米クアルコムは11月3日、「Snapdragon Satellite」に関する米イリジウムとの提携の解消を決定した。契約終了日は12月3日としている。
クアルコムは1月に開催された「CES 2023」において、Androidスマートフォンと衛星の直接通信を実現するソリューション「Snapdragon Satellite」を発表した。
スマートフォンと衛星の直接通信は地上網の限られたカバレッジにとらわれず広域で緊急的な通信手段を確保できるアイデアとして、iPhoneの「衛星経由の緊急SOS」機能(※日本国内では未提供)であったり、米スペースXが各国の携帯キャリアと連携して2024年以降の提供を目指す「Starlink Direct to Cell」であったり(※日本ではKDDIが提供予定)と、近年複数のサービスが立ち上がり注目されている。
Snapdragon Satelliteは通信キャリアや端末メーカーが各個でそれらの実現を目指すのではなく、SoC・プラットフォームレベルで直接通信機能の下地を整える取り組みで、イリジウムの衛星コンステレーションを利用する計画だった。
技術的にはすでに開発・実装に成功しており、Snapdragon 8シリーズを搭載するハイエンドスマートフォン向けの機能として準備されていたが、実装を望む端末メーカーが現れなかったことを断念した理由としている。