本連載の前回記事では、iPhoneとMacでiCloudを利用するとSafariのブックマークや開いているタブなどが同期されることを紹介しました。メモやカレンダー、リマインダーなどのアプリではどちらか一方のデバイスで入力したデータがもう一方にも反映しますが、入力したデータだけでなく、Safariのように使っている状態などが同期されるアプリもあるというわけです。

Safari以外にも、そのようなアプリがあります。

マップでは履歴やよく使う項目が同期される

前回記事で解説した通り、iPhoneとMacの両方が同じApple IDでiCloudにサインインした状態で、iPhoneでは「設定」、Macでは「システム設定」を開き、「マップ」アプリでiCloudを使用する設定にします。

  • iPhoneの「設定」を開いて、自分の名前の部分→「iCloud」→「すべてを表示」をタップし、「マップ」をオンにします

  • Macの「システム設定」を開いて、自分の名前の部分→「iCloud」→「その他のアプリを表示」をクリックし、「マップ」をオンにします

このように設定しておくと、「マップ」アプリで検索した履歴や「よく使う項目」に追加した場所が同期されます。

  • Macの「マップ」で場所を検索しました

  • また、Macの「マップ」で、表示した場所をよく使う項目に追加することができます

  • 履歴やよく使う項目がこのように保存されています

iPhoneの「マップ」アプリを開いてみましょう。

  • iPhoneの「マップ」アプリで、履歴やよく使う項目がMacと同じ状態になっています

Macのほうが画面が大きいので、地図が見やすいかもしれません。そこで、自宅のMacで外出先の情報をあらかじめ調べたりよく使う項目に追加したりしておけば、外出してからその情報をiPhoneのアプリで見ることができます。

もちろん反対に、iPhoneの「マップ」アプリで調べた履歴や追加したよく使う項目も、Macの「マップ」アプリに反映されます。

設定しなくても同期される「天気」アプリ

iPhoneの「設定」やMacの「システム設定」で設定しなくても、同じApple IDでサインインしていれば同期されるアプリもあります。「天気」アプリがこれにあたります。

  • Macの「天気」アプリで、天気を知りたい場所を検索します

  • この場所の天気を頻繁に見るなら、「追加」をクリックしてこの場所をリストに追加します

  • リストに追加されました。クリックして、その場所の天気をすぐに見ることができます

このリストが、iPhoneの「天気」アプリに反映されます。

  • iPhoneの「天気」アプリを開き、右下にあるリストのアイコンをタップします

  • Macでリストに追加した場所が表示されます。タップして天気を表示できます

今度はiPhoneの「天気」アプリで別の場所を調べてみましょう。

  • すぐ上の図の画面で上部にある検索フィールドに地名を入力し、該当する場所をタップします

  • 右上にある「追加」をタップしてリストに追加します

  • 追加した場所が、Macの「天気」アプリのリストに反映します

このように、iPhoneとMacで共通するアプリが多数あるだけでなく、アプリのデータや履歴、設定、使っている状態なども同期されるので、2つのデバイスをシームレスに使うことができますし、大きい画面で操作したいときはMacを使うなどそのときどきで使い分けることで、さらに便利に効率よく活用できます。

【今回の余談】
アプリを使っているときに「あれ、こんな設定したっけ?」と思うことがあります。マップなどで「履歴が保存されていて助かった」ということもあります。複数のデバイスを使っていると、最初は自分で設定するにしても、その後は意識しないうちにアプリの情報が同期されていて便利です。
それでは次回も、よろしくお願いします。