11月19日に開催される『FIGHT CLUB』(東京都内/場所非公開)での奇抜なマッチメイクが話題になっている。OFG(オープン・フィンガー・グローブ)着用でのキックボクシングルールで朝倉未来とYA-MANが対戦するのだ。
初めてのキックボクシングファイトで王者に挑むことになった朝倉が、11月9日に所属ジムで公開練習を行った。3分間のミット打ちを披露した後に、彼が語ったこととは─。
■本当に「朝倉優位」なのか?
『FIGHT CLUB』では全7試合が行われるが、その軸となるのは「RISE」と「JAPAN TOP TEAM(旧トライフォース赤坂)」の3対3対抗戦。組まれているカードは次の通りだ。
▶66キロ契約
木村“ケルベロス”颯太(心将塾)vs.白川陸斗(JTT)
▶68キロ契約
山口裕人(道化倶楽部)vs.西谷大成(JTT)
▶70キロ契約
YA-MAN(TARGET SHIBUYA) vs.朝倉未来(JTT)
最注目は大将戦、YA-MANと朝倉未来の対峙である。
どちらが勝つのか?
多くのファンは「朝倉優位」と予想しているようだ。
果たしてそうだろうか?
MMA(総合格闘技)ルールで闘えば、これまでの実績から考えて朝倉の実力が明らかに上位である。しかし今回の試合は、キックボクシングルール。朝倉はキックボクシング初体験、対してYA-MANは13勝(6KO)4敗の戦績を誇り、現RISE OFG 65キロ以下級チャンピオンなのだ。
優位なのは明らかにYA-MANだろう。というよりもYA-MANはキックボクシング団体「RISE」の威信をかけて負けるわけにはいかない。
■ドロー濃厚、問われる試合内容
公開練習後に朝倉は言った。
「(コンディションは)いい感じです。(YA-MANは)OFGだとKOが多いですよね。パンチ力も根性もあると思いますが、怖さはないです。
彼の試合は最近だいぶ観て、対策もできています。
どんな感じで来るのか分からないけど、(YA-MANは)いつものようには闘えない。いままでの対戦相手の中でカウンターを合わせるのが一番上手いのは僕だと思うから。ズバッと打ち抜いちゃうかもしれない。
様子を見てくるか、前へ出てくるのか、それによって展開は変わる。いずれにしても自分が勝つ。パンチ力はある選手なので、もらわないようにとは思っています」
警戒はしながらも自信を漂わせる。
朝倉にとって今回の試合は、7月『超RIZIN.2』でヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)に完敗して以来、約3カ月半ぶりの再起戦だ。それについては─。
「(今回の試合は)MMAとは別物。(再起戦との気持ちは)全然ないです。MMAの負けはMMAでしか取り戻せない。この試合に勝ってもMMAファイターとしての評価が上がるわけじゃない。ただ、立ち技のトップ選手とやるのは、いい経験。ここで得るものがあったらいいな、くらいの感じ。(11月4日の)記者会見でも言いましたけど(参戦理由は)興味本位です」
さて勝敗予想だが、優位なのはキックボクシングのキャリアで勝るYA-MAN。
ただ、この試合は3分×3ラウンドの9分間で決着がつかなかった場合、判定は行われず引き分けとなる設定だ。ならば、ドロー決着濃厚か─。
それでも試合内容は問われる。
観る者それぞれがジャッジとなり勝敗を決すればいい。私も、そうするつもりだ。
朝倉がKOで勝つようなことがあれば、ストーリーは完結。しかし、YA-MANが勝利、あるいはフルラウンド闘い抜いてのドローも試合内容がYA-MAN圧倒的優位であったなら、その先があるのか。
もしかすると大晦日『RIZIN.45』のリングでの、MMAルール・リマッチにつながるのかもしれない。
YA-MANの公開練習は11月13日に行われる。
▼朝倉未来、軍団の勝敗予想は「2勝1敗」その言葉に西谷大成が戦々恐々『FIGHT CLUB』公開練習
文/近藤隆夫
※11・19『FIGHT CLUB』の模様は「ABEMA PPV ONLINE LIVE」にて配信される。