来場者数111.2万人を記録し、大盛況のうちに幕を閉じた「ジャパンモビリティショー2023」(10月26日~11月5日)。乗り物の未来が体感できる同イベントを自動車部所属の学生ライターに取材してもらいました。気になったのは地面を走らないあのクルマ?
スバルの前身は飛行機の会社?
ジャパンモビリティショーで気になったのは、スバルが「より自由な移動」の未来を表現したコンセプトカー「SUBARU AIR MOBILITY Concept」です。スバルが空飛ぶクルマを開発した理由について取材してみました!
意外なことにスバルは、1917年にエンジニアであった中島知久平が創設した飛行機研究所から歴史が始まっています。
戦後には富士重工業と名称を変更し、現在のスバルへと至ります。飛行機研究所として切り拓いた航空機開発の知識や技術が、現在のスバルのクルマ作りにも受け継がれています。予防安全技術「アイサイト」に定評があるのも、人命重視の観点が特に大事な航空機を開発していたスバルだからこそなんですね。
前身が飛行機研究所だったスバルには、現在も「航空宇宙カンパニー」という事業部があるそうです。そこでは航空機の修理や製造を行っています。このように、航空機と深い関係性があることから、スバルは航空機と自動車のコラボレーションである空飛ぶクルマを企画したんだそうです。
垂直離陸には昔から取り組んでいた?
今回のジャパンモビリティショーで世界初公開となった「SUBARU AIR MOBILITY Concept」についても紹介していきます。
「SUBARU AIR MOBILITY Concept」は「ワクワクしてもらいつつ、自由に移動してほしい」というスバルの未来への思いがコンセプトになったエアモビリティです。シルバーカラーが印象的な車両のデザインは、私たちが想像する近未来の乗り物や宇宙船を思い起こさせてくれます。現段階では展示用のコンセプト車両ですが、それ以外に実証機もあり、空を飛び安全性を確かめる実証実験が行われています。
実際にスバルのブースでは、「SUBARU AIR MOBILITY Concept」が空を飛び、ダイナミックに実証実験を行う様子のVTRを視聴することができました。こちらの垂直離陸技術は、スバルがもともと航空機事業を行っている関係から、何年前と表現するのも難しいくらいに昔から研究しているものなのだそうです。技術的にはドローンに近く、それに一般的な自動車開発でも必要な安全性も追加しています。
渋滞のない社会が生まれるかも?
こちらの「SUBARU AIR MOBILITY Concept」が実現するには、技術的な更なる成長だけでなく法整備なども必要になってきます。一般の方が乗る際の免許形態や社会受容性などの観点から、何年後に作るという目標は立てられていません。
ただ、社会に認められた際にはすぐに事業化して車両を出せるよう、研究を続けているそうです。
クルマが空を飛ぶことができる未来では、長年航空技術に取り組んできたスバルのアドバンテージが発揮されることでしょう。その未来では、クルマを運転したことがある人なら一度は夢見たことのある、渋滞のない社会が到来しているかもしれません!