情など、見どころが満載です。その中から、相手が興味を示した部分を深掘りして話すことができるでしょう。

『となりのトトロ』

言わずと知れた日本アニメ映画の傑作、『となりのトトロ』は、1988年製作のスタジオジブリ作品です。日本に住んでいれば、多くの人が一度は見たことがあるでしょう。

小学6年生のサツキと4歳のメイの姉妹は、病気で入院している母のため、父とともに空気のきれいな田舎へと引っ越します。そこでトトロやまっくろくろすけ、ネコバスなど、不思議な生き物と出会い、交流する物語です。

トトロたちがかわいいのはもちろんですが、姿を消してしまったメイをサツキが必死に探すシーンなど、胸が締め付けられるような描写もあり、奥深い作品です。また見たときの年齢やそのときの自分の心情、登場人物の中で誰に感情移入するかなど、何度見ても見方が変わり、新しい魅力を発見できます。

『となりのトトロ』を話題にすれば、子供心を忘れないピュアさをアピールできるだけではなく、そのような深い話もできるでしょう。また、他のジブリ作品の中で何が好きか、という話題につなげることもできます。

好きな映画を聞かれたら? 面接で聞かれたときにウケが良さそうなおすすめ映画

  • 面接で聞かれたときにウケのいい映画

就職や転職などの面接で、好きな映画について聞かれる機会があるかもしれません。面接で聞かれたときは、その映画の内容、そしてなぜその映画を好きなのかという理由から、あなたの嗜好(しこう)や、物事に対する考え方の傾向を探っている可能性があります。

自己PRにつなげやすい、下記のような前向きな映画を答えるのがおすすめです。

『最高の人生の見つけ方(The Bucket List)』

『最高の人生の見つけ方』は、2007年にアメリカで製作された映画です。2大オスカー俳優であるジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが初共演を果たしたことでも話題となりました。

余命6カ月の老人男性の2人が、棺おけに入る前にやっておきたいことリストを作成して実行していくロードムービーです。

後悔のない人生を送ること、最後まで諦めずに全力を尽くすことを、強く後押ししてくれる映画と言えます。自分の人生にとって本当に大切なものを考えるきっかけとしても役立つことでしょう。

『ライフ・イズ・ビューティフル(La vita è bella)』

『ライフ・イズ・ビューティフル』は、1997年にイタリアで製作されました。カンヌ映画祭審査員特別グランプリをはじめ、数々の映画賞を受賞した、ヒューマン・コメディーです。

戦争中に強制収容所に送られてしまうという極限状態の中で、できる限りの創意や工夫、ユーモアを使って幼い息子を守り抜いたユダヤ人の父親の物語で、涙なしには見られません。

絶望的な状況でも、楽しさや幸せを見いだすヒントが詰まっている映画と言えます。きっとこの父親のような人間は、どんな会社や組織からも歓迎されることでしょう。

好きな映画を上手に答えて、会話を盛り上げよう

好きな映画を聞かれたら、話のきっかけとしてまずは好きな作品のニュアンスやジャンルを伝えるのがおすすめです。その後、話が進む中で、具体的に好きな映画名を聞かれる場面が出てくるはずです。そこで初めて、作品名を挙げるようにしましょう。そのときには、ぜひ今回紹介した作品を参考にしてください。

さらに今回紹介した作品を入り口に、たくさんの映画作品を見ることをおすすめします。ご自身の引き出しが増えれば、その場に合った好きな映画を自信を持って答えられて、より会話が盛り上がるでしょう。