東京都交通局は13日、上野動物園で運行していた上野動物園モノレール(東京都懸垂電車上野懸垂線。2019年11月から運行休止中)について、国土交通大臣宛に鉄道事業廃止日の繰上届を提出したと発表した。廃止日は2023年12月27日とされた。
1957(昭和32)年、日本で最初のモノレールとして開業した上野動物園モノレールは、鉄道事業法にもとづく交通機関として、東京都交通局の運営により営業運転が行われ、上野動物園の東園~西園間(0.3km)を所要時間約1分半で結んだ。
2001(平成13)年から4代目の車両40形が活躍していたが、経年劣化を理由に2019年11月から運行休止に。車両更新も検討されたが、国内唯一の特殊な車両で、製造に時間を要することに加え、電気設備等の大規模な更新が必要なことも課題だった。東京都建設局が2022年11月に策定した「恩賜上野動物園 新たな乗り物の整備に関する基本方針」の中で、モノレールの代替となる新たな乗り物(小型モノレール等のコンパクトな乗り物を想定)を整備する一方、現存の上野動物園モノレール施設は原則として都が撤去することとされた。
東京都交通局は今年7月に上野動物園モノレールの鉄道事業廃止届を提出しており、当初の廃止予定日は2024年7月21日だった。ただし、「届出後、関東運輸局長が届出に係る廃止の日より前に当該廃止を行ったとしても公衆の利便を阻害するおそれがないと認めた場合は、廃止の日を繰り上げることがあります」とも説明していた。
11月13日、「鉄道事業法(昭和61年法律第92号)第28条の2 第5項及び同法施行規則(昭和62年運輸省令第6号)第42条の7」の規定にもとづき、鉄道事業廃止日の繰上届を提出。年末の12月27日を廃止日としており、当初の予定より7カ月近く繰り上げられることになった。