一年の締めくくりに取引先や上司・同僚などに向けて、年末の挨拶をするのはビジネスパーソンとしてのマナーです。しかし、どのような言葉を使ってどのタイミングでメッセージを送ればいいのかと、悩む方も少なくないでしょう。
本記事では一年の締めくくりの言葉を使った年末の挨拶の例文や、メール/手紙/スピーチのポイント、一年の締めくくりの言葉を伝える目的などを紹介します。
一年の締めくくりの言葉を使った挨拶メールの例文
早速、一年の締めくくりの言葉を使った、年末の挨拶メールの例文を、送る相手別に分けて紹介します。相手から年末の挨拶メールをもらった場合の、返事の例文も用意しました。
【取引先向け】一年の締めくくりの挨拶メールの例文
以下は、社外の取引先などに送る、年末挨拶メールの例文です。
件名:年末のご挨拶と年末年始休業のお知らせ 株式会社◯◯(××)
株式会社△△ ▲▲様
いつも大変お世話になっております。
株式会社◯◯の××です。
本年も残すところ、あとわずかとなりました。
▲▲様には、本年も格別のご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。
弊社の年末年始の営業日についてご案内いたします。
・年内の最終営業日時:2023年12月27日18時
・年始の営業開始日:2024年1月5日9時
休業期間中につきましてはご迷惑をお掛けし恐縮ですが、ご理解いただけますと幸いです。
来年も一層精進してまいりますので、変わらぬご厚情を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
寒い日が続きますが、▲▲様もお風邪など召されぬようご自愛いただき、どうぞよいお年をお迎えくださいませ。
社外向けに送るメールには、感謝の気持ちや来年への挨拶の他に、年末年始の営業日(休業日)も入れるといいでしょう。
上記の例文に加えて相手との具体的なエピソードを盛り込みたい場合は、長文にならないようにして、相手への配慮を忘れないようにしましょう
【上司向け】一年の締めくくりの挨拶メールの例文
以下は、上司に向けて送る、年末挨拶メールの例文です。
件名:年末のご挨拶
△△部 ▲▲さん
お疲れ様です。◯◯部の××です。
本年も残すところ、あとわずかとなりました。
▲▲さんには本年も大変お世話になり、心より感謝申し上げます。
特に□□プロジェクトでは、▲▲さんに粘り強くご指導いただいたおかげで、無事予定通りにサービス開始を迎えることができました。
重ねてお礼申し上げます。
来年もご迷惑をお掛けすることがあるかと存じますが、一層努力してまいりますので、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
寒い日が続きますので、お体に気を付けて、どうぞよいお年をお迎えください。
社内(上司)向けの年末挨拶メールは、社外向けに送るメールとは異なり、最終営業日を案内する必要がありません。
その分、相手とのエピソードを盛り込んだり、感謝の気持ちを伝えたりするといいでしょう。
【同僚向け(カジュアル)】一年の締めくくりの挨拶メールの例文
以下は、同僚に向けて送る、ややカジュアルな年末挨拶メールの例文です。
件名:年末のご挨拶
△△部 ▲▲さん
お疲れ様です。◯◯部の××です。
今年も大変お世話になりました。
特に□□の企画の際は、アイデア出しや資料の作成をサポートしていただき、本当にありがとうございました。
来年も、引き続きよろしくお願いいたします。
落ち着いたらまたランチにでも行きましょうね。
それではお体に気を付けて、素晴らしい新年をお迎えください。
同僚に向けたメールの場合、取引先や上司に向けたもののようにかしこまった表現を使う必要はないでしょう。
相手との普段の関係性や状況によっては、やや砕けた表現や言葉遣いでも問題ありません。
一年の締めくくりの挨拶メールをもらった際の、返信の例文
以下は、取引先から年末挨拶のメールを受け取った際の、返信の例文です。
件名:Re:年末年始休業のお知らせ【株式会社△△】
株式会社△△ ▲▲様
いつもお世話になっております。
株式会社◯◯の××です。
年末年始の営業日についてご丁寧にお知らせいただき、ありがとうございました。
▲▲様には、本年も格別のご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。
弊社の年末年始の営業日は、以下の通りでございます。
・年内の最終営業日時:2023年12月28日15時
・年始の営業開始日:2024年1月9日9時
休業期間中につきましてはご迷惑をお掛けいたしますが、ご理解のほど、何卒よろしくお願いいたします。
▲▲様も、どうぞよいお年をお迎えください。
一年の締めくくりの挨拶メールが先方から先に送られてきた場合は、休業期間について知らせてくれたことへの感謝を伝え、なるべく早めに返信するように心掛けましょう。
一年の締めくくりの挨拶の手紙のポイントと例文
一年の締めくくりの挨拶を手紙で書くと、より丁寧な印象が伝わるでしょう。
書き方として、基本的なポイントはメールと同じですが、手紙の場合は「季節の挨拶(時候の挨拶)」を入れることが多いです。「季節の挨拶(時候の挨拶)」とは、四季折々の季節感を重んじる日本において、手紙や書面などの冒頭に用いる挨拶文のことを指すとされます。
例えばビジネスシーンでは「拝啓 師走の候、貴社におかれましてはますますご清栄のことと、お喜び申し上げます」などと書き出すといいでしょう。
もう少しカジュアルなシーンの場合は、「寒さが日ごとに増します今日この頃、いかがお過ごしでしょうか」といった柔らかな表現を添えると、手紙特有の温かみが増して、受け取った相手も笑顔になるはずです。
また、結びの文にも季節感を取り入れるといいでしょう。
[季節の挨拶]12月上旬/中旬/下旬の時候の挨拶文と例文|カジュアル・ビジネス
一年の締めくくりのスピーチのポイントと例文
特に企業で役職に就いていると、年末の仕事納めの際など、部下を集めてスピーチをする機会もあるでしょう。
一年の締めくくりだというのに、その際に「目標予算に達していなかった」「業績が不振である」といったネガティブな話をされては、一年間頑張って来た社員のモチベーションが下がってしまいます。
「一年間、お疲れ様でした。皆さんのおかげで今年も乗り切ることができました。来年も一緒に頑張っていきましょう」といったように、社員に対してねぎらいの気持ちを伝え、来年に向けて前向きになれるようなスピーチにしましょう。
一年の締めくくりの言葉を伝える目的とは
そもそも、なぜ年末に一年の締めくくりの言葉を伝えるべきなのでしょうか。その主な目的は、以下の通りです。
- 一年間お世話になったことへの感謝を伝えるため
- 来年以降も良好な関係を築きたいという意思を伝えるため
- 年末年始の休業期間を知らせるため
一年の締めくくりの言葉を伝えることで、相手に好印象を与えやすくなり、来年以降も良好な関係を築くきっかけとなるでしょう。
また仕事納め・仕事始めの日は会社によって異なるため、社外に向けて、年末・年始の営業スケジュールを伝えるのにも役立ちます。
一年の締めくくりの言葉をメールで伝える際の注意点
年末に一年の締めくくりの言葉をメールで伝える際は、以下の点に気を付けましょう。
一年の締めくくりの挨拶メールの基本構成
前述の例文を見てなんとなくイメージができたかもしれませんが、一年の締めくくりの挨拶メールには、基本的に以下の項目を盛り込むといいでしょう。
- 挨拶と自己紹介
- 今年一年の感謝
- 年末年始の営業日(休業期間)のお知らせ
- 来年に向けての挨拶
- 相手への気遣いの言葉と結び
これらを簡潔に、わかりやすく記載します。感謝を伝える部分にその人とのエピソードを入れたり、相手への気遣いの言葉の部分を一人一人オリジナルのものにしたりすると、より気持ちが伝わるでしょう。
件名はわかりやすさを意識する
年末は業務が立て込んでいる忙しい時期で、多くの挨拶メールが行き交います。
そのためメールの件名を見て、すぐに年末の挨拶メールであると認識してもらえる工夫が必要です。
例えば「件名:年末のご挨拶 株式会社◯◯(自分の名前)」といったように、用件と送り主が一目でわかる件名にすると、スマートな印象を与えられるでしょう。
適切なタイミングでメールを送る
年末は忙しく、また会社ごとに仕事納めの日はバラバラです。
年末の挨拶メールを送るタイミングについて、取引先などの社外に対しては、最終営業日の一週間前から3日前くらいまでがおすすめです。
余裕を持って送ることで、相手の業務に支障が出ないように配慮することができます。また早めに送っておけば、もしもそこから問い合わせなどが来ても、焦ることなく年内に業務を終えることができるでしょう。
社内向けメールの場合は最終営業日でも構いませんが、相手が落ち着いてメールを読めるように、お昼までにはメールを送るといいでしょう。
一斉送信をしない
一年の締めくくりのメールを送る際は、一斉送信をしないようにしましょう。
Bccで送るつもりが間違えてCcで送ってしまい、メールを受信した相手に、他の受信者のメールアドレスが丸わかりになってしまうなどのリスクがあるからです。
また「本年、お世話になった方々へ」などの宛名で一斉送信メールを送ってしまうと、メールを受けた人に事務的な印象を与える可能性があります。せっかく一年の感謝の気持ちを伝えるのですから、一人一人個別に送り、先ほども触れたようにその人ごとのエピソードなどを交えながら、オリジナルの言葉を入れられるとベストです。
年末には、メールや手紙で一年の締めくくりの言葉をスマートに伝えよう
この記事では、一年の締めくくりの言葉を使った例文や、伝える際のポイントなどについて解説しました。
一年の締めくくりの挨拶は、相手に今年一年間の感謝の気持ちを伝え、来年も良好な関係を築くための潤滑剤となり得ます。メールの場合は件名のわかりやすさを意識したり、一斉送信をしないようにしたりと、受け取る人に対する配慮も忘れないようにしたいものです。
正しいマナーをしっかりと学び、適切な言葉を使って、一年を締めくくりましょう。